広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

笠岡・下流側

2015-07-29 21:16:36 | 秋田の地理
秋田市北部の新城川の付け替え・拡幅工事完成後の状況。この記事で5回目ですが、あと2回ほど続きそうです。※最初の記事
なお、先日は秋田市全域で大雨となったものの目立った被害はなかった。新城川流域で被害がなかったのは、この工事の効果だろう。

前回の記事に続いて、下新城笠岡が舞台。改修前の狭い新城川には、笠岡地内に4つの橋が架かっていた。改修後は旧橋の架け替えも含めて新しく3つの橋が架けられた。今回は下流側(下新城笠岡のうち字笠岡を中心に)を紹介。
飯島側から県道112号で笠岡地区に入ってすぐ、左から新城川が寄り添ってくる地点に架かるのが、前回冒頭の写真にも写っている「下笠岡橋」。1969(昭和44)年3月竣工。
県道側から
集落の家並みへ入っていく道が県道から分岐してすぐの所に架かる。
市道側から。対岸左右が県道、右方向が飯島。たもとは枝垂れ桜かな




下笠岡橋から上流へ160メートルほどの所に県道と集落を結ぶ橋がもう1つ。県道と川が再び離れた所なので、県道からは見えないし、市道の入口も小さくて見落としそう。
右岸上流側から
いかにも農村部らしい光景。
この橋の名前は…
銘板が生け垣に埋もれていた
笠岡橋」。架橋年は不明。

あれ? 前回紹介した、県道の小学校手前・簡易郵便局の所の橋(本工事で架け替えされた)も「笠岡橋」だった。
「県道の笠岡橋」と「市道の笠岡橋」が存在するってことだろうか?
あちらは「下新城笠岡」という大字名、こちらは「下新城笠岡字笠岡」という小字名からの命名かもしれない。



以上2つの橋は、洪水時の報道でよく写される、定番の光景だった。
現地を訪れてみて、狭い川と住宅が隣接というか同じ場所を流れており、洪水に対しては危険な場所だったことが理解できた。(報道では川以外の周辺の情景はあまり写らないので、予想とは少し違った印象をも受けた)
【30日追記】この上流の下新城岩城地区も同じような光景で報道されることがあったようだ。そちら側は今も変わらないはずだが、この工事で下流のキャパシティが増えたことで、氾濫しにくくなったことになる。

この工事によって、この区間では100メートル強西側の集落と田んぼの間に河川が付け替えられた。
その結果、2つの橋は現在も橋としての姿は留めているものの、その下の川は、
埋められつつあった(笠岡橋)
訪れたのは田植え時期であったこともあってか、少しは水が流れていた。
最終的にはどうなるのだろう。道路の高さまで埋めるのは大変そうだけど、そうしないのならば橋は残しておかないといけないし…
洪水対策のためなのは承知だけど、歴史ある農村らしい光景を流れる川の情景が失われるのは少々寂しい。


下笠岡橋から西へ100メートルほどで家並みがなくなり、田んぼが広がる。その境に新しい新城川が造られ、集落と田んぼを結ぶ新しい橋も架けられた。
田んぼの向こうには奥羽本線、国道7号線や下新城中野、秋田火力発電所が見える
橋は2013年3月完成の「新笠岡橋」。同じ工事により2005年にできた上飯島橋とよく似た造りだけど、銘板の橋名は上飯島橋は手書きと思われる文字だったのに対し、こちらは出来合いの毛筆書体。

2012年10月撮影のGoogleストリートビューより。橋台・橋脚しかできていない
上飯島橋と同じく、こちらも先に橋を造って、完成後に川を掘る手順だったようだ。
立派な橋(田んぼを背に集落方向)
橋の下の川も立派。旧流路と同じ新城川とは思えないし、人の手でこんな川が造られてしまうことに驚く。
この工事によって、川幅は従来10~15メートルだったのが57メートルになったと報道されていたけれど、57メートルってのはこの辺りなのかもしれない。
堤防は砂がむき出し
ただ、この時は水量がかなり少なく、ぬかるんでいるかそうでない場所は埃っぽいような状態。上記の通り、旧流路は埋められて機能していないので、時期によってはこの程度が新城川の水量なんだろう。
今後、たくさんの水が流れ、堤防などの環境整備も行われ、“川らしい”姿になっていくことでしょう。

右岸の堤防と下流(南)方向
上の写真に写っているものは、左端から、紅白の細いアンテナが飯島字薬師田にあるNHKラジオ第1放送の「飯島ラジオ放送所」、携帯電話のアンテナがあって、中央のピンク色の横長が飯島鼠田の丘の上の市立飯島小学校、グレーの高いのが前回触れた秋田市消防本部土崎消防署飯島出張所、送電線の鉄塔があって、右端が秋田港のポートタワー・セリオン。
この場所に限ったことではないが、見る場所を変えると、知っている建物が、こういう配置でこういう距離感覚で見えるのが斬新というか不思議な感覚になる。

南西方向。コメリの奥に秋田火力発電所の煙突
秋田火力の煙突といえば、2本。それが、ぴったり重なって1本に見えた。
※昔は3本だったけれど、低い2本のうち1本がなくなった。
発電所の西側は海だから、東方向の山までの限られた直線上でしか見られないことになる。

国土地理院「地理院地図」に加筆。赤が新流路、新道路
地形図では、下笠岡橋がだいぶ「長く」示されてしまっている。

新しい新城川に沿って、新しく造られたであろう道をさかのぼる。続きます

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