たた&にせ猫さんの備忘録

―演劇、映画、展覧会、本などなど、思うままに―

『ミュージカル ボディガード』 東急シアターオーブ

2019年09月26日 | 日記
     『ミュージカル ボディガード』東急シアターオーブ 2019.9.24
         9月13日[金]~10月6日[日]

   原作映画:ワーナーブラザーズ映画「ボディガード」 映画脚本:ローレンス・カスダン 
   脚本:アレクサンダー・ディネラリス 演出:デア・シャロック
   キャスト:ジュンリー・シャロー(レイチェル・マロン)ブノワ・マレシャル(フランク) 
        ロジー・カウァビール(ニッキー・マロン) カレブ・ウィリアムズ(フレッチャー)他

  ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストン主演で、1992年全世界で大ヒットした映画「ボディガード」のミュージカル版。2012年ロンドンで初演。今回は来日公演。

  ホイットニー・ヒューストンの圧倒的な歌声 I Will Always Love You。ホイットニーは美人で素晴らしい歌声の持ち主だったけれど、薬物依存の果てに事故死されたが、映画には素晴らしい歌声が刻まれ、映画「ボディガード」は何度も再放送されている。

  有名な歌なので、素晴らしい歌声を期待してしまう。期待値が高いので、最後どうかなと、思ったが、演出も素晴らしく、なかなか良かった。

  映画とは違うところもあるが―マロンの姉がフランクに気持ちを寄せ失恋するところとか、二人のデートで映画でなくカラオケに行くところとか、お父さんが死んだことになっているとか、最後、飛行機に乗るのでないとか―、映画のせりふが結構そのまま使われている。ホイットニー・ヒューストンのヒット曲も複数歌われ、ミュージカルらしく、ダンス場面はパワフル。
  映像の使い方が素敵で、舞台空間がうまく処理されている。

  マロン役はダブルキャストで、ジュンリー・シャローさん、ダンスも歌もパワフル。姉のニッキー役のロジーさんは声が甘くて、歌声がきれいでした。ブノワさんはカラオケで歌下手の役。ストーリィが終わった後、みんなで盛り上がりましょうとお楽しみタイムがあり。ブノワさんも歌われるのかと思ったら、それはなかったので、ちょっと残念でした。

  前半1時間、後半1時間、休憩20分の舞台。
  平日の昼間の回だったせいか、たまたまなのか、結構空席がありました。14000円でかなり高め。リピーター割引があり、10000円とのこと。最初からもう少し、後1000円でも安かったら、買いやすかったのではと。ミュージカル自体は楽しく、にせ猫さんも大満足。空席が出ているのはもったいないかな。

  WOWOWで録画したはずの「ボディガード」があるので、帰ったらさっそく見てみようと。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ドッグマン』 ヒューマントラストシネマ渋谷

2019年09月23日 | 日記
     『ドッグマン』 ヒューマントラストシネマ渋谷  2019.9.5

    監督:マッテオ・ガローネ 製作総指揮:アレッシオ・ラッツァレスキ 
    脚本:ウーゴ・キーティ、マッシモ・ガウディオソ、マッテオ・ガローネ
    キャスト:マルチェロ・フォンテ エドアルド・ペッシェ他

  全くの猫派!なのですが、犬が出てくる映画や本が大好き。この映画もよく内容を確かめないで、犬が大きく写ったポスターに惹かれて、主人公がいろいろ理不尽な目に遭うらしいけれど、きっと犬が助けてくれるのだろうと思って見たら、まったく趣の違う映画だった。

