tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

行基広場の大屋根問題(Topic)

2011年08月10日 | お知らせ
昨日(8/9)の新聞は、軒並み奈良市定例記者会見での仲川市長の発言を報じた。奈良新聞の見出しは《行基広場屋根計画 奈良市長「今のままで」》。《近鉄奈良駅前の行基広場に県が設置を計画しているガラス屋根について、奈良市の仲川元庸市長は8日の定例記者会見で「個人的には、行基さんが風雪に耐える姿は訴えかけるものがあり、今のままでいいのでは」との考えを示した》。

《ただ、仲川市長は「観光客を雨にぬれないようにする機能としては必要」「奈良らしい雰囲気を求めてくる人もいるので丁寧に考える必要がある。奈良の風情を損なわない形でやらなければならない」とも述べ、あいまいな発言となった》《同計画は駅から東向商店街へとつながる広場を高さ6.7~11メートルのガラス材を使ったアーチ屋根で覆う計画で、総事業費は1億5100万円。この屋根をめぐっては、何の説明もなく県が計画を進めたことへの住民の反発も起きていた》。毎日新聞奈良版産経新聞奈良版も、報じていた。


写真はいずれも、ならまち通信社のHPより拝借

この発言に反応したのか、昨日は電子メールやFacebook経由で、こんな情報をいただいた。「8/14 大屋根反対デモ@奈良 ご参加を」。《奈良県は、近鉄奈良駅前に1億7千万円の予算を計上して、大屋根を作ることを決定しました。市民への充分な説明もなく、世界遺産の入口としての価値も検討されていません。行基像のたたずむ青空広場こそが、奈良の価値ではないでしょうか》。

《東日本大震災で多くの人が困難な暮らしをしているいま、これだけの予算をかけて屋根を作る必要があるでしょうか。大屋根建設に異を唱えるため、デモを決行します。従来の組織による動員はありません。ウェブからの呼びかけで参加者を募っています。本当に声をあげたい一人一人の市民が自由意志で集まるデモです。ゆるくて楽しいデモにしましょう。ご賛同の方、ぜひご参加を》。デモの詳細は、以下のとおりである。

近鉄奈良駅前に大屋根はいらないデモ

日時:8月14日(日)午後1時30分集合 14時~15時(予定)
場所:近鉄奈良駅前〈行基広場〉集合(ルートは下記参照)
目的:1.奈良県が進めている大屋根建設計画の問題を広く知ってもらう 2.大屋根建設について強い反対の声があることを形として示す
主催:ならまち通信社(代表・松永洋介 電話070-5024-9428)

ルート:行基広場出発→大宮通を西進→高天交差点からやすらぎの道を南進→上三条町交差点から三条通を東進→采女神社から南進、猿沢池南側を半周→五十二段下でデモとしては解散。その後、再び行基広場に各自集合。

上記デモ目的に賛同される方は、ぜひご参加ください。プラカード歓迎。電気式拡声器は使いません。届けを出して許可を得た、正規のデモ行進です。当日は、主催者およびルートを確保してくださる警察の指示に従ってください。

「ゆるくて楽しい正規のデモ」というところが、いかにもイマ風である。青空か、覆い屋か。ここはひとつ、行基さんから「天の声」をいただきたいものである。

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13 コメント

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Unknown (tenbou)
2011-08-10 09:43:03
もう決定されたと思っていましたが まだ論争が続いていたのですね
大屋根はあったほうが良いでしょうね
行基さんの前は 観光客や歴史ウォークの方々の集合場所や待ち合わせによく利用されていますし 献血や森林保護などのキャンペーンにもよく使われています 
雨や寒さ暑さのためには大屋根があれば助かるでしょう
駅前広場に大屋根があるのはあまり見かけませんが
それだけに おもてなしの表れとして奈良をアピールする材料にもなるかもしれません
ただ 景観に配慮した多くの人々が納得する形状が必要です
それと 今後 奈良の玄関口としての整備がもっと検討されなければならないと思います
返信する
「おもてなし」の正反対 (松永洋介(ならまち通信社))
2011-08-10 11:18:11
県の計画する大屋根は、そもそも何のためなのか不明なのが最大の問題です。団体の待ち合せ場所は本来、地下コンコース。ばかに広いカフェをどかせば、通行の邪魔にもならず、十分な空間が確保できると思います。


