『建築家とアッシリア皇帝』シアタートラム 2022.11.
2022年11月21日(月)~12月11日(日)
作:フェルナンド・アラバール 翻訳:田ノ口誠悟 上演台本・演出:生田みゆき
出演:岡本健一 成河
世田パブのメール会員になっているので、時々お知らせが入る。腰の手術をしてから、術前よりは座っていられるようになったが、やはり長い芝居はつらい。二人芝居ならそれほど長くないだろうと、チケットセンターに電話したところ、チケットが取れた。案外簡単に取れたので、あまり人気のない演目なのかと思っていたら、当日は補助席まで満席。若い観客が多かった。そして、大変なことになんと2時間50分の長いお芝居だった。少しは情報を入れておけばよかったと不安になる。
ストーリーも一切予習していなかったので、ブログを書くにあたって、トラムのページを見て、ああそうだったのかと思うとともに、ストーリーを知らなくても何ら困らなかったという思いも。
一応ネットからストーリーを張り付けると、
絶海の孤島に墜落した飛行機から現れた男は自らを皇帝(岡本健一)と名乗り、島に先住する一人の男を建築家(成河)と名付けて、近代文明の洗礼と教育を施そうとする。お互いの存在を求め合いながらも、ぶつかりあう二人。そのうち二人は、いろいろな人物の役を演じはじめ、心の底にある欲望、愛憎、そして罪の意識をあからさまに語り出す。その行為はやがて衝撃的な結末を生みだすきっかけになっていく……。
前半は上記のストーリー的な展開、建築家が島を出ていき…。後半は皇帝の罪、母親との関係についての断罪に話が展開して、皇帝は殺され、建築家が取り残され、結構グロテスクな話になり、そしてまた最初に戻ったところで劇は終わる。
有名な不条理劇ということだが、不条理劇という理屈っぽさよりあれこれごったで、とっ散らかりながらも、圧倒的という。にせ猫さんは野田秀樹風という感想だったけれど、野田秀樹なら、結構どこかで理屈っぽくて違った治まり方かなあと。皇帝の妄想の話にも、それこそ病院の一室の話にもせず、最初の場面に戻る潔さ。
いろんなテーマが次々投げ入れられ、ごっこ遊び風にいろんな役を次々演じていく―哲学的だったり、卑猥だったり、深刻だったり。演劇人なら、一度はやってみたいと思うだろう。とはいえ大変な運動量。成河さん、岡本さんともにせりふの通り良く、観客をガンガン引っ張っていき、観客は、役者さんたちのエネルギーにその時々付いて行く格好。にせ猫さん、二日目だから良いけど、終わりまでこれでやるのと心配するほど。
岡本さんは50歳は過ぎておられるはずだが、身のこなしの軽いこと。二人のフィジカルの強さに裏打ちされた、役の変化自在さ。時に、何処まで言ったっけと会場に問う本音的な間合いも笑いを誘い、膨大なせりふと格闘する演者のうまさ。
二人芝居を堪能。
2022年11月21日(月)~12月11日(日)
作:フェルナンド・アラバール 翻訳:田ノ口誠悟 上演台本・演出:生田みゆき
出演:岡本健一 成河
世田パブのメール会員になっているので、時々お知らせが入る。腰の手術をしてから、術前よりは座っていられるようになったが、やはり長い芝居はつらい。二人芝居ならそれほど長くないだろうと、チケットセンターに電話したところ、チケットが取れた。案外簡単に取れたので、あまり人気のない演目なのかと思っていたら、当日は補助席まで満席。若い観客が多かった。そして、大変なことになんと2時間50分の長いお芝居だった。少しは情報を入れておけばよかったと不安になる。
ストーリーも一切予習していなかったので、ブログを書くにあたって、トラムのページを見て、ああそうだったのかと思うとともに、ストーリーを知らなくても何ら困らなかったという思いも。
一応ネットからストーリーを張り付けると、
絶海の孤島に墜落した飛行機から現れた男は自らを皇帝(岡本健一)と名乗り、島に先住する一人の男を建築家(成河)と名付けて、近代文明の洗礼と教育を施そうとする。お互いの存在を求め合いながらも、ぶつかりあう二人。そのうち二人は、いろいろな人物の役を演じはじめ、心の底にある欲望、愛憎、そして罪の意識をあからさまに語り出す。その行為はやがて衝撃的な結末を生みだすきっかけになっていく……。
前半は上記のストーリー的な展開、建築家が島を出ていき…。後半は皇帝の罪、母親との関係についての断罪に話が展開して、皇帝は殺され、建築家が取り残され、結構グロテスクな話になり、そしてまた最初に戻ったところで劇は終わる。
有名な不条理劇ということだが、不条理劇という理屈っぽさよりあれこれごったで、とっ散らかりながらも、圧倒的という。にせ猫さんは野田秀樹風という感想だったけれど、野田秀樹なら、結構どこかで理屈っぽくて違った治まり方かなあと。皇帝の妄想の話にも、それこそ病院の一室の話にもせず、最初の場面に戻る潔さ。
いろんなテーマが次々投げ入れられ、ごっこ遊び風にいろんな役を次々演じていく―哲学的だったり、卑猥だったり、深刻だったり。演劇人なら、一度はやってみたいと思うだろう。とはいえ大変な運動量。成河さん、岡本さんともにせりふの通り良く、観客をガンガン引っ張っていき、観客は、役者さんたちのエネルギーにその時々付いて行く格好。にせ猫さん、二日目だから良いけど、終わりまでこれでやるのと心配するほど。
岡本さんは50歳は過ぎておられるはずだが、身のこなしの軽いこと。二人のフィジカルの強さに裏打ちされた、役の変化自在さ。時に、何処まで言ったっけと会場に問う本音的な間合いも笑いを誘い、膨大なせりふと格闘する演者のうまさ。
二人芝居を堪能。