  お話は(まったくのネタバレです)、イタリアの海辺の町で、犬のトリミングサロン「ドッグマン」を営むマルチェロ(マルチェッロ・フォンテ)は、離婚しているが、娘と会って旅行するのを最上の喜びとし、仲間と食事やサッカーを楽しむ毎日。しかしその裏では、暴力的な友人シモーネとの従属的な関係に悩まされ、ドラッグを調達したりする日々。ある日、シモーネから、隣の店(宝石や金目のものを扱う)に、壁に穴をあけて侵入するために、店の鍵を渡すように迫られる。
  警察からシモーネの罪を認めるよう、そうすれば周囲の信頼も得られるだろうと説得されるが、サインしなかったために、マルチェロが受刑することに。刑を終えて町に戻ると、町の人にとっては、シモーネを刑務所にせっかく送れるチャンスだったのに、サインしなかったマルチェロは街の裏切りものになり、孤立を強いられる。シモーネに分け前を要求。やっと手に入れたお金で、娘とダイビングに行き、さらに、シモーネとの関係において、自分の尊厳を取り戻そうとアクションを起こすが、悲劇的な結末に。

  1980年代のイタリアで起きた殺人事件から着想を得たドラマ。主演のマルチェッロ・フォンテは、本作で第71回カンヌ国際映画祭男優賞に輝いたとのこと。

  主人公は困っているのにシモーネがけがをすれば助けるし、冷凍された犬の救出に危険を冒しても向かうし、その時々やさしい良い人なのだけれど、薬物を調達したり、自分も利用したり、まったくの善人という訳ではなく、儲け話に結局はのって、娘とのつかの間の幸せを優先している。
  物事の優先順位、より本質的なこと、将来にわたる娘との関係や信頼、暴力の持つ意味―何かしらの魅力と服従への自覚などより、その時々優しく生きようとして、ちっとも優しくない結末に至ってしまった男の話かなと。
  
  主演のマルチェロさんはさすがカンヌの主演男優。シモーネ役の人も迫力。うらぶれた風景、太ったおじ達が広場でサッカーしているなど、雰囲気ある映画。
  犬の大活躍はありませんでした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ロケットマン』 109シネマズ川崎

2019年09月19日 | 日記
     『ロケットマン』 109シネマズ川崎    2019.9.2
    監督:デクスター・フレッチャー 製作総指揮:エルトン・ジョン 脚本:リー・ホール 
    音楽:マシュー・マージェソン
    キャスト:タロン・エガートン ジェイミー・ベル ブライス・ダラス・ハワード リチャード・マッデン他

   ―ミュージシャン、エルトン・ジョンの半生を描いた伝記ドラマ―。

  派手なサターンの被り物とコスチュームをつけたエルトン・ジョンが更生施設のミーティングルームに突如現れ、ミーティングに参加し、半生を語るところから始まります。

  少年レジナルド・ドワイトは、両親が不仲で、父からは突き放され、母からは放置され、孤独だったのですが、音楽の才能に恵まれて、音楽院に入ることができます。曲を売る生活を始める中で、作詞家バーニー・トーピンと運命的な出会いを果たし、二人で作った「Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」などヒットナンバーを次々と世に送り出し、エルトン・ジョンとして、スターの座へ駆けあがり、世界的な名声と富を得ることになります。しかしながら、同性愛者であることを隠し、同性愛者でない盟友トービーと別れたり、同性愛者のマネージャーに利用されたりと孤独を深め、アルコールやドラッグに依存していきます。

  ストーリィに合ったエルトン・ジョンの楽曲がうまく話をつないでいきます。
  深刻なストーリィも歌が入るので、メリハリをつけながらも、するすると展開していきます。いろいろあったとしても、断薬を20年以上続け、今は同性愛者であることをカミングアウト、パートナーと同性婚し子供も育ててと、ハッピーエンドで、気軽に見ることができます。

  トップミュージシャンの伝記ものとしては『ボヘミアンラプソディー』とどうしても比較してしまいますが、フレディの方がより困難な人生だった気がして、その差が映画の訴求力にも出ているのかもしれません。
  エルトン・ジョンは同性愛者、家族に愛されない生育というのがあったとしても、イギリス人で、一方、フレディは生粋のイギリス人ではなく、宗教もゾロアスター教徒で、より異邦人としての孤独、同性愛に対しても、今より偏見も強かったろうし、最後はエイズで亡くなっています。
  クイーン楽曲の方をより知っていたので、その差があったのかもしれません。

