田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ふしぎな名画座』(赤川次郎)

2020-02-14 13:49:14 | ブックレビュー

 先日読んだ『銀幕ミステリー倶楽部』に、本書所収の「ローマの休日」届が入っていたので、懐かしくなって再読してみた。

 探しても決して見つからない不思議な「名画座」。そこでは誰か一人のために、懐かしい映画が上映される。そこで見た映画は、人によってはいい方にも悪い方にも作用する。

 「逢びき」のあとで、「天使の詩」が聞こえる、「非情の町」に雨が降る、「コレクター」になった日、「ドラキュラ」に恋して、「もしも…」あの日が、お出かけは「13日の金曜日」、「間違えられた男」の明日、そして「ローマの休日」届、という名画をモチーフにした9話からなる短編集。

 さらっと軽く読めてしまうところがこの人の真骨頂。これはこれで立派な才能だと思う。

『銀幕ミステリー倶楽部』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2cc6fd0ce447d11574526def358ac7d2

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「映画音楽の父 スタイナーの“風と共に去りぬ”」

2020-02-14 11:16:21 | 映画いろいろ



 先日、NHKの「ららら♪クラシック」で映画音楽家マックス・スタイナーを取り上げていた。
https://www4.nhk.or.jp/lalala/x/2020-02-07/31/27440/2133336/

 19世紀末のウィーンに生まれ、マーラー、ワーグナーなどロマン派の巨匠に学んだスタイナー。だが、父が事業に失敗し、各国を流転した後、ハリウッドで映画音楽の作曲家となったという。

 番組では、スタイナーが、映画音楽内にアンダースコア(背景音楽)やライトモチーフ(登場人物に合わせた音楽)を確立させた功績を分かりやすく解説していた。彼が映画音楽の父と言われる所以である。特に、ライトモチーフは、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」やオペラにならったものだという。なるほど、ワーグナーの曲が映画音楽として合うのは当然なのだなあ。

 番組を見ながら、改めて『風と共に去りぬ』(39)の音楽の素晴らしさを知らされた思いがした。オープニングの、印象的なイントロから「タラのテーマ」への転調、最後の「ディキシー」の引用も効果的だ。

『Gone With The Wind』Main Titles
https://www.youtube.com/watch?v=EESHIpo4Lgk

『風と共に去りぬ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8d281dac8d3be0ae10bea71f54c57f07

 

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