tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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東西、麺の硬さ比べ

2007年06月04日 | グルメガイド
先日、東京暮らしが長かった方とお会いしたとき、ラーメンの話になった。

関西のラーメンは柔らかい麺が多く、他所の「ご当地ラーメン」も、関西に出店すると麺を柔らかくするとのことだった。確かに生粋の関西人である私は、柔らかめの麺が好きだ。スープや具を重視する、という傾向も関係しているかも知れない。

東京でとても硬い麺を食べ、仰天したことが2度ある。1軒目は「ラーメン二郎」、もう1軒は「六厘舎(ろくりんしゃ)」だ。六厘舎(品川区大崎)の写真が見つかったので、ご覧いただきたい。ここはつけ麺の店で、うどん鉢に入った極太麺を濃厚なつけ汁で食べる。
※六厘舎のホームページ
http://www.rokurinsha.com/

麺の太さはやや細めのうどん並みで、食べるとコシがあるというより、やたら硬い。最近は、パスタに使うデュラムセモリナ粉をラーメンにも使う店があるそうだが、ここもそうなのだろうか(「デュラム」は硬質小麦、「セモリナ」は粗挽きの意)。

なお六厘舎は決してカルトな店ではなく、2007年度版「大人のラーメングランプリ」つけ麺部門第1位(総合第8位)に輝いたお店である(KKベストセラーズ「一個人」07年3月号)。訪れた日は日曜日(2/18)ということもあって、小雨が降る寒空の下で30分ほど並んだ。極太麺のゆで時間は8分30秒というから、40分近くかかってやっとラーメンにありついたことになる。

ネットで関西のラーメン店の口コミを検索してみると、「麺が柔らかい」という評が多い。和歌山ラーメンなどは、それが1つの特徴になっているようだ。

これは関西に根づく「うどん」文化が影響しているのかも知れない。コシのある讃岐うどんに対し、関西のうどんは柔らかく、大阪には「なにわ腰抜けうどん」という商品まである。
※「なにわ腰抜けうどん」(楽天市場)
http://www.rakuten.co.jp/ten-asa/781129/
※「うどんは、讃岐VS大阪」(読売新聞 05.12.9)
http://osaka.yomiuri.co.jp/ajinakansai/aj51208a.htm

食パンの切り方でも、一般的な8枚切りに対し、関西ではふんわりした厚切り(4~6枚切り)が好まれる。これも関係ありそうだ。
※食パン(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E3%83%91%E3%83%B3

もしかすると、ご飯の水加減にも東西の差があるかも知れない。そうすると、茶粥など食べている奈良県人は、最も「柔らかめ」を好む県民ということになりそうだが…。

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8 コメント

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食文化の違いでしょうね (関西初心者)
2007-06-04 21:29:16
その話をしたのは私ですね。いつも拝読しておりますが、初めてコメントさせていただきます。

関西の麺の茹で具合が軟らかいというのは私の偽らざる実感ですし、大阪と京都に赴任して東京に戻ったラーメン好きの後輩も同じことを言っていました。硬い麺が好きな私は、関西でラーメンを注文するときは「麺硬め」と念を押すようになりました。無論、軟らかい麺を好きな方を否定するつもりはありませんよ。食文化の違い、方言みたいなものですからね。

近年、東京では六厘舎に代表される極太麺のつけ麺が流行しているため、東西の麺に対する姿勢の違いがなおさら際立つようになった気がします。

つけ麺はあくまでも麺が主役で、太い麺をわしわしと食べて、小麦粉の風味を楽しむのが醍醐味といえるでしょう。ブームになって数年たつのに、なかなか関西では極太系のつけ麺店は現れませんよね。それも当然かなと関西に住んで3年目の今、思い始めています。関西の方は軟らかい麺を好むから…という以外にも、理由がありそうな気がします。

関西でラーメン店に入ると、ライスあるいは丼物を一緒に注文する姿を見かけます。私の感触では、男性の5割以上かな。これは東京のラーメン専門店では極めて珍しいことです。もちろん良いか悪いかではなく、食文化の違いという次元の話です。

つまり関西の人たちにとって、ラーメンはライスと一緒に食べるものなのだろうなと勝手に解釈しています。東京ではそもそもラーメン専門店にはライス系のメニューを置いていない店の方が多いと思います。

思えば、関西で回転寿司店に入ると、皆さん決まってうどんを頼みますよね。これも東京ではほとんど考えられないというか、味噌汁はあってもうどんはメニューにないケースがほとんどだと思います。関西の人たちにとって、うどんは味噌汁やお吸い物の代わりなのかなあと、私の目には映っています。

やはり関西ではラーメンの主役はスープや具であって、麺は脇役なのでしょうね。だから麺が主体となるつけ麺は関西ではヒットしにくい。つけ麺と一緒にライスや丼物を食べる図は思い浮かびませんものね。

そういえば「二郎」系の店が京都にできましたが、先日行ったら若い男女が行列を作っていました。関西でも「麺わしわし」が受け入れられる素地はあるということですかね。
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鋭い考察 (tetsuda)
2007-06-04 23:46:48
関西初心者さん、初コメントに深謝。いつもブログを見ていただき、有難うございます。

《つけ麺はあくまでも麺が主役で、太い麺をわしわしと食べて、小麦粉の風味を楽しむのが醍醐味》

そうですか。小麦粉の風味って、私はあまり考えたことがありません。

大阪には「肉うどんのうどん抜き」というメニューまでありますが(文中の読売新聞の記事)、これは東京人には考えられないでしょうね。

《関西の人たちにとって、うどんは味噌汁やお吸い物の代わりなのかなあ》

そうでしょう。そういえば私は先日「皿そば 文楽」で、皿そばとご飯を注文し、最後に残った卵やとろろに薬味とツユを混ぜ、ご飯にぶっかけて食べました。美味しかったですよ。