  エルトン・ジョンのファンだったら、よりたのしめたのかな。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『原三渓の美術 伝説の大コレクション』 横浜美術館

2019年09月09日 | 日記
     『原三渓の美術 伝説の大コレクション』 横浜美術館  2019.8.19
         2019年7月13日(土)~9月1日(日)

   この展覧会は終わってしまいました。備忘録なので、一応記載。

  パンフレットによりますと、原三渓(富太郎)氏(慶応4年-昭和14年没)は生糸貿易で財を成した実業家、古美術コレクター、茶人、近代日本美術を支えたパトロン。三渓園を造園、関東大震災後は私財を投じて横浜の復興に尽力。三渓園:神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1 

  ―稀代の実業家・原三渓の、芸術に係る4つの側面、「コレクター」「茶人」「アーティスト」「パトロン」としての業績に焦点をあてます。今日、国宝や重要文化財に指定される名品25点を含む三渓旧蔵の美術品や茶道具など約150件と、三渓自筆の買い入れ覚書などの資料を展観することによって、三渓の文化人としての全体像を描き出す。―

  今は他の美術館の所蔵になっている作品なども、里帰りという名目で集めた生誕150年、没後80年記念の展覧会。
  パンフレット表紙を飾る国宝≪孔雀明王像≫は東京国立博物館蔵に、国宝≪寝覚物語絵巻≫は大和文華館像になっている。三渓さんが亡くなられた後、収蔵環境の良いところに転売されたのかな?

  なかなかのコレクションでした。三渓氏が好んで描かれたという白蓮の掛け軸もいくつか展示されていました。
  好きな今村紫紅、下村観山、小林古径、速水御舟の作品が少しずつですがありました。
  円山応挙、浦上玉堂、宮本武蔵の布袋見闘鶏図、最澄の尺牘(手紙)、源実朝の日課観音と幅広い蒐集。茶碗も志野、信楽、黒織部といろいろ。茶杓も。

  国宝≪寝覚物語絵巻≫は見ることができたのですが、≪孔雀明王像≫は会期前半の展示で見ることができませんでした。残念。
  京都で琳派展を見て、仮名が読めればと習字を始めたのですが、仮名は最近やっと高野切れや関戸を始めたばかりで、相変わらず「読めな~い」でした。仮名がもう少し読めるようになりたいと改めて思った次第。

  知人に展覧会の話をしたら、三渓園が話題に。高台にある三渓園は昔、その裏がすぐ海で素晴らしい景色だったとのこと。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『私の恋人』 本多劇場

2019年09月04日 | 日記
       『私の恋人』 本多劇場 2019.9.3
           2019年8月28日(水)~9月8日(日)
  
     原作:上田岳弘 脚本・演出:渡辺えり 音楽:三枝伸太郎
     出演:小日向文世 のん 渡辺えり 多岐川装子 松井夢 山田美波 那須野恵
 
  「あまちゃん」で、のんさんのファンになったにせ猫さん、のんさんの初舞台ということで、早速チケット購入。1時間50分一幕ものでした。平日、昼間の回でしたが、満席。なかなかの人気です。

   ―芥川賞作家の上田岳弘が2015年に発表した同名原作をベースに渡辺えり流の切り口で贈る音楽劇!―

  確かに渡辺えりさん流の切り口満載。上田さんの原作を拝読していないので、舞台を見ただけの感想なのですが(パンフレットも買わなかったので)、主人公の転生、10万年前のクロマニョン人、ナチスの収容所で死んだユダヤ人ケプラー、そして3人目の私である、日本人井上ユウスケが私の恋人を探す話は原作の骨子としてありそうですが、満州で生き延び日本に帰ってきて時計店を営んだ祖父、両親、双子の引きこもりの弟(東北在住)がいるという登場人物の背景設定は、渡辺さん流のアレンジでは。

  以前、渡辺さんの『鯨よ!私の手に乗れ』という舞台を拝見したときにも感じたのですが、世の中の不条理、時事問題への憤りなど、言いたいことがいっぱいあって、詰め込んでいるうちに迫力と笑いはあるけれど、つながりが今一つ分かりづらい演劇になっているというか。
  にせ猫さんによる、演劇はエピソードの積み重ねなのだからというにも、一理あるような、だが、ストーリーのくっきりした演劇やミュージカルを見慣れているとちょっとわかりづらい。今回の演劇、最後はすごく大きな締めで、これはたぶん原作?

