たた&にせ猫さんの備忘録

―演劇、映画、展覧会、本などなど、思うままに―

『ゴジラ-1.0』109シネマズ川崎

2024年04月14日 | 日記

     『ゴジラ-1.0』109シネマズ川崎 2024.3.25

  監督・脚本:山崎貴 音楽:佐藤直紀

  キャスト:神木隆之介 浜辺美波 山田裕喜 安藤サクラ 佐々木蔵之介他 

  『ゴジラ』シリーズの70周年記念作品で、『ALWAYS 三丁目の夕日』『STAND BY ME ドラえもん』シリーズなどの山崎貴が監督、脚本、VFXを担当するパニックムービー。戦後、焼け野原となった日本にゴジラが現れ、戦争の惨禍を生き抜いた主人公らに襲い掛かる。

  タイトルに付けられた-1.0には、「戦後、無(ゼロ)になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラがこの国を負(マイナス)に叩き落とす」という意味があるとのこと。

  WOWOWはアカデミー賞のライブ中継放送がある。字幕版を録画して見る方が多いが、今回、『ゴジラ-1.0』が第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞。監督たちがうれしそう。別の番組だったか、解説者のコメントだったか定かでないが、VFXの水の表現が素晴らしいと。解説を聞いていると、急に映画館で見たくなった。これはやっぱりIMAX。

  お話は、太平洋戦争末期、敷島(神木さん)は特攻に向かう途中、ゼロ戦が故障したと偽り、小笠原諸島の守備隊基地に着陸。その夜、島の伝説で語り継がれるゴジラが基地を襲う。敷島はゴジラをゼロ戦装着の砲弾で撃つよう懇願されるが、恐怖で撃つことができず、二人を残し、整備兵は亡くなる。敷島は東京に戻ってくることができたが、両親は亡くなっていた。空襲で親を失った女性(浜辺さん)、その人が他人から託された赤ん坊と生活することに。昭和46年ビキニ環礁で行われた核実験で、ゴジラが巨大化。昭和47年、巨大化したゴジラは活動範囲を広げ、新たな縄張りとすべく日本へ侵攻。ゴジラとの戦いが始まる。

  ゴジラ、巨大ですごい迫力です。ダダダ、ダダダ、ダダダダダと迫力ある音楽とともに登場して、光線を吐き、破壊。人間小さい。軍隊を持たない日本は民間人による作戦で対応。最後は成功してゴジラが深海に消えていくストーリーと分かっていても、いろんなエピソード、アイデアをうまく盛り込み、話の展開が早いので、集中して見ることができ、なかなか良かったです。

  にせ猫さん、最後に浜辺さんが死んでなくて、再会するシーンに、「あれがあると話が甘く、浅くなってしまった。」と。確か『君の名』でも最後二人が巡り合う結末に不満だったようですが、ハッピーエンド好きなので満足。『ゴジラ-1.0』も『君の名』もハッピーエンド、だから満足度が高く、もう一度見ても気持ちが良い、大ヒットにつながるのではと私論。

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『デューン 砂の惑星PART2』109シネマズ川崎

2024年04月14日 | 日記

     『デューン 砂の惑星PART2』109シネマズ川崎 2024.3.18

 

 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 脚本:ジョン・スペイツ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ 音楽:ハンス・ジマー 

 キャスト:ティモシー・シャラメ ゼンデイヤ レベッカ・ファーガソン オースティン・バトラー フローレンス・ピュー レア・セドゥ他

  フランク・ハーバードの小説を映画化したSFの第2弾。その惑星を支配する者が、全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューン。宇宙帝国を統べる皇帝とハルコンネン家に命を狙われるポールは、先住民フレメンのチャニと共に数奇な運命に翻弄されながらも、皇帝とハルコンネン家への反撃に立ち上がる。

  PART1を見たのが2021.11.16。PART1の感想は、<久しぶりに見終わって「あー、驚いた!」映画だった。2時間40分の長い映画なので、話がもっと進むと思っていたが、ポールとジェシカがフレメンに到着するところで終わってしまった。話はこれからなのに。この映画は2部作の第一話?そんな情報あった?映像はきれいだし、主役の人は美形だけど。この続きはいつになるのか。>と書いている。

  PART2、ありました。PART2上映というので、今回が本番よねと、早速見に行きました。IMAXで鑑賞。

  前回と違って話が進み、エピソードも盛りだくさん。チャニとの関係も深まり、サンドウオームも出動、ポールとラウサとの決闘もあり、見どころ満載。砂丘の映像は素晴らしく、サンドウオーム、速い。

  PART3がある終わり方。今回までの内容は『砂の惑星』原作の第一部の終わりまで来たという感じかな。これか先の本は読んでないので、次回も楽しみ。

  「砂の惑星」の文庫本を久しぶりに取り出してみる。再読しようかと思ったが、昔の文庫本(ハヤカワ文庫全4冊)の字がとても小さいので、あきらめることに。再出版されているのかな?