「被災地を支援する奈良の会」で集めていた知事宛の請願署名(「行基広場大屋根と新公会堂渡り廊下の建設費3億3千万円を震災被災地支援に!」)は、明日12時半に県の道路・交通環境課に提出します。
http://narapress.jp/311/

▼tenbouさん
「雨や寒さ暑さのためには大屋根があれば助かるでしょう」とのことですが、県が計画しているのは「ガラス屋根」です。日よけになりません。それどころか、熱気が上空へ抜けず、かなり暑くなるでしょう。さらに、行基さんの噴水があるので、湿気もこもる。つまり、春から秋までは、待合せ場所として使えない。東大寺方面への視線もさえぎられ、柱は通行の邪魔。好印象を持つ人がいるとは思えないのですが。
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デザイン (tetsuda)
2011-08-10 22:09:21
tenbouさん、松永さん、コメント有り難うございました。

> あまり見かけませんが それだけに おもてなしの表れとして奈良をアピールする
> 材料にもなるかもしれません ただ景観に配慮した多くの人々が納得する形状が必要

私は通勤にこの駅を使っていますので、アーケードのある東向商店街から傘を使わずに駅に着けたらいいな、ということは考えてしまいます。

> 県が計画しているのは「ガラス屋根」です。日よけになりません。

「大屋根」と聞けば、大阪万博の「お祭り広場」を思い出します。ここの透明屋根はスグレモノでした。風通しも良かったので、湿気もこもりません。しかし、古都奈良の玄関口にそれができていいのか、というところには疑問が残りますね。よほど、デザインを考えないと。

景観配慮と利便性の綱引きだと思いますが、すでに近鉄ビルというゴッツい建物がありますから、今更何なの、という意見もあるでしょうね。
返信する
つぎはぎの古都の玄関? (あをによし南都)
2011-08-10 23:51:23
これはまさにホットなディベートですね。
ご指摘のとおりそもそもあのごっつい近鉄ビルと商店街側入り口デザイン・ごてごて色?がネックで、およそ古都の玄関とは思えない状況になっています。
長年奈良に住んでおりましたら普通に感じていましたが今では他都市と比べて大いに疑問を感じざるを得ないスポットです。
このような状況下で「つぎはぎ」のようなガラス屋根を作っていったい古都奈良はなにを目指そうとしているのか???です。
利便性は大事ですが優先度の第一位でしょうか?
デザインや全体バランス、色彩感の観点で奈良らしさをしっかり追求し、奈良に来られた観光客がさすが奈良の玄関はいい感じだ、というを印象を持ってもらえるような玄関口を目指すなら大賛成です。
ちょうど東京駅はクラシックな戦前の駅舎スタイルを復元中です。
歴史資産の重みがある奈良がチープな現代建築構造物に走り、近代都市の東京が少しでも歴史的価値を大事にしようとしているこの対極。
たしかに「今更何なの」というのが大方の気持ちかもしれませんが何とか良い方向になって欲しいものです。少なくともどうしても作るなら屋根はガラスではなく瓦(或いは瓦風屋根)のようなものであって欲しいと思います。
ついでに言えばこういう建築作業で奈良の建築事業者さんに奈良らしいデザイン建造物・構造物についてノウハウが蓄積し今後につながればと期待したいところです。
返信する
瓦屋根のイメージ (tetsuda)
2011-08-11 22:23:23
あをによし南都さん、コメント有り難うございました。

> 奈良に来られた観光客がさすが奈良の玄関はいい感じだ、という
> 印象を持ってもらえるような玄関口を目指すなら大賛成です。

そうですね。すでに県議会が承認していますので、大屋根ができるのであれば、せめて奈良らしさを前面に打ち出したデザインにしていただきたいです。

> 瓦(或いは瓦風屋根)のようなものであって欲しいと思います。ついでに
> 言えばこういう建築作業で奈良の建築事業者さんに奈良らしいデザイン建造物・
> 構造物についてノウハウが蓄積し今後につながればと期待したいところです。

瓦屋根のイメージとは、面白いですね。「奈良らしさ」を現代感覚で甦らせる、という試みは、もっとあって良いと思います。

確か、あの行基像は陶製で、奈良市の霊山寺と御所市の九品寺に同じもの(同時に制作したもの)があると聞いたことがあります。
返信する
奈良らしいデザイン (松永洋介/ならまち通信社)
2011-08-11 22:25:09
駅と東向商店街の間の雨よけなら、広場の南側の低い位置に
渡り廊下的な屋根をかければ十分では?

この場合、奈良らしいデザインとは「建てない」「青空」に尽きると思います。
ともかく議論がない。県は、何のために建てるのか、まともに(議会にも)説明してません。仕事のやり方を根本的に改めてもらいたいと思います。


行基像そのものはブロンズ製です。台座のタイルが赤膚焼。
銘板にはっきり書いてあるので、立ちどまって見てみてください。
返信する
行基像のこと (松永洋介/ならまち通信社)
2011-08-11 22:32:09
なんと、奈良まほろばソムリエ検定の問題にも間違いが書かれていました。
「近鉄奈良駅前の噴水の中に立つ赤膚焼の像」
http://www.nara-cci.or.jp/narakentei/06/

行基像の銘板を見ると、平成7年に「新たにブロンズ像を建立」とあります。
http://narapress.jp/img/2011-03-27_gyouki-meiban.jpg

もしかして、噴水と広場ができた昭和45年から平成7年までの間は、赤膚焼の行基像が立っていたのでしょうか?
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「新たに建立」の意味 (tetsuda)
2011-08-11 23:20:59
松永さん、コメント有り難うございました。

> 奈良まほろばソムリエ検定の問題にも間違いが書かれていました。

> もしかして、噴水と広場ができた昭和45年から平成7年まで
> の間は、赤膚焼の行基像が立っていたのでしょうか?

松永さんがリンクを貼られた銘板をよく読みますと「この噴水は(中略)行基(668-749)の遺徳を偲び(中略)昭和45年3月東大寺大仏殿に向かって立つ行基菩薩をモチーフにしてつくられました。この行基菩薩の噴水が奈良の名所として将来にわたり益々多くの人々から親しまれることを願い この度新たにブロンズ像を建立したものであります。 平成7年3月奈良市」

私が初めて奈良に来た昭和53年には、すでに行基像はあったように思います。銘板には「新たに」とありますから、それが平成7年に新しく作り替えられたのかも知れません。

モトが赤膚焼で、今がブロンズ、という松永さんの推理は当たっているかも知れません。もう少し調べてみます。
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真相 (金田充史)
2011-08-12 13:24:58
tetsudaさん、こんにちは。なら燈花会も佳境に入り、今日から動員数も大きくなります。兜の緒を締め直して今日も行きます。

ホットな議論、拝見させて頂きました。私の記憶ですが、昭和45年に近鉄が地下化した際に、故大塩正人が作成した像が初代なのですが、心ない人によって破壊されてしまいました。しかし、大塩氏は、何体か作成していて、それが、九品寺や霊山寺に収められたモノです。で、それをベースにして、壊されない様に、ブロンズとなった訳ですが、この際に、コピーを作成する事に対して是か非かの議論にもなった事を覚えています。しかし現状は、御存知の通り。円満解決したのでしょう。

しかし、こんな像を破壊して・・・・世も末ですねぇ。

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背後のヒカリビルをちょっと手直ししても良いですね。 (横田)
2011-08-13 02:33:05
ヒカリビルのオーナーと協議して特例を設けてもう1階建て増しOKとして、1階を通り抜け通路にさせてもらう案もありそうなものですがね。
同駅の西側に、そのものの通り抜けがあるので、出来ないことはないでしょう。
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