  ずいぶん前に、竹中直人さんに嵌まって、本多劇場で『唐辛子のあいつはダンプカー 2004年』を見た時をふと思い出しました。本多劇場のテイストというのがあるのかもしれない。

  さてさて、分かりづらさをちょっと横に置いておくと、なかなか楽しい舞台でした。
  ―登場人物、30の役柄をたった3人で演じる音楽劇―ということで、早着替え満載。

  のんさんが次々コスプレで出てくるみたいで、のんさんファンにはうれしいのでは。スーツも似合っているけれど、猫の衣装もかわいい。
  のんさんは上背もあるし、スタイルよく、目鼻立ちもはっきりして、舞台映えがします。ただ、歌やダンスに関していうと、ミュージカル俳優ではないとはいえ、声も悪くないので、もう一段上がっていただきたいかなというところ。にせ猫さんによると、東北弁のところが一番聞きやすかったとか。

  渡辺さんは言いたいこと、伝えたいことが一杯、次々と浮かんできて、大きな身体で、達者な動き。
  小日向さんはさすがに上手い。父親と母親の早変わり切り替えなど、なかなか。ちょっとして動き、せりふで笑わせ、舞台を引き締めます。三人のアンサンブルが良くて、ポーズも決まります。
  主演三人以外の方も、歌やダンスが決まっています。そして、素敵なピアノ演奏でした。


追記:のんさん関連の以前の記事を少し抜粋したので、よかったらついでにお読みください。

  『第38回ヨコハマ映画祭』横浜・関内ホール≪大ホール≫ 2017.2.5

  にせ猫さんがあまちゃんで能年ちゃんに嵌まったまではよかったのですが、独立騒動ですっかり表舞台への登場が減り、名前ものんに。今回はのんさんが声優を務められた『この世界の片隅』が作品賞に輝き、のんさんも審査員特別賞を受賞されることに。表彰式にのんさん登場ということで、にせ猫さん、早速ヨコハマ映画祭のチケット獲得に努め、無事抽選で獲得することができました。結構な倍率だったみたいです。

  そしてにせ猫さんお待ちかねののんさん。白いレース遣いのワンピース、白いソックスにハイヒールでなかなか素敵。あまちゃんで見ていたかわいい、キュートな印象より美人さん。鼻幅はややあるけれど、鼻が高く、横顔もきれいです。吹き替えは大部分一人作業。監督にいろんな質問をして、理解を深めながら作業したことなど話されていました。賞を取ったことが、きっかけになって登場の機会が増えるとよいのですが、なかなか厳しいらしいとにせ猫さんが言っていました。

  作品賞が『この世界の片隅に』で、監督の片渕須直さんが登場。初回には非常に集中した作業で、食事を忘れて作業を進められ、のんさんはお腹が鳴る音が録音に入るのではないかと思うほどだったとか。監督は朴訥な印象の方で、この配役はのんさんしか考えられなかったと話されていました。

  ヨコハマ映画祭は映画ファンにより企画・運営されている独自の映画祭。また手作りの映画祭という趣で、受賞者に観客が直接お花やプレゼントを渡すことができます。今回はのんさんが一番多く、段ボール4箱以上もらっておられたのではないかしら。柳楽さんと三浦さんはさすが場数を踏まれ、余裕があるのか握手もしておられました。にせ猫さんもお花を持ってくればのんさんをもっと間近かで見れたのに、少し残念でした。またの機会があれば、忘れずにお花かプレゼントを持参したいものです。

  『鯨よ!私の手に乗れ』シアタートラム   2017.1.21 
   本文省略
  追記:チラシを見ながらブログを書いていたら、イラスト画 のん になってた。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする