広く浅く

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県庁の課名変更

2010-03-27 20:47:24 | 秋田のいろいろ
旅行記を中断して、秋田の新年度がらみの話題です。
来週半ばから新年度。多くの組織で多少なりとも変化があるはず。お役所もその1つで、今週の新聞には、連日、県や各市町村の職員・教職員の異動名簿が掲載されている(これも地方ならではかな)。

ほとんど報道されていないが、秋田県庁では、4月から一部の部や課の名称が変更されるらしい。
昨年11月6日付、県人事課の「組織の再編案について」(PDFファイル) http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1258603306111/files/saihen091106.pdf より

所掌事務を分かりやすく簡潔に表すため、部や課等の名称を次のとおり改める。」として、10の部や課などの名前を変える案が提示されている。業務の新設や統廃合ではなく、単純な改名だけのようだ。
当時、河北新報(11月24日付)で議会から多少の意見が出たことが報道されたが、それ以後は目にしていない。先日の県職員の異動をざっと見ると(全部確認したわけではありません)、案通り、新年度から名称が変わるようだ。

上の表を見て分かるとおり、文字数の多い名称から、漢字ばかりの短い名称に変わる傾向で、ぱっと見、取っつきにくそう。
「生活環境文化部」→「生活環境部」、「医師確保対策推進室」→「医師確保対策室」あたりは、新旧で意味がほとんど違わないし、短くしたのは妥当だろう。
今までは電話を取る時とか、手書きで書く時とか、大変だっただろうな~

一方、首をかしげたくなる変更もある。
●コチョコチョ課? 「情報公開センター」→「広報広聴課」
業務としては、情報公開・広報・広聴を行うセクションらしい。
でも、旧称では「情報公開だけ」をやっているように感じるし、新名称では逆に「広報広聴だけ」をやっていて情報公開をやっていないように取れてしまう。どっちにしても中途半端。

そして、「広聴」という言葉は、役所以外では使わないのではないないだろうか。秋田市役所では広聴担当部署を「市民相談室」と言っているように、役所でも表向きには「広聴」を使わない所もある。一般人には馴染みのない言葉だと思う。
goo辞書によれば「広く意見を聞くこと。特に行政機関が公衆の意見や要望を聞き募ること」とある。
ちなみに、僕は小学生の時から広聴という言葉を知っていた。それは教育テレビの小学校3年生社会科番組「たんけんぼくのまち」でチョーさんが調べてくれたから。
確か市役所の仕事を調べる回で、チョーさんが市役所を訪れ、職員と「ここは広報広聴課(広聴広報課かも)といいます」「えっ? コチョコチョ課? くすぐったそうですね~」といったやりとりがあり、広報と広聴について職員に説明を受けていた。さすが「たんけんぼくのまち」。ためになる!

それに、県の組織はよく知らないが、出先機関(総合教育センターとか花卉種苗センターとか)が「センター」なのは何となく分かるが、庁内の部署なのになぜ「情報公開“センター”」だったのだろう(「課」との違いは?)。
ちなみに、秋田県マスコット「スギッチ」主任も同センターに所属しているから、新年度から所属が変わることになる。

●おもしろ味減少 「環境あきた創造課」→「環境管理課」、「水と緑の森づくり課」→「森林整備課」
旧称は長くて覚えづらい。 ワープロ誤変換や郵便物の宛名の誤記入が多発しそうな名称だ。「あきた」をひらがなにする必要があったのか?
でも、一般県民にしてみれば、その課が何をやっているのか、イメージはしやすい名前だったと思う。新名称の「環境管理課」では、何となく職場環境の管理をしていそうにも思えるし、「森林整備課」ではひたすら植林と伐採を繰り返すだけの課のようにも思え、おもしろ味が感じられない。

●没個性 「秋田の食販売推進課」→「流通販売課」、「秋田スギ振興課」→「林業振興課」
秋田は農業県であり林業県。地産地消もいいけれど、いかにして県産品を全国に売り込むかが重要だろう。
それに関わると思われる2つの課も、おもしろくない名称に変わってしまうようだ。旧名称はどちらにも「秋田」が入っていたから、「秋田県庁の」と前置きしなくても秋田だと分かってもらえただろうし、「秋田杉」は一大ブランドだ。(「秋田スギ」というカタカナ表記は一般的ではない。なんでカタカナにしたんだ?)
どうして「秋田」を消して個性のない名前にしちゃうのだろう。


まあ、名前なんかより仕事の中味が大事だし、県は(一般県民よりも)国や市町村が主な仕事相手だろうから、奇抜な名前でない方がいいのかもしれない。
名称変更は「所掌事務を分かりやすく簡潔に表すため」というが、これは「一般人に分かりやすく」ではなく、「お役所どうしで分かりやすく」という意味だと思えば納得。
でも「名は体を表す」とも言うしね…

現行の課名は前知事時代の名称だったから、現知事としてはそれを消し去りたいのかもしれないし、現知事は元県庁職員だから昔の名前が懐かしかったのかもしれない。


●他県では
ちなみに、先日訪れた徳島県庁の課名を見てみると…
 
「林業飛躍局」「にぎわいづくり課」「県民との協働課」「とくしまブランド戦略課」「安全安心農業推進室」
誰にでも分かりやすいだけでなく、“飛躍”とか“ブランド”とか”“戦略”とか、力みなぎるというかやる気を感じる名称に思えないだろうか。

ほかにも高知県庁には「おもてなし課」がある。お遍路さんを“お接待”する精神で観光客を迎えようということだろうか。
お隣、青森県庁では「新幹線・交通政策課」「並行在来線対策室」「食の安全・安心推進課」「りんご果樹課」など、何に重点を置いているのかがよく分かる。
秋田県だって「コメ課」「韓流ドラマファン観光誘致課」「県道をしっかり維持管理する課」(?)なんてあってもいいんじゃない?
【4月2日追記】変更後の状況をこの記事最後で紹介しています。

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