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ベルリンの壁

2009年02月22日 | トマス小野田神父(SSPX)のひとり言
アヴェ・マリア!

愛する兄弟の皆様、

 2009年2月15日の読売新聞朝刊のワールド・ビューの報道によると最近パリで仏政府主催で開催されたシンポジウム「新しい資本主義」で、フランスのサルコジ大統領も、ドイツのメルケル首相も、そのスピーチの中でベルリンの壁が落ちたことを話題にしたそうです。ベルリンの壁の崩壊は、今や何が起こるか予想もつかない時代の時のしるしのようです。サルコジ仏大統領は言います、「われわれは覚えている。ベルリンの壁が崩壊した時生まれた大いなる希望を。」

 そんな時、産経新聞2009年2月12日の詳説戦後第13回、非核三原則の記事を思いました。この記事は、北朝鮮のミサイル発射準備の世相を表しているのでしょう。日本であってもこんな記事が新聞に掲載されるようになったようです。

 それによると、北朝鮮の他にも、ロシアは3506発の核弾頭と760基の核ミサイル、中国は核弾頭数は不明(数百発を持つとされる)、818基の核ミサイルを保持しているそうです。それに対して日本はどうあるべきか、という内容の記事でした。

 20年前にベルリンの壁が倒れ、あのソ連があっけなくなくなってしまい、世界一と言われた金融企業が危機に苦しんでいる激変の世の中です。予測のつかない時代です。日本はどう対応すべきなのでしょうか。産経新聞は、核という日本での言わば「タブー」の問題でも、これを話題にすべき時が来ていると見ているようです。

 ただし、産経新聞によると日本では非核三原則ではなく、核について言わせず、考えさせず、のタブーを加えた非核五原則とさえなっている、と言えるようです。(ちなみに非核三原則は法律に明記されてなく、基本的には政府の方針に過ぎないとのことです。)そんな日本でも、核の話しをするようになっている時代のようです。

 この世の中には、たとえ天主の存在を疑問視したり、私たちの主イエズス・キリストが天主であることを否んだり、天主の御母聖マリアを侮辱したりしても何らかの問題がないくせに、ある特定のことについては、言わせず、考えさせず、というタブーがいくつかあります。政治的大問題としてマスコミが騒ぎたてる問題があります。

 激動の21世紀、スンモールム・ポンティフィクムが出て、また聖伝に対しての「破門」が無効と宣言された現在、今までの「聖伝タブー」の壁が落ちて崩壊したようです。今こそ、時のしるしを見て、新しいミサや第二バチカン公会議について、神学的に見直しをする時が来たと見るべきではないでしょうか。私たちの主イエズス・キリストの王としての統治権について、被造物としての人間が持っている天主への義務について、イエズス・キリストが立てたキリストの教会であるカトリック教会の目的と構造について、もう一度見直しする時が。何故なら、今や、カトリック教会は「沈黙の背教」(ヨハネ・パウロ二世)のただ中にある「沈みゆく舟」(ベネディクト十六世)のようだからです。

 ベネディクト十六世はそのラッツィンガー・リポートの中で、本当の公会議の時代はまだ来ていない、と昔から言い続けてきているように、第二バチカン公会議の見直しのために教皇様を助けなければなりません。

 私たちは、カトリック教会の存続をかけたベネディクト十六世教皇の必死の教会立て直しの切り札を、反対革新勢力の宣伝攻撃に惑わされずに、読みとらなければなりません。

 形の上では、フル・コムニオン、完全な交わりにあるはずの司教たちが、聖ピオ十世会を安っぽい口実に、反教皇を打ち出しています。今まで隠れていた反乱の正体を現してきています。

 つまり、今、特にドイツとスイス、オーストリアの特にドイツ語系の司教たちが、聖ピオ十世会を口実に教皇様への攻撃を始めています。教皇は他の司教たちの言うことを聞け、他の司教たちの言うように行動せよ、と。教皇は、司教団の意に反して、何も決定してはならない、教皇は一人で権威を行使してはならない、と。

 私たちの主イエズス・キリストは、司教団の上にご自分の教会を立てたのではありません。聖ピオ十世会は、教皇様の権威を守るため、教皇権威の行使のため、祈り働きたいと思います。また働き続けるでしょう。カトリック教会の過去から分断し続けようとしている革新的司教団の妨害に囲まれている教皇様に、聖伝の宝と遺産を空輸して差し上げなければなりません。

 キリストを信じるというよりは、共産主義を信じているような司教たちに囲まれている教皇様、相対主義の専制とマスメディアの圧力によって自由な発言が出来ない教皇様を、私たちは過去2000年の聖伝の遺産で支えたいと思います。ベネディクト十六世教皇様は、一人ではありません。多くの過去2000年の本当のカトリックがついています。

 聖伝の回帰しようとする教皇様へ私たちは聖伝のミサ聖祭に与ることで、ロザリオの祈りで、応援いたしましょう。

「われわれは覚えている。聖伝に対する《破門》の壁が崩れ落ちた時生まれた、カトリック教会再生の偉大な希望のことを。」

天主の御母聖マリアよ、ベネディクト十六世教皇様のために祈り給え!我らのために祈り給え!

愛する兄弟の皆様の上に天主様の祝福が豊かにありますように!

トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

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