私が世話になった教授は酒豪であった。彼は冷酒(れいしゅ)を「化粧をした女」と例え、普段は「すっぴん」の冷や(常温)を飲むようにすすめた。パブル崩壊後しばらくは「吟醸酒ブーム」が続いたが、今冷静に考えるとあれは何だったのだろうかと思う。
吟醸酒は確かに美味い。しかし、だからと言って本醸造酒がダメというわけではない。燗上がりする酒など多種多様だ。
教授は私に「テレビや新聞や雑誌の情報を鵜呑みにせずいろいろと試して自分好みの酒を探せ」と言いたかったのかもしれない。安易に作り上げられた「偽文化」に飛びつかないように忠告してくれたのはありがたかった。塩辛をアテにすっぴんの本醸造酒を飲んでいると感謝の気持ちが増してくる。
一概に安い物が「劣悪」と決め付けては良い酒に出合う可能性が低くなることを経験的に知ったからである(笑)
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