たた&にせ猫さんの備忘録

―演劇、映画、展覧会、本などなど、思うままに―

『土門拳の古寺巡礼』東京都写真美術館

2023年05月15日 | 日記
     『土門拳の古寺巡礼』東京都写真美術館 2023.5.12
        2023.3/18土➤5/14日
  
  昨日で終わった展覧会。会期の終わりに近いので、好天にも誘われて出かける。写真展の楽しみ方や見方が今一つ分からないところがあるが、土門拳の古寺巡礼は一度見たかった写真展。
 
  実家が奈良なので、初詣にお会式にとお寺は身近で、小さい頃、法隆寺のお会式に連れてってもらうのが楽しみで、悪いことをしたら鬼のいるお堂に入れられると言われて本気で怖がっていた。
  長じて、お寺や神社に行って、例えば法隆寺の回廊や戒壇院の中で、ぼんやり過ごす楽しみはあったが、こと改まって仏像を見るとかはあまりなかった。大学生になり友人たちから奈良を案内してと言われ、自分でも下準備に寺社参りをし、少しは詳しくなったが、仏像をそれほどじっと見ていたわけではない。
  土門拳氏がどのように仏像をとらえていたのか一度見てみたかった。

  写真を見ていて思ったのは、対象を愛して、そして対象にすごく愛された人だったという。自分が愛している対象の一番美しいと思うところ、その本質をクローズアップし、そして対象もそれに応えてくれた、響き合った瞬間を写しきったという。
  薬師寺の東塔にしても、有名な水煙は写していない。唐招提寺の千手観音のその手のありがたさ。にせ猫さんは神護寺の薬師如来立像が一番良かったらしい。どの仏様も魅力的で、思わず手を合わせたくなるような。
  宇治の鳳凰もすごいが、室生寺を何度も訪れ、その度に一番良かったという、そして最後に雪の室生寺の写真。
  写真集も売っていたが、会場の写真の魅力に届いていない。大きいサイズが細部をより詳しく美しく見せている。酒田に土門拳記念館があるとのことで、行ってみたくなった。
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『アートを楽しむ』アーティゾン美術館

2023年05月15日 | 日記
  『アートを楽しむ』アーティゾン美術館 2023.5.9
    2023.2.25sat―5.14sun
  
  『アートを楽しむ』は3Section章立て。サブタイトル<見る、感じる、学ぶ>で、ラーニングプログラムも入っているためか、各Sectionごとに4~6頁ある立派なリーフレット。石橋記念財団、お金があります。
  Section1は「肖像画のひとコマ―絵や彫刻の人になってみよう」―マネの自画像や小出楢重の自画像等々、そしてピカソの≪腕を組んですわるサンタルバンク≫がドーンと。
  Section2は「風景画への旅―描かれた景色に浸ってみよう」。猪熊弦一郎の都市計画<黄色No1>はトム・ハールの写真付き。好きなクレーの絵も2点。ルソー、岡鹿之助もありました。
  Section3は「印象派の世界を体感する―近代都市パリの日常風景」カイユボット≪ピアノを弾く若い男≫のそばには作品に描かれたエラール社のピアノが。

  石橋財団コレクション選では絵画作品の他に、奥まった一画に中国景徳鎮の陶器がいろいろ。
  ブリジストン美術館の頃から何度も行っているので、多分見たことのある作品たちなんだろうと思いながら、好きな絵が多いので、やはり見入ってしまう。

  特集コーナー展示は『画家の手紙』。古賀春江が恋人に送った葉書に描かれた自画像。なかなかハンサムです。坂本繁二郎旧蔵の絵葉書、海外の民族衣装など作品制作の参考にしたらしい。安井曾太郎が借りたお皿の収容箱に緩衝材と共に入っていた弟子たちの葉書。
  今はネットで何でも調べられるし、スマホでメッセージも写真も送れるので、はがきを書くこともまれ。今後は何が展示されるようになるのかな。
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『ダムタイプ2022:remap』アーティゾン美術館

2023年05月14日 | 日記
『ダムタイプ2022:remap』アーティゾン美術館 2023.5.9
       2.25sat―5.14sun2023
  第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展

