広島県第二の都市というのは名ばかりで駅前は寂れるばかりである。久し振りに会った旧友は「人がほんまに少ないな」と呟いた。私もまったく同感だった。 百貨店もどきの地下を通って船町のアーケード商店街に入る。メガネ屋の2軒先から道路辺りが戦前の入江で古老の話では固定式の「カキ舟」が浮かんでいたという。私達は地元で名の通った「大衆食堂」で酒を飲むことにした。 この店の名物は「関東煮(かんとに)」だ。串を頼むと有難いことに黒(肺臓)をたくさん盛ってくれた。さっと喉を潤してから店を出て旧色街(新町赤線跡)の方に向かった。