たた&にせ猫さんの備忘録

―演劇、映画、展覧会、本などなど、思うままに―

『メトロポリス』シアターコクーン 2016年の記事を読み返す

2023年06月21日 | 日記
  ツイッターを見ていたら、『メトロポリス』が出ていた。教場0に森山未來さんが出演され、関心を持たれたのかな?そういえば見に行ったなと、自分のブログを探してみる。『メトロポリス』 Bunkamuraシアターコクーンを2016.11.15に見に行っている。

  当時、森山未來さんに嵌まっていた。森山さんを『プルートゥ』で拝見して魅了され、その後2作品(『ユダ、キリスト ウィズ ソイ』2015.10.12、『死刑執行中 脱獄進行中』2015.11.22)を見たけれど、いずれもダンスパフォーマンス中心で、もう一度より演劇的な場面で見たいと思っていた。やはりほれぼれするダンス。歌、演技も。
  メトロポリスは巨匠フリッツ・ラング監督によるSF映画の金字塔、原点にして頂点とされる作品。それの舞台化。原作はア・フォン・ハルボウ『新訳 メトロポリス』(中公文庫)。演出・美術:串田和美 出演:松たか子 森山未來他

   ウイキペディアによると、映画のストーリーは、2026年、摩天楼がそびえたつメトロポリスと呼ばれる未来都市。摩天楼の上層階に住む知識指導者階級と地下で過酷な労働に耐える労働者階級に極端に二極化した社会。メトロポリスの支配者(フレーダーセン)の息子フレーダーは労働者階級の娘マリアと出会い、地下社会の実態を知る。フレーダーセンはマリアを誘拐して、旧知の学者ロトワングにマリアの姿をしたアンドロイドを作らせる。アンドロイドを地下に送り込み、ストライキを解体しようとするが、ロトワングはかつての恋敵、フリーダーセンの目論見を打ち砕き、メトロポリスを破壊しようと、アンドロイドに労働者をより扇動させる。暴徒となった労働者はメトロポリスの心臓部を破壊すると、彼らの子供たちがまだ残っている地下が水没。子供たちをマリアとフリーダーが救い、父と労働者の調停者として仲介を図る、といったもののよう。

  松さんがマリアとアンドロイドの二役、森山さんがフレーダー役。映画は当時の資本主義と共産主義の対立を描いているらしいが、串田さんは経済的な二極化のみならず、機械文明と人間、父と子の葛藤、さらには、意識と無意識や時間軸の揺らぎなど、今日的ないろんな要素を入れた演出になっている。
  松さんの二役による声の違い、ほれぼれする口跡の良さ、歌も素晴らしい。
  大方斐紗子さんの歌、カムロ役の趣里さんのダンスパフォーマンスも素晴らしかった。飴屋さんが渋谷駅の忠犬ハチ公になって笑いを。音楽は生演奏。ダンス、歌、どの部分をとっても素晴らしかったけれど、串田さんらしく詰め込みすぎという感じも。少しストーリーを頭に入れていれば、どのようにアレンジ、演出されているのかも含め、もっと楽しめたかもと。

  久しぶりに『メトロポリス』の感想を読んでみる。脊柱管狭窄症の手術が成功し、腰痛による間欠歩行から解放されたが、最近は膝痛。コロナの3年、観劇から遠ざかってしまった。もう一度長く座っている観劇や映画の楽しみを取り戻すことができるのかと。

  
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玉三郎衣装展

2023年06月12日 | 日記


助六 揚巻の裲襠
 枝垂桜の下に張り巡らされた幔幕からのぞくのは火焔太鼓
あでやかで美しい
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『坂東玉三郎衣装展 四季・自然・生命』 セイコーハウス銀座ホール

2023年06月12日 | 日記
     『坂東玉三郎衣装展 四季・自然・生命』 セイコーハウス銀座ホール 2023.6.11
        2023年6月8日(木)~6月18日(日)
 
  雨の日はめったに出かけないが、書道教室の先生が作品を出品しておられる書道展に銀座まで出かけることに。今回は4名の先生の席上揮毫があるというので、今まで席上揮毫を見たことがないので、興味深く、出かけるモチベーションに。

  雨が小降りにならないかなあと思いながら日経新聞を読んでいたら、文化欄の下に、展覧会の宣伝を見つける。セイコーハウス銀座ホールは地下鉄銀座駅直結、雨にぬれずに行くことができる。
  玉三郎さんは今ももちろん高い人気を誇っておられるが、若い頃は海老玉コンビでアイドル的な人気があり、ミーハー気分に駆られ、玉三郎さんを何度か見に行った。確か、最初は『お染の七役』を見たはずで、本当にきれいだった。

  今回は玉三郎さんが長年かけて作ってこられた衣装10点の展示。書道展の前に寄ってみる。
すばらしい裲襠(うちかけ)の数々、本当に工芸品。火焔太鼓、御所車、鏡餅等々、日本刺繍のモチーフと技術のすばらしさ。刺繍で埋め尽くされた裲襠も素晴らしいが、黒字に白い鷺、墨絵と金泥の牡丹、揺れる金糸の注連縄。舞台を見に行きたくなる。

  玉三郎さんがそれぞれの裲襠について説明されているビデオあり。係りの方が、ビデオが始まりますよと誘導してくださる。
  銀座に行かれたら是非。

  刺繍を習って結構になるけれど、絹糸を使う日本刺繍は本当に華やかで、ちょっと習ってみたくなった。
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『本間美術館の文化財』 本間美術館

2023年06月09日 | 日記
     『本間美術館の文化財』 本間美術館 2023.5.30
       2023年4月11日(火)~5月30日(火)
  
  鶴岡温泉で一泊し、二日目は本間美術館に行ってみる。本間美術館自体は展示会場がそれほど広くもないが、落ち着いた雰囲気で、重文や重文、県文、市文といった県ゆかりの美術品が展示されている。一番印象的だったのは、西郷隆盛の書。藤原定家の消息、伊達政宗の書状もありました。
  ざっと、本間美術館を見終わって、≪清遠閣≫へ。藩主酒井候が領内巡視をする際の休憩所として作られ、酒田の迎賓館として使用され、上皇様が宿泊されてこともあるという由緒ある木造建築。国指定名勝の本間氏別邸庭園を椅子に座って望むことができます。
  今回は『蒔絵・螺鈿の世界 漆工芸展』 2023年4月10日(月)~7月4日(火)。漆工芸品だけでなく、小林一茶の俳画などもありました。
  残念ながらここでも蘆雪の扇面の犬に出会うことはできず。にせ猫さんが売店の方に「怠けた犬の絵が今回は出展されていないのですか?」と確認したところ、「出てない」と。とはいえ、なまけた犬だけで話が通じ、グッズがあると教えてくださる。
  バッグA4が入る1500円のとA3が入る1800円のを購入して大満足。[くーたくん]といって本間美術館のオリジナルキャラクターになっているとのこと。やっぱりかわいい癒し系は最強です。
  一泊二日で、あまり遅くならずに帰宅しようと、少し残念でしたが他は観光せずに酒田を後にしました。
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『山岳写真家 白籏史朗展』酒田市美術館

2023年06月09日 | 日記
     『山岳写真家 白籏史朗展』酒田市美術館  2023.5.29
       2023.4/29[土・祝]―6/25[日]会期中無休

  酒田市美術館は土門拳記念館の近く。スタイリッシュな門から入り、建物を目指すと花木の植え込みが続いている。車輪梅という(名前と教えていただく)低木がずっと続いて、ちょうど花をつけていた。

  写真に詳しくないし、写真家の名前もほとんど存じ上げないが、白籏さんの名前は知っていた。山の写真。若い頃にはバレエの舞台写真なども取っておられたが、1962年に「山だけを撮る写真家」として独立宣言し、自分だけの「心の山」を追い求め世界や日本の山に挑み続けられたとのこと。若い頃の写真はほとんど廃棄されたとのことですが、マーゴ・フォンティンの素敵な写真が一枚ありました。

  山の写真はどれも圧巻。鳥海山、富士山の写真、エベレストの写真…、どれも、どれも素晴らしい。
  一枚だけの写真はだめだけれど、複数枚の写真を入れた写真は撮ることができます。富士山に囲まれて、写真を一枚。
  なんといってもエベレストの写真はその鋭角な稜線、空の色、きっと神様に出会える場所なのかもしれません。若い頃からずっと尾瀬に行きたいと思いつつ、水芭蕉の時期は梅雨空で有休も取りにくい時期、今は時間的な余裕はあるけれど、腰痛や膝痛に悩まされ、「はるかな尾瀬、遠い空」になってしまった。尾瀬の写真を見ると、やはり行きたくなる。

  展覧会のサブタイトルが<心に山ありて幸いなり>。山との美しい出会いを見るものに分け与えてくださっている。
  県立美術館のせいなのか、土地柄なのか、職員の方の対応に歓迎感があり、柔らかくいい雰囲気だった。
 
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