奈良県とNPOなど非営利団体との「協働事業」をご存じだろうか。毎年夏に提案の募集があり、書類審査(1次審査)と公開プレゼンテーション(2次審査)を経て決定される(担当:県くらし創造部協働推進課)。
http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h20/index.html
奈良新聞(10/5付)によると《県とNPOとの協働事業は、県が3000万円の基金を設置。ボランティアやNPO活動の活性化を図り、豊かな地域社会の形成を目指して、平成16年度から実施されている。県民に効果的で質の高いサービスが提供できるようにと、毎年NPOから事業の提案を募集。審査の結果、採用された事業に、県は1事業当たり100万円程度を上限として経費を負担する》。
http://www.nara-np.co.jp/n_all/081005/all081005b.shtml
つまり、県が「民間の力を借りて実施したい」という施策(協働事業)に対し「最高百万円出すので、やってくれないか」という仕組みなのだ。
http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h20/index.html
9/25に8つの事業が採択・決定されているが、2次審査のプレゼンテーションは一般公開されているので、誰でも見ることができた(8/31実施)。採択された事業のプレゼンの様子を、ピックアップして振り返ってみたい。
http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h20/index.html
写真は、電子自治体アドバイザークラブ(略称:e-AAC)による「WEB版スマイルズの製作」(担当:協働推進課)のプレゼンテーション風景である。「スマイルズ」とは、NPOの活動を紹介する情報誌で、費用の割に効果が少ないという理由で、昨年から廃刊となっている。それをネットで復活しようという提案である。
「WEB版スマイルズ」については、別の団体からも提案があったが(取材してネットに載せる)、電子掲示板を組み合わせるe-AACの提案の方が一枚上だった。e-AACは現在、県広報広聴課の「なら県民電子会議室」の運営も請け負っていて、日々活溌な議論が繰り広げられている。興味深い話がたくさん出ているので、書き込みやアクセスは、もっと増えて良いと思う。
http://www.kenminconf.pref.nara.jp/index.cgi
次の写真は、ASUKA自然塾の「『ほたる』が飛び交う水環境創生ガイドマニュアルの作成等」(環境政策課)だ。飛鳥川で採取したホタルやカワニナ(ヤゴの餌)を人工池で増殖し、川に返す。その活動で得られたノウハウをマニュアルにまとめ、技術指導に活かそうという趣旨だ。
以前、娘と飛鳥川の水質を調べたことがあるが、上流はきれいなのに、明日香村を通過した地点では、汚染が進んでいた。ホタルが住むには水の浄化も必要なので、それも同時に実施されるようである。明日香の川や里山は、日本人の原風景だ。ここにホタルが住むような自然環境が整備されるのは、素晴らしい。
次は、やまと新発見の会による「大和民俗公園『花の谷』創出事業」(公園緑地課・民俗博物館)だ。大和郡山市の大和民俗公園は、梅林や花しょうぶ園(みんぱくしょうぶ園)で知られる県立の公園である。
http://www.pref.nara.jp/bunkak/minpaku/
この公園内にある「花の谷」を整備し、水生植物(ガマ、ヨシ、イグサなど)や生物(ホタル、カワニナ、ザリガニなど)の住み家を作ろうという提案である。現在「花の谷」は、送水ポンプの電気料金節約のため水が流れず、荒れている。やまと新発見の会は、わざわざ手作りの模型まで持参され、整備によりいかに素晴らしい「花の谷」になるか、力説された。「遷都1300年を祝う“屋根のない博覧会場”にしたい」という話にも説得力があった。
みんぱくしょうぶ園(05.6.4撮影)
「花の谷」(整備完了時)の模型
次の写真は、橿原市今井町(郵便局前)だ。今井まちなみ再生ネットワークは「奈良県歴史的町並み地区における空き家バンク支援団体・組織のネットワークの構築」(地域デザイン推進課)を提案された。
今井町に限らず、県下のむかし町(歴史的町並み地区)の空き家情報を共有化し、国内外に情報発信することで、町家に住んでもらったり、お店を開いてもらおう、という趣旨である。そのため「大和空き家ネットワークホームページ」(仮称)と、支援団体ネットワーク組織を立ち上げたい、という。
このブログ冒頭の写真(テレビの収録風景)とすぐ上の写真は、宇陀松山(宇陀市松山地区)だ。最近はテレビや雑誌の取材も多く、全国から注目されている。
県下にはこのほか、ならまち(奈良市)、ごせまち(御所市)、土佐(高取町)、新町(五條市)などのむかし町は数多い。これらの町並みは、地元民の住まいであると同時に、大切な観光資源である。アレックス・カーさんの「庵」の例を持ち出すまでもなく、県下のむかし町が連携して全国・全世界から住人や商売屋さんを募るというのは、とても面白い試みである。
http://www.alex-kerr.com/html/www_iori.html
午後1時に始まったプレゼンは、午後5時半すぎに終わった。15組の発表は、とても興味深かった。審査委員長・村田武一郎氏(県立大学教授)のツッコミも鋭く、発表者も大変だったろう。選に漏れた7つの事業も、もうひと工夫すれば、採択されてもおかしくない事業ばかりだった。来年も募集があるようなので、せひ再チャレンジいただき、遷都1300年祭に向けて、大いに奈良県を盛り上げていただきたいと思う。