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『私たちのエコロジー 地球という惑星を生きるために』森美術館

2024年03月21日 | 日記

  『私たちのエコロジー 地球という惑星を生きるために』森美術館 2024.3.11

    2023年10月18日(水)―2024年3月31日(日)

  普段見る番組ではない<アド街ック天国>、にせ猫さんがたまたまテレビをつけたら不動前特集をやっていて、「きっとウナギ屋さんが出るよ。」と。不動前のウナギ屋さん、本当においしいので、出るかなと思って見ていると出てきました。すごく食べたくなって、早速出かけました。おいしい。にせ猫さんは用事があるので別行動。さてその後どうするかということで、月曜日に開館しているのは森か国立新。白金高輪で他線に乗り換えてという算段だったのだが、いったん外に出て乗り換えという。方向音痴の辛いところで駅が分からなくなり、歩いていたら、森ビルにたどり着いた。という訳で、森美術館の本展を見ることに。

  環境危機に現代アートはどう向き合うのか?がテーマの展覧会。

  ホームページによりますと、― 国内外のアーティスト34名による歴史的な作品から新作まで多様な表現約100点を紹介。

  第1章「全ては繋がっている」では、環境や生態系と人間の活動が複雑に絡み合う現実に言及。

  第2章「土に還る」では、1950~80年代の高度経済成長の裏で、環境汚染が問題となった日本で制作・発表されたアートを再検証し、環境問題を日本という立ち位置から再考。

  第3章「大いなる加速」では、人類による過度な地球資源の開発の影響を明らかにすると同時に、ある種の「希望」も提示する作品を紹介。

  第4章「未来は私たちの中にある」では、アクティビズム、先住民の叡智、フェミニズム、AIや集合知(CI)、精神性(スピリチュアリティ)などさまざまな表現にみられる、最先端のテクノロジーと古来の技術の双方の考察をとおして、未来の可能性を描く。

  相変わらず森美術館らしく理屈っぽい。作者、作品ごとの説明がたっぷり。2章の1950年からの日本の公害年表。生きてきた時代と重なるので、興味深く見る。

  では作品となると、なかなか難しい。解説を読めばそうかと感じたりはするが、作品より解説が前景に出ているような。

  問題意識の高いアーティスト達で、社会的な活動をしておられ、実績を上げておられる方もいらっしゃるようだし、制作に対する真摯さ、大変なエネルギーも感じるが、好みの作品がなくて残念だった。森ビルにたどり着くまで、道に迷いながら歩いて疲れたせいだったのか?

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『リア王』東京芸術劇場 プレイハウス

2024年03月20日 | 日記

   『リア王』東京芸術劇場 プレイハウス 2024.3.14

     2024年3月8日(金)~31日(日)

  作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:ショーン・ホームズ 美術・衣裳:ポール・ウィルス

  出演 段田安則 小池徹平 上白石萌歌 江口のりこ 田畑智子 玉置玲央 入野自由 前原滉 盛隆二 平田敦子 秋元龍太朗 高橋克実 浅野和之他

  最近劇場の狭い椅子に長時間座っているのがきつくなって、観劇も以前ほど楽しみでなくなってしまった。とはいえ、好きな俳優の段田さん、浅野さん、高橋さんの揃い踏み。

  舞台装置はシンプルで、現代的。衣装も男性はスーツで、三姉妹はお揃いのピンクのワンピースに帽子。松岡和子さんの翻訳版なので、せりふはシェイクスピアそのまま。

  ストーリーは知っているので、役者さんを見る舞台。

  リア王の段田さんはやっぱりすごい。後ろ向きの時もせりふが良く通る。浅野さんは今回シビアな役なので、クスっは一カ所だけ。高橋さんは軽妙さがあり、やっぱりちょっと楽しい。

