寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3668話) 絵手紙に笑顔

2024年05月14日 | 行動

 “3月15日付本欄「孫を励みに 1000の絵手紙」を読み、今は亡き両親とのことを思い出しました。私は父母が古里・新潟から送ってくれる米や野菜へのお礼として「ありがとうね」と電話をするのが常でしたが、難聴になった父には感謝の念を伝えることが難しくなり、いい方法はないかと考えた結果、絵手紙を描き始めました。姉さんかぶりをして一生懸命草取りをする女性を描いて送ったら、母は「自分みたいだ」と喜んでくれました。それから私は四季の草花や果物、送ってもらった野菜などを描き、お礼の言葉とともに実家へ送りました。父はそれら絵手紙全てをファイルに収め、雨や雪で農作業ができない間、ファイルをめくっては楽しんでいたとか。父は93歳で亡くなりました。母は92歳で2年前に逝きました。自分の絵手紙を親が見ている姿を常に想像することが絵筆を持つ私の原動力でした。”(4月12日付け中日新聞)
 
 愛知県春日井市の主婦・若林さん(71)の投稿文です。絵手紙で親孝行ができた。絵手紙は比較的たやすい。下手ほど良い、とも言って取り組みやすくしている。孫に1000通を送ったという第3656話の話に、自分の行為を思い出された若林さん。芸は身を助く、まさしくそんな話である。思い出のこもったものだけに、もらった方は誰もが大切に扱う。若林さんのご両親もそうであった。そして、もらった時ばかりでなく、いつまでも癒やしの対象になった。絵手紙とはそう言うものである。
 ボクは己書ならぬ、英人書を書き始めて103枚になった。今のところ、川柳連れ連れ草の巻頭句を飾っている位の効用しか発揮していない。もっと活用法はないだろか?それを言うには、もっとましなものにするのが先決であろう。