たた&にせ猫さんの備忘録

―演劇、映画、展覧会、本などなど、思うままに―

『さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2022 受賞記念展』東京都現代美術館

2023年04月22日 | 日記
  『さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2022 受賞記念展』東京都現代美術館 2023.3.30
      2023.3.18土―6.18日
  志賀理恵子氏と竹内公太氏の作品が「さばかれえぬ私へ/Waiting for the Wind」という言葉を冠して、展示されている。

  解説によると―2011年の被災後、突如始まったあらゆる分野での復興計画に圧倒された経験を、人間が「歩く」営みとして捉えなおした志賀、第二次世界大戦時の兵器「風船爆弾」のリサーチにもとづき、過去の出来事–アーティスト–鑑賞者の「憑依の連鎖」による新作を発表する竹内。
  東日本大震災の爪痕が大きく残された宮城、福島をそれぞれの拠点として活動する両者の作品は、その方向性は違えども、対話の中で見出された共通の認識を持ち、ある部分では作品が重なり合うように展示空間を構成。―

  志賀理恵子氏の作品。久しぶりに東日本大震災をテーマにした作品を見た感じ。震災後すぐはトリエンナーレや他の美術展でもテーマにした作品がたくさんあり、それこそ演劇でもあったが、最近はあまり見かけなくなっている?印象があったが、ストレートな作品。幾分雑然とした作品に、作者の情動が感じられ、訴える空間になっている。
  竹内氏の作品、風船爆弾。『風博士』という演劇があったが、本当のことだったのだと。偵察気球の問題があったり、今日的テーマに、改めてなっている。同じことの繰り返しになりませんように。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『MOTコレクション 被膜虚実 Breathing めぐる呼吸』東京都現代美術館

2023年04月22日 | 日記
     『MOTコレクション 被膜虚実 Breathing めぐる呼吸』東京都現代美術館 2023.3.30
        2023.3.18 sat→6.18 sun
  
  天気が良いので、散歩がてらに美術館巡り。目的なく街歩きとかを楽しめないので、美術館巡りが一番の散歩。現代美術館は駅からちょっとあるけれど、いつも空いているので良いかなと思って出かけたが、なんとすごい人。現美でこんなに人を見たのは初めて。それも学生さんっぽい人、若い人がわんさか。
  「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」が大人気とのこと。予約優先、ネット予約は完売で、当日券は開館と同時に無くなると係りの人の言。
  当日券があるならこちらも見ることができたらいいかと思ったが、とてもとてもという状況の様相。

  MOTコレクション展の方はいつも通り混んでないので、のんびり楽しむことに。
  今回は2つのテーマ。1階は「被膜虚実」と題し、1980年代末以降の作品を紹介。新規収蔵した三上晴子の作品が起点に、身体感の移ろいと生への眼差しに着目。
  3階は「Breathing めぐる呼吸」と題して、人の呼吸に繋がりながら世界をめぐるもの―風や水、大気の流れを思い起こさせるような作品群で構成。

  会場入り口前室にはアルナルド・ポモドーロの≪太陽のジィロスコープ≫。大きく迫力のある作品に、窓から光が差し込んで素晴らしい一瞬。
  会場に入るとまず、今回収蔵されたという三上晴子氏の作品。スーツケースのインスタレーション。現代アートでありそうな作品だが、色彩、構成すべてが魅力的。次に写真を撮ったのは石原友明氏の作品。青が圧倒的。名和晃平氏の作品は以前大規模展を見に来たことがあるので、懐かしい感じ。金氏徹平氏の作品もありました。
  モンティエン・ブンマー氏の≪呼吸の家≫床に映る影がきれいで、計算し尽されている感じ。ソピアップ・ピッチ氏の作品は不思議な魅力が。遠藤利克氏の≪泉≫なんと言ったらよいか分かりませんが、ドーンとしています。
  さすがMOTコレクション。作品の完成度がどれもすごいです。立派な凝ったリーフレットも頂け、存分に楽しめます。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『江戸絵画 お絵かき教室』府中市美術館

2023年04月21日 | 日記
     『江戸絵画 お絵かき教室』府中市美術館 2023.4.19
       2023年3月11日[土]―5月7日[日]

  府中市美術館恒例の「春の江戸絵画まつり」。今回は「描く」ということに着目した初めての試み。画材や技法の基礎意識から描き方のコツまでさまざまな側面から江戸絵画の「描く」に迫ります。―

  朝から晴天。空が青い。家にいる日ではないと、ちょっと遠出の外出計画。府中は若い頃半年だけ生活したことがある思い出の地。久しく行っていないので、駅前はすっかり変わっていました。美術館は新緑の映える公園の中に。

  企画展のお題が―お絵かき教室というので、子供向きの企画?と思いましたが、大人向きの企画でとても楽しめました。
  <四大テーマに挑戦>―動物、花、人物、山水。丸山応挙の子犬の描き方を解説―子犬をかわいく描くコツが学べます。花の色付けのコツなども。
  