http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h20/index.html
奈良新聞(10/5付)によると《県とNPOとの協働事業は、県が3000万円の基金を設置。ボランティアやNPO活動の活性化を図り、豊かな地域社会の形成を目指して、平成16年度から実施されている。県民に効果的で質の高いサービスが提供できるようにと、毎年NPOから事業の提案を募集。審査の結果、採用された事業に、県は1事業当たり100万円程度を上限として経費を負担する》。
http://www.nara-np.co.jp/n_all/081005/all081005b.shtml
つまり、県が「民間の力を借りて実施したい」という施策(協働事業)に対し「最高百万円出すので、やってくれないか」という仕組みなのだ。
http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h20/index.html
9/25に8つの事業が採択・決定されているが、2次審査のプレゼンテーションは一般公開されているので、誰でも見ることができた(8/31実施)。採択された事業のプレゼンの様子を、ピックアップして振り返ってみたい。
http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h20/index.html
写真は、電子自治体アドバイザークラブ(略称:e-AAC)による「WEB版スマイルズの製作」(担当:協働推進課)のプレゼンテーション風景である。「スマイルズ」とは、NPOの活動を紹介する情報誌で、費用の割に効果が少ないという理由で、昨年から廃刊となっている。それをネットで復活しようという提案である。
「WEB版スマイルズ」については、別の団体からも提案があったが(取材してネットに載せる)、電子掲示板を組み合わせるe-AACの提案の方が一枚上だった。e-AACは現在、県広報広聴課の「なら県民電子会議室」の運営も請け負っていて、日々活溌な議論が繰り広げられている。興味深い話がたくさん出ているので、書き込みやアクセスは、もっと増えて良いと思う。
http://www.kenminconf.pref.nara.jp/index.cgi
次の写真は、ASUKA自然塾の「『ほたる』が飛び交う水環境創生ガイドマニュアルの作成等」(環境政策課)だ。飛鳥川で採取したホタルやカワニナ(ヤゴの餌)を人工池で増殖し、川に返す。その活動で得られたノウハウをマニュアルにまとめ、技術指導に活かそうという趣旨だ。
以前、娘と飛鳥川の水質を調べたことがあるが、上流はきれいなのに、明日香村を通過した地点では、汚染が進んでいた。ホタルが住むには水の浄化も必要なので、それも同時に実施されるようである。明日香の川や里山は、日本人の原風景だ。ここにホタルが住むような自然環境が整備されるのは、素晴らしい。
次は、やまと新発見の会による「大和民俗公園『花の谷』創出事業」(公園緑地課・民俗博物館)だ。大和郡山市の大和民俗公園は、梅林や花しょうぶ園(みんぱくしょうぶ園)で知られる県立の公園である。
http://www.pref.nara.jp/bunkak/minpaku/
この公園内にある「花の谷」を整備し、水生植物(ガマ、ヨシ、イグサなど)や生物(ホタル、カワニナ、ザリガニなど)の住み家を作ろうという提案である。現在「花の谷」は、送水ポンプの電気料金節約のため水が流れず、荒れている。やまと新発見の会は、わざわざ手作りの模型まで持参され、整備によりいかに素晴らしい「花の谷」になるか、力説された。「遷都1300年を祝う“屋根のない博覧会場”にしたい」という話にも説得力があった。
みんぱくしょうぶ園(05.6.4撮影)
「花の谷」(整備完了時)の模型
次の写真は、橿原市今井町(郵便局前)だ。今井まちなみ再生ネットワークは「奈良県歴史的町並み地区における空き家バンク支援団体・組織のネットワークの構築」(地域デザイン推進課)を提案された。
今井町に限らず、県下のむかし町(歴史的町並み地区)の空き家情報を共有化し、国内外に情報発信することで、町家に住んでもらったり、お店を開いてもらおう、という趣旨である。そのため「大和空き家ネットワークホームページ」(仮称)と、支援団体ネットワーク組織を立ち上げたい、という。
このブログ冒頭の写真(テレビの収録風景)とすぐ上の写真は、宇陀松山(宇陀市松山地区)だ。最近はテレビや雑誌の取材も多く、全国から注目されている。
県下にはこのほか、ならまち(奈良市)、ごせまち(御所市)、土佐(高取町)、新町(五條市)などのむかし町は数多い。これらの町並みは、地元民の住まいであると同時に、大切な観光資源である。アレックス・カーさんの「庵」の例を持ち出すまでもなく、県下のむかし町が連携して全国・全世界から住人や商売屋さんを募るというのは、とても面白い試みである。
http://www.alex-kerr.com/html/www_iori.html
午後1時に始まったプレゼンは、午後5時半すぎに終わった。15組の発表は、とても興味深かった。審査委員長・村田武一郎氏(県立大学教授)のツッコミも鋭く、発表者も大変だったろう。選に漏れた7つの事業も、もうひと工夫すれば、採択されてもおかしくない事業ばかりだった。来年も募集があるようなので、せひ再チャレンジいただき、遷都1300年祭に向けて、大いに奈良県を盛り上げていただきたいと思う。
> 先日のプレゼンでお会いしました。これからもよろしくお願い致します。
9/2の「文化財保全事業」公開プレゼンでお会いしましたね。鮮やかなプレゼンテーションでした。貴NPOの熱心な活動ぶりが、よく分かりました。今後とも、どうぞよろしく。