「天下一品」でも、よくご飯付きのラーメンセットを注文します。ラーメンだけだと辛いのです。

《「二郎」系の店が京都にできましたが、先日行ったら若い男女が行列を作っていました》

ラーメン激戦地・一乗寺の「ラーメン荘 夢を語れ」ですね。椎名誠ふうに麺をわしわし食べる京都の若者も出てきましたか。感無量です。
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ラーメンは敬遠してますが (横田)
2007-06-05 01:26:04
穀物料理の硬さは、貴族文化と平民文化(でなくてなんだっけ?)の違いもあるのかな?

うどんは、香川の人に言わせると「噛まずに飲み込む」んだそうです。びっくり。

チェーンの和食料理屋に行くと、ミニうどん付き定食が多いのですが、うどんを汁物と捉えているとすれば納得です。

私がラーメンを敬遠してるのは、単純にコレステロールが高いという体質によるもので、本当は好物なんですけどね。
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腰抜け派 (tetsuda)
2007-06-05 06:23:54
横田さん、多方面で書き込み、有難うございます。

《うどんは、香川の人に言わせると「噛まずに飲み込む」んだそうです。びっくり》

どちらかというと、私は讃岐うどんが苦手で「腰抜け」派です。そういえば、河瀬直美がカンヌでグランプリを取ったときの記者会見で「早く日本へ帰って、美味しいうどんを食べたい」と言っていました。

私の子供の頃、「美味しいうどん屋さん」は、麺ではなくダシと具の美味しいうどん屋さんのことでした。

《私がラーメンを敬遠してるのは、単純にコレステロールが高いという体質によるもので、本当は好物なんですけどね》

そういう方が多いからでしょうか、最近わりと塩ラーメンを目にします。昆布やカツオのダシが効いて、美味しいです。
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小麦粉の風味か、なるほど。 (酒仙堂)
2007-06-05 11:06:23
 小生、本籍が吉野郡大淀町、生まれも育ちも奈良市、というわけで生粋の奈良原人です。まぁ、根っからの関西人といってもいいでしょう。僕は麺類の麺は、具の一つだと思っていました。主役はあくまで汁というかスープです。だから小麦粉の風味や、よくいわれる新蕎麦の香りというものに気を惹かれることが皆無でした。友人が信州から生の新蕎麦を取り寄せてざる蕎麦で振舞ってくれたことがあります。同席した他の友人も、さすが新蕎麦の香りは・・・と感想を言っておりましたが僕は「かけ蕎麦で食べたい」、と口には出せずもどかしかったです。蕎麦好きの方からすれば、猫に小判でしょう。
 30年ほど前に“つけめん大王”とかいう関東資本のチェーン店が関西に進出しましたが、すぐに撤退したようです。僕も一度食べましたがなぜ関東でブームになっているのか、まるで理解できませんでした。今回の皆さんの意見でやっと理解しました。
 ダシの色ウンヌンとはまったく違う観点から、見えなかったものが見えてきました。ありがとうございました。
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ちくわぶ (tetsuda)
2007-06-06 06:15:49
酒仙堂さん、コメント有難うございました。私も同感です。

《僕は麺類の麺は、具の一つだと思っていました。主役はあくまで汁というかスープです》
やはりそうですね。お吸い物にそうめんを入れたりしますが、あの延長です。だから「ざるうどん」などは真夏だけの例外的存在で…。

そういえば、関東には「ちくわぶ」(小麦粉を練って竹輪状に固めたもの)というおでんダネがあるとか。関西にはありません。これも小麦粉の風味を楽しむ食材なのでしょうね。

♯酒仙堂さん、教えていただいた『大和・飛鳥考古学散歩』、今日本屋に届きます。早速チャレンジします。
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奈良の年表 (酒仙堂)
2007-06-06 09:49:03
 近鉄が奈良駅の上の「奈良歴史教室」を管理していた1999年、『奈良歴史手帖』という年表を同社から上梓しました。館は「ならなら館」に生まれ変わり、同書は近鉄資料室でしか販売を続けていないと思っていたら、若草書店近鉄奈良駅前店の奈良コーナーにありました。年表ですので解説は殆どありませんが、古代や飛鳥・奈良時代に偏することなく、あたりまえですが中世も平等に扱っています。税込み600円です。いい本だと思います。実は編集担当は小生でした。我田引水ですみません。
 ちくわぶは東京の“丸太ごうし”とかいう古いおでん屋さんで食べたことがあります。東京の飲食店というと、エラソにしている店が多くて苦手ですがここの大将は人当たりのいい人でした。あれが本当の江戸っ子だと思いたいです。エラソにしているのは田舎出のインスタント東京人かな。
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奈良歴史手帖 (tetsuda)
2007-06-06 21:45:57
『奈良歴史手帖<改訂版> 奈良の歩み…縄文から現代まで』を買いました。お世辞ではなく、良い本ですね。年表に添えられた文章や注釈や観光ガイドが秀逸です。入江泰吉氏の写真も、きれいです。

今ならフルカラーにするところですが、初版が10年も前ですので、これは致し方ないかも。

若草書店に、こんな良いコーナーがあることも知りませんでした。「ズバリ!奈良検定」の参考にさせていただきます。有難うございました。

♯酒仙堂さんが、検定2級であんなに良い点を取られた理由が分かりました。
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