  日本のアート・コレクティブの先駆け的な存在であるダムタイプは、1994年の結成当時から一貫して、身体とテクノロジーの関係を独自な方法で舞台作品やインスタレーションに織り込んできたが、今回は坂本龍一を新たにメンバーに迎え、ヴェネチアで新作を発表。
  プロジェクトメンバー:高谷史郎、坂本龍一、古舘健、濱哲史、白木良、南琢也、原摩利彦、泊博雅、空里香、高谷桜子

  友人のグループの作品展を京橋のアートギャラリーに見に行き、帰路アーティゾン美術館のビエンナーレの帰国展に寄ってみる。前回の帰国展『Cosmo-Eggs 宇宙の卵』2020年6月23日[火]―10月25日[日]はあまり好みではなかったこともあり、どうしよかと思いつつ寄ってみる。

  暗い空間に複数のレコードプレイヤーがスタイリッシュに設置されており、レコード(世界の各都市の音が流れる)がかかっているものだけに光が当たっている。プレーヤーもレコードも美しい。プレイヤーが置かれた空間を抜けて行くと、区切られた四角い天井にデジタル文字が流れ、それが床に映って、深い底を覗いているようになる。このような仕掛けは現代アートのインスタレーションであったように思うが、レコードプレイヤーやインスタレーションの配置や作品構成が素晴らしく、ゆるぎない完成度の展示。

  パンフレットには、「ポスト・トゥルース」時代におけるコミュニケーションの方法や世界を知覚する方法について思考を促す本作―と解説があったが、解説云々を越える作品に久しぶりに出会った感じがあった。
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『風間公親 教場0』フジテレビ

2023年05月05日 | 日記
     『風間公親 教場0』2023.5.5

  演出:中江功 西岡和宏 原作:長岡弘樹 脚本:君塚真一 音楽:佐藤直紀
  プロデュース:中江功 渡部恒也 宋ハナ 制作著作:フジテレビ 
  出演:木村拓哉 赤楚衛二 新垣結衣 北村匠海 白石麻衣 染谷将太 堀田真由 濱田崇裕 結木滉星
     小林薫 小日向文世

  教場シリーズの連続ドラマ化。教場1、2が良かったので、連続ドラマも見ることに。テレビドラマを見るのは久しぶり。
  1、2回は今一つの感じだったが、3回目になってこのドラマのスタイルがくっきりしてきた感じで(単に気が付くのが遅かっただけかもしれないが)、緊張的な展開だがある意味安心して楽しむことができた。

  典型的な倒叙法ミステリー。犯人は最初にわかっていて、それに探偵や刑事がどう気づいていくか。伏線を巡らせて、新米刑事と視聴者が指導者のヒント下で、気付き、犯人逮捕に至るという。
  倒叙法ミステリーの映像化はむつかしいし、さらに今回は指導刑事がいわゆる水戸黄門でなく、アドバイサーなので、スカッと度が低い。相棒にしても、ホームズ、ミスマープルにしても天才的な推理を巡らせ、謎を解明し、何それ?という理屈付けでもなぜか満足してしまうプロセスがなく、新米刑事が事件の解決と共に、自身の問題点に気付くことに重点が置かれている。その分、テーマがより社会的で、重くなっている。

  小説の教場シリーズは文春やこのミス等で評価が高いミステリーだが、個人的には日本のミステリーは伏線やプロットが甘く、少ない気がしていている。罪を犯した人間の感情や状況に重きを置いた展開が多く、文章の巧みさで読ませる。

  それで言うと、今回の教場シリーズは犯人の殺人に至る情動は重いが、ドラマでの説明時間は案外短い。木村さんの刑事が交番勤務に戻ってもらうと決めせりふも、交番勤務の重要性の説明がないので単なる圧迫に終わりがちの気もする。周囲の配役に、それとなくせりふを言わせ、説明をたすことで、随分感じが変わってくるのではと思ったり。

  とはいえ、3、4回目にしてドラマのやり方が見えてきて、伏線発見も楽しめそう。
  事件の内容についてとかく意見はあるようだが、推理小説というのは基本フィクションなので、推理小説の楽しみ方が必要なのではとも。
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『滝沢歌舞伎ZERO FINAL 映画館生中継』109シネマズ川崎

2023年05月04日 | 日記
     『滝沢歌舞伎ZERO FINAL 映画館生中継』109シネマズ川崎 2023.4.28

   スタッフ:Eternal Producer:ジャニー喜多川 演出 Snow Man
   キャスト:Snow Man Special/ジャニーズjr 少年忍者/ジャニーズjr 他

  普段音楽番組を見ないので、若手アーティストもほとんど知らないのに(関ジャムと紅白で知るぐらい)、Snow Manは知っている。NHK2020.1.19の『SONGS of TOKYO SixTONES vs Snow Man』。『SONGS Superfly』を録画予約したつもりだったのに、2時間後の番組が録画されていた。
  我が家の人気番組『関ジャム』の司会者村上さんがここでも司会。ジャニーズの2グループ、同時デビューしたというSixTONES とSnow Manが出演されていた。二つのグループはデビューが遅れて、最年長が27歳、15年もジュニアにいたという人も。Snow Manは最初年配さんだけのグループだったが、若手三人が参加。真面目だが地味目のグループに、若手さんが入ることで、全体の印象が若返り、年配さん達も華やかさが自然になっている印象。Snow Manはダンスが上手でアクロバットも。 
  この番組はいまだにDVDに入っていて、時々見るので、珍しくメンバーさんの名前も覚えてしまった。Lock on!がお気に入り。見るたびに、「売れてよかったわねえ」とつい言って、にせ猫さんに笑われている。この番組を見て、久しぶりにライブにも行きたくなったと書いている。

  ライブチケットは手に入りにくいし、腰の手術をして腰痛は改善したが、劇場の狭い椅子に長時間座っているのは結構きつい。映画館の椅子の方がゆったりで、楽。映画の『三谷かぶき』、東劇の『阿弖流為』や『三人吉三』等も良く、映画で演劇を見るのも結構良いかなと。
  という訳で、『滝沢歌舞伎 ZERO 2010 The Movie』TOHOシネマズ渋谷 2020.12.8を見に行ったが、やたら前置きが長く、思わず帰ろうかと思ったぐらいつまらなかった。終盤に鼠小僧の演劇場面も入り、やっと舞台中継的になり、本水を使った大規模な演出に、出だしは本当に退屈だったけれど、全体を通して考えると、滝沢歌舞伎のお金のかかったプロモーションビデオで、本当の舞台を見に行ったら「すごい。すごい。」の連続だろう、一度舞台を見たいと思ってしまった。

  今回は本当のライブ放映ということで、前回のうっ憤を晴らしてくれるかと出かけてみる。平日の昼の回だったので、予約も入れずに出かけた。中央と通路脇の席は埋まっていたが、脇の席は空いていたので、結構ゆったり見ることができた。

  Snow Manはダンスに殺陣、和太鼓パフォーマンスに大活躍。殺陣とかすごく様になっていて、長年の研鑽がうかがえる出来。和太鼓パフォーマンスはなぜこれをやるのかよくわからない。フォーメーションダンスは関ジャムで振付師のTAKAHIROさんがMr,岩本の振付を絶賛しているだけあって、素晴らしい。
  滝沢さんが辞めて、滝沢歌舞伎も今回最終回ということで、歴代の名シーン。最後は太鼓橋がぐるぐる回って、見ているだけで目が回りそうだったが、皆さん降りてすぐパフォーマンス。本水もたっぷり。
  見どころ満載でお金もかかっているライブ。ただ最終回ということで、ハイライト中心の盛りだくさんで、緊張的な場面の連続になっていて、笑いや息抜きはライブとしては少なかったかな。
  そして、あえて言うと歌がダンスに比べてると少し残念。関ジャムでボイトレの回があり、横山さんもボイトレに行ってだいぶ改善しているところを見ると、Snow Manも忙しいだろうけれど、ボイトレをするともっと良いのではと。
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