  エドモンド役の玉置さん、初めて拝見したけれど、登場場面が多く大活躍。小池徹平さんは双眼鏡で見ると美形。そして、コーディリア役の上白石さん、まん丸いお顔にまん丸い目の方で、せりふの通りよく頑張っておられたが、登場場面は少ない。

  江口さんに高畑さん、平田さん他、達者な役者さんが揃っておられるので、長い舞台も集中して見ることができた。

  長時間の観劇に自信を無くし、観劇はもういいかと思い始めていたが、好きな役者さんたちを見るのはやはり楽しい。

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『遠距離現在 Universal/Remote』国立新美術館

2024年03月19日 | 日記

     『遠距離現在 Universal/Remote』国立新美術館  2024.3.15

       2024年3月6日水―6月3日月

  不思議なタイトルの展覧会。ホームページには<タイトル「遠距離現在 Universal / Remote」は、常に遠くあり続ける現在を忘れないために造語された。本来は万能リモコンを意味するUniversal Remoteを、スラッシュで分断することで、その「万能性」にくさびを打ち、ユニバーサル(世界)とリモート(遠隔、非対面)を露呈させる。コロナ禍を経て私たちが認識した「遠さ」の感覚、また、今なお遠くにそれぞれが生きていることを認識するのは重要なのではないかという思いが、この題名に込められている。>とのことだが、説明があっても、独りよがり感がぬぐえない。

  チラシによると、本展は資本と情報が世界規模で移動する今世紀の状況を踏まえたもので、監視システムの過剰や精密なテクノロジーのもたらす滑稽さ、人間の深い孤独を感じさせる作品群を集めたと。

  ここまで言われてもなおよくわからないが、作品は、テーマの捉え方、アイデアの具体化、そのための膨大な労力などから、クールかつエネルギッシュで、今日的な問題提起に満ちた、興味深い作品達だった。

  井田大介 徐冰(シュ・ビン)トレヴァー・パグレン ヒト・シュタイエル(ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ ミロス・トラキロヴィチと共同制作) 地主麻衣子 ティナ・エングホフ チャ・ジェミン エヴァン・ロス 木浦奈津子の作品

  徐冰の映像作品《とんぼの眼》(2017年)。チンティンという女性と、彼女に片思いする男性の切ないラブストーリーが語られるが、全ての場面が、ネット上に公開されている監視カメラ映像をつなぎ合わせたもの。徐と彼の制作チームは、20台のコンピューターを使って約11,000時間分の映像をダウンロードし、若い男女を主人公にした物語に合わせて編集したとのことだが、監視カメラ映像の膨大さ、そして写っている人を探し出して作品に乗せるための許可を得る労力。つなぎ合わせで作られる世界。  

  パグレンが設計したAIエンジンが生成したイメージによる〈幻覚〉シリーズ。人間という作品の奇妙さの衝撃。ずいぶん前にフランシス・ベーコンの作品を見た時のことをふと思い出した。ベーコンの作品の質感、不安と不快を掻き立てながら知的で静謐で、猥雑で、圧倒的な印象があり、身体描写でも骨や肉でなく神経を描いているすごさを感じたが、AIの幻覚の人はどこまでも曖昧で、グロテスクで、美しさから遠い。パクレンはこれからのAIと生きる世界を密かにこんな形で提示しているのか?

  地主麻衣子の映像作品。小説家のロベルト・ボラーニョ最期の地であるスペインを訪れる旅を題材に、現地で出会う人々との対話を通して日本の社会を再考とのこと。穴に落ちた少年を助けるのかに関するインタビュー。応答者はスペイン、○○ではといった般化したくくりを避けて話している。作者は日本人はと、日本社会の再考を促す方向性のようだが。応答を聞いていて、穴の底への恐れと共に、神というものが底流している感じを受けた。

  ティナ・エングホフの<心当たりあるご親族へ>。身につまされる言葉。

  エヴァン・ロスの《あなたが生まれてから》。自身のコンピューターのキャッシュ(cache)に蓄積される画像データを抽出して空間を飽和させるインスタレーション。無作為に並べられた大量の画像で広い空間が埋め尽くされている。こんなに膨大な映像に日々さらされて生きていると。  

  国立新美術館のホームページで丁寧な解説あり。

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