たた&にせ猫さんの備忘録

―演劇、映画、展覧会、本などなど、思うままに―

『ミケル・バルセロ展』東京オペラシティ アートギャラリー 

2022年03月27日 | 日記
     『ミケル・バルセロ展』東京オペラシティ アートギャラリー  2022.3.24
        2022年1月13日[木]―3月25日[金]

  気になっていた展覧会。コロナ下、新宿の先まで出かけたくないというので先延ばしにしていたが、明日で会期が終わるというので、やはり出かける。
  チラシによると―ミケル・バルセロ(1957-)は、マジョルカ島出身で、アフリカのマリ等にアトリエを持ち、世界各地に活動の場を広げ、絵画のみならず、彫刻、陶芸、パフォーマンスなど広い領域で活動をしている、現代芸術を牽引する美術家。
作品において、海と大地、動植物、歴史、宗教といったテーマが大きな位置を占め、様々な素材物質との格闘を経てもたらされるその原初的なイメージは、人間の生の営み、その根源への問いを投げかけるとともに、絵画のいまだ知られぬ力を語りかける。―

  海そのもの、海の生き物、魚やタコをモチーフとした作品、スペインらしい闘牛、マリの厳しい自然と生活に結び付いた作品、宗教的なニュアンス。
  力強い作品が多く、現代アートで、抽象的ではあっても、分かりやすく、エネルギーが伝わってくる。
  白蟻に食われた穴を使った奥行きのある作品、マリの植物等を使った絵具。油絵を習っていた時に、先生がバーントシェンナーやアンバーといった土から作った絵の具は安い、コバルトとか金属が入っているのは高価と話されたことがあったが、自然から作った素材・色の魅力。
  絵画作品もダイナミックだが、陶器の作品の動物、タコや植物のモチーフが楽しい。
  ダンテの神曲の挿絵。土を使ったパフォーマンス映像もつい終わりまで見てしまった。

  初期から現在までの約90点の展示、行ってよかったです。
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『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』森美術館

2022年03月22日 | 日記
     『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』森美術館 2022.3.16
        2022.2.18(金)―5.29(日)

  2022.3.12(土)の日経の文化欄に<Chim↑Pom初の回顧展>が大きく取り上げられている。

  Chim↑Pomの作品を始めて見たのは多分2010年の六本木クロッシングで、2013年の森のLOVE展でも見たように思う。他の展覧会、トリエンナーレ等でも見たように思うが、ブログに取り上げて書いた記憶がない。だけど、その直接的な名称と作品がきれいでないことでこのグループのことは覚えていた。

  チラシによると<6人のメンバーから成るアーティスト・コレクティブ、Chim↑Pom(チンポム)は、独創的なアイデアと卓越した行動力で社会に介入し、私たちの意表を突く数々のプロジェクトを手掛けてきました。作品の主題は多岐にわたり、現代社会の事象や諸問題に対するメッセージ性の強い作品でありながら、その多くにはユーモアや皮肉も感じられます。本展は、結成17周年を迎えるChim↑Pomの初期から近年までの代表作と新作を一挙に紹介するっ初の本格的な回顧展です…>

  アスファルトの道、少し揺れて怖いけれど、これをここに持ってくる、作品として提供するすごさ。千羽鶴の膨大な山、有名な広島の空のピカ。そして東日本大震災への取り組みなど。
  にせ猫さん、自分たちの意見、見方を押し付けていない作品と、嫌いでないらしい。広島のピカでもそうだけれど、批判された後の対応がすごいと。

  自分たちの主張がしっかりしていて、遊びでない、際物で終わっていない、その時だけの思い付きでないという自負がその後の対応になっているでは。

  作品はどれも社会に対するメッセージ性がストレートで強く、アイデアはかなり先を行き、そしてその行動は素早く、エネルギッシュ。美的かと言われれば、個人の好みもあるが、およそ美的とはいいがたいけれど、圧倒的なパワーがあり、人を鼓舞するものがある。
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『ランス美術館コレクション 風景画のはじまり』 茨城県近代美術館

2022年03月22日 | 日記
     『ランス美術館コレクション 風景画のはじまり』 茨城県近代美術館 2022.3.10
        2022 2/9 wed➤3/27 sun
  
  コロナによる籠り生活も長期化、時折美術展に行くぐらいの生活で気分は下がり気味。つまんない病が出始め、なんか出かけようと前夜寝る前に急に水戸の偕楽園に梅見に行こうと思い立つ。水戸の偕楽園は若い頃、車で袋田の滝を見に行った帰りに、寄ったことがある。その時は夏。
  朝早くに出かけ、品川から快速に乗り、駅からタクシーで偕楽園へ。お天気よく、暖かく、行楽日和。
  梅は5、6分咲きと言ったところで(3月10日)、結構咲いているところと、そうでないところと。白梅は結構咲いていたが、紅梅は咲いているのが少なかった(今日ネットで見たら、95%と出ていた)。
  好文亭にも入り、高所恐怖には怖い階段。簡素な造りの建物で、夫人の部屋などは襖絵がきれいだが、結構狭い。板間が多く、昔の家屋はさぞ冬は寒かっただろうと。のんびりと散歩したが、まだ12時前。何か食べようと思ったが、お店も思いつかず。県近代美術館があるから、きっとレストランもあるはずと行ってみる。なかなか素敵な外観。コロー展をやっていて、見ることに。
 レストランのランチプレートは少し物足りない感あり。

  さて、ランス美術館コレクションの風景画展。なかなか良かったです。近代美術館の建物の雰囲気、たたずまいに合っているというか、気持ちよく見ることができました。知人が年を取ってくると風景画が良くなると言っていたのが、何となくわかるような。それにしても、最近は風景画に焦点を当てた展示が増えている気もします。

  ランス美術館が大規模改修による長期休館中で、同館が誇るコローコレクションの中から選りすぐりの16点が来日。コローの師であるミシャロンやベルタン、バルビゾン派、ブーダン、さらに印象派の作品もということで、Ⅰ:コローと19世紀風景画の先、駆者たち、Ⅱ:バルビゾン派、Ⅲ:画家=版画家の誕生、Ⅳ:ウジェーヌ・ブーダン、Ⅴ:印象派の展開と構成されています。

  やはりコローの展示が見応えがあります。けぶるような、銀灰色の靄に包まれたような抒情的な風景画。いろんな展覧会で何度もコローの作品を見てはその都度、良いなあとか、この絵、好きだなあと思っても、バルビゾン派、印象派、風景画展といった大きな展覧会のくくりの中で見ると、コローの印象は必ずしも強くなかったのですが、今回のまとまった作品展でみると、見方や楽しみが深まるというか。

  コローの『イタリアのダンス』という作品、左右のけぶるような木々の間のくすんだバラ色の美しいこと。色遣いがとても魅力的。

  画家=版画家の誕生では、たくさんのエッチング作品。先日見た東京美術館のフェルメール展覧会でもスチィール・エルグレ―ヴィン技法で製作された複製版画がたくさん展示されていたが、エッチング作品は今でいう図録的な役割もあったかと。

  風景画と言えば、バルビゾン派。印象派の作品も少しあり、美術館所蔵のモネの絵2枚が、ドーンと最後に展示されていました。

  ショップでなぜか絵葉書を買わずに、猫の本『名画の猫は何でも知っている』『猫の美術史』を2冊購入。猫関連の本が多いのはなぜ。

  偕楽園+美術館で行楽の満足度が上がりました。魅力的な展覧会、お近くに住まわれる方は、是非。
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