  <画材・技法・表具> 油絵具を日本にある材料で作る工夫が興味深い。技法では筋目描き、たらし込み、裏彩色の解説。表具を付け替える過程の写真、細心で、結構大胆な作業。
  
  <江戸時代の画家はどうやって学んだのか?>素晴らしい絵をまねること。中国(絵画)に学び、応挙に学び、雪舟に学び(後継者と称する雲谷派も登場)、オランダ本に学ぶことも。

  <江戸絵画はヒントの宝庫>江戸絵画はお絵かきを自由な方向への導いてくれる最良のテキスト―国芳に劇画を学ぶ。少ない色でカラフルに、全部を描かない、お手本はいらない。

  円山応挙を筆頭に、長沢蘆雪、池大雅、河鍋暁斎、森狙仙、司馬江漢、俵屋宗達、歌川国芳と名品揃い。
応挙の犬だけでなく、他にもだらけたポーズの犬など、西洋絵画のきりっとした犬と違って、ひたすらかわいいわんこが!昔から<可愛い>が大切だった。
  応挙の鯉図、一本の線での水の流れ。そして、最後に徳川家光の兎図もありました。

  見終わった後に、学んだコツを試すことができるお絵かきコーナーがあり、結構皆さん挑戦しておられます。にせ猫さん、筋目描きに挑戦。私も応挙の子犬をコツを手本に真似てみたけれど、なかなかそうはうまく行きません。でも、楽しい体験。技法等の解説も丁寧で、とてもいい企画展でした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ザ・ミュージック・マン』日生劇場 2023.4.13

2023年04月16日 | 日記
     『ザ・ミュージック・マン』日生劇場  2023.4.13
        2023.4.11TUE―5.1MON
  脚本・音楽・歌詞:メレディス・ウィルソン 原作:メレディス・ウィルソン&フランクリン・レイシー
  演出:ダニエル・ゴールドスタイン 振付:エミリー・モルトビー
  出演:坂本昌行 花乃まりあ 小田井涼平 藤岡正明 山崎大輝 水嶋凜 六角精児 森 公美子ほか

  1957年に初演し、トニー賞を独占したブロードウェイの最高傑作!
  
  お話は―1912年夏。ハロルド・ヒル(坂本昌行)はマーチングバンドの先生のふりをして大量の楽器・制服などを売りつけ、お金を持ち逃げする詐欺師。アイオワ州のリヴァーシティという田舎町で、彼は「教授」のフリをして、ビリアードという悪い遊興から町を救うためと町民に嘘をつき、マーチングバンドを編成しようとする。街全体が彼に騙されていく中、図書館司書でピアノ教師でもあるマリアンは彼が怪しいことを見抜き、ハロルドの素性を明かそうとする。そんなことを知らないハロルドは、マリアンに想いを寄せるように。ハロルドが内向的で吃音症のある弟に接する姿を見たマリアンはハロルドを今までと違った目で見るようになり、ハロルドの過去を暴くのをやめるのだった。彼女の愛を得るためにハロルドは、自分は詐欺師だと本性を明かすことを決意するが・・・。

  お話は分かりやすく、ハッピーエンドが予測され、安心して見ることができます。入場とともに、解説チラシもいただけ、ビリヤードが当時はギャンブルとしての側面が大きく、ビリヤード場は違法とばくの温床とされた―等、読むと物語の理解も深まります。とはいえ1957年初演のミュージカルで、内容は少し古い感じもあり、ストーリー展開ものんびり。

  皆さん歌もダンスも上手。特に子役がすごい。合唱シーンも多く、楽しめます。
  とは言え、音楽と日本語があってないのか、歌詞が聞き取りづらく、話の筋が入っていないとちょっとわかりにくい面も。翻訳物の難しいところかな。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ヴォルフガング・ティルマンス Moments of life展』エスパス ルイ・ヴィトン東京

2023年04月15日 | 日記
     『ヴォルフガング・ティルマンス Moments of life展』エスパス ルイ・ヴィトン東京   2023.4.11
       2023年02月02日~2023年06月11日

  太田記念美術館を出て、昼食をとろうと表参道に向けて歩いてみたが、大通りに面した店はハイブランドばかり。裏通りに入らないと、と思いながら歩いていると、ルイ・ヴィトンビル前に。いつも展覧会スケジュールを検索するページで、ヴィトンで展覧会をやっているのが出ていたことを思い出す。店の入り口横に展覧会のお知らせ写真も出ているが、どこから入るのか。ハイブランドの店など入ったことがないしと、思いながら、ビル前の店員さんに聞くと、店の入り口、入ってすぐ右の横奥のエレベーターに丁重に案内してくれた。7階が会場。

  ―ヴォルフガング・ティルマンスは、これまで一貫して、身体、人々、オブジェなどの脆さを捉えてきました。彼の作品は写真における新しい主観性を象徴し、社会への批判、既存の価値観や制度への絶えることのない問いかけと共に親密性と遊びの要素を組み合わせてきました。―という写真展。

  おしゃれな空間に、スタイリッシュに展示してあります。おおよそ20枚。
静物画の趣のある写真や植物、ドアと青い空、円い照明と月明かりの写真など、なかなか素敵でした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする