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行き先表示の故障

2012-01-18 20:38:41 | 秋田のいろいろ
路線バスの行き先表示のトラブルや故障の話題。
最初に、この記事は行き先表示器がこのような壊れ方をするという実例の記録と紹介が目的です。
行き先表示器は振動や暑さ・寒さの厳しい環境で稼働する機器であり、運行中に突然故障することもあるでしょう。したがって、バス会社を批判する意図ではないことを申し沿えておきます。(もちろん、故障を認知した際の乗客へのフォローや迅速な修理、日頃の一層の点検・整備はお願いしておきたいものです)

●懐かしの…
まずは、だいぶ前に見かけた、単なる操作ミス。
行き先表示器の表示の変更は、表示するコマごとに決められた3ケタの数字を入力して行う。(それにより幕式なら回転して自動的に止まり、LED式ならデータが表示される)
表示するべきコマとは違った数字を入力してしまえば、間違ったコマが表示されてしまう。(最新システムを導入している会社なら、そういうミスへの対策もあるのかもしれないが)

旧秋田市営バスから中央交通に譲渡された車両では、譲渡後もLED化せずに幕式の行き先表示を使っている車両があった。(現在は大方LEDに更新されたはず)
譲渡後に、中央交通仕様の幕を新しく作ってセットした車両もあるが、一部の車両では市営バス時代の幕を再利用していた。(両者は書体が違うので見分けられた)

そんな車両では、市営バス時代(移管前)に廃止などで使われなくなった行き先のコマがそのまま残っている場合があった。
秋田駅に向かうバス
「県庁市役所 八橋球場」とくれば、続く文字は臨海営業所か県立プールくらいしかないはずだが、この表示は仮名文字ばかり。


「県庁市役所 八橋球場.たけやパン」!!
懐かしい!
以前は、あの、たけやのパン(たけや製パン)行きの市営バスがあったのだ。路線名としては「山王線」だったか?

秋田駅前から竿燈大通り・山王大通り(県庁・市役所前)を進み、工場地帯に入ってたけや製パンの本社・工場前が終点の路線だったのだが、2000年4月に廃止されている。新国道方面とともに交通局路線移管の第一弾だったことになる。
たけやパン前のすぐそばが、中央交通の秋田営業所であるため、本数が多い中央交通の「県庁経由(大川反)車庫行き」とほぼ完全に競合していたため、市営バス路線を廃止しても問題ないという判断だったのだろう。

間違えた表示を出していたバスは、秋田駅に到着して気づいたらしく、
県立プール行きになりました

●行き先表示が止まらない!
昨年、秋田駅西口に川尻割山線らしき大型バスが停まっていた。
行き先表示は幕式。県外の中古車なので、幕は中央交通が作ったもの(交通局のより肉細の文字)。
行き先表示回転中
しかし、行き先表示がぐるぐると回っていて、なかなか止まらない。
【19日追記】上の写真で下に見えているコマは市立下新城小学校のスクールバスのものだろうか。
青文字の「島合」という地名は初耳だが「下新城中野字島合」という所が存在するようだ。国道と並走する奥羽本線の東側で、北部公民館の南向かい辺り。

この車両のような割山線や新屋線に使われる臨海営業所の大型車は、使用される路線はごく限られているのに、幕のコマは妙にたくさんセットされていて、いろんな表示を見せながら時間がかかって止まる。
運転士もそのことを承知していて、中央通りに入った辺りから機器を操作して、秋田駅に着く時には、既に止まっているのが普通なのだが…

しかしこの時は、いつまで経っても止まらなかった。
よく見ると、たくさんある行き先のうち、20コマ程度の一部分のコマを行ったり来たりしている。その中には「川尻・割山」はなく、これではいつまで待っても止まるわけはない。
側面は未確認だが、前と後ろが同じような状況だった。
幕にはバーコードのようなものが印字されていて、それを読み取って停止する仕組みなのだが、前も後ろも同時におかしくなるということは、運転席の指令器の故障だろうか?(どれか1か所だけの故障なら、センサーやモーターの故障が考えられる)
最悪の場合、手動でモーターを動かして止めることもできるはずだが、数分間見ていた限りでは、そのような対処はしていなかった。(ちなみに、弘前の弘南バスでは、自動停止機構のない幕装置を使用しており、運転士が毎回、目視でモーターを操作して行き先表示を動かしている)
なお、この車両は、数日後に正常な表示を出して運行しているのを確認している。

●無意味なコマコレクション(故障とは直接関係ないですが)
上でも少し触れたけれど、臨海営業所の大型車には、使いもしないコマがたくさんセットされていて、無駄に思える。
上の故障時のほか、通常のコマ回転中に見えたものをいくつか。
「秋田温泉」
中型バスしか走らない秋田温泉線のコマが、大型バスにセットされている。
市営バスでも大型と中型の間で共通の幕を使っていたようなので、それにならって中央交通でも作ったのかもしれない。でも、作成時点で既にLEDが普及しており、今後中型バスで幕を使用する可能性は低かったはずなので、もうちょっと考えて作ってもよかったのではないだろうか。
【2016年11月27日追記】ツイッターで、これと同じと思われる幕のセット(ロール)を入手した愛好家のつぶやきがあった。それによれば、205コマ(うち「回送」は1コマだけ)あるとのこと。
「楢山大回」
大回り線の楢山回り。これも中型路線。
市営バス当時の表示は「楢」のつくりの上が「八」だったはずだが、これは点になっている。
逆回りで現在は廃止された「手形大回」は、見た範囲では出てこなかった。

「有楽町 牛島 二ツ屋」
先日取り上げた「二ツ屋線」(二ツ屋下丁/大野口行き)のことらしいが、市営バス当時の1994年で廃止された系統がなぜか登場。
市営バスでは、黒い同じ大きさの文字で「牛島・二ツ屋」という表示だった。

小さいけど「国民の森」
仁別の奥にある、「仁別国民の森」へ行くということらしい。昔は市営バスが運行していたのをなんとなく記憶している。
秋田市の広報を見ると、1970年代に休日だけ運転されていたのは確認でき、1979年には「山菜登山バス」という名称だったようだ。
20年以上は運転されていないであろう路線の表示をなんでまた入れたのか。

移管路線ではなく、中央交通オリジナル路線の表示も混ざっている。
「雄和町役場」
この路線は中型限定。しかも今は市町合併で「雄和市民サービスセンター」となり、有楽町・牛島経由ではなく、愛宕下橋・牛島経由になった。
見づらいけれど「鵜養・殿渕」
どちらも秋田市河辺(旧河辺町)地区の集落で、「うやしない」「とのぶち」と読む。
岩見三内線の系統だろうか? 大型バスを使うような路線ではないと思うが。
これらもなんで入れたのか不明。

 「ユフォーレ」/「小平岱」
これらも河辺地区だから、岩見三内線系統?

「牛島 目長田団地」
目長田は秋田市仁井田地区。
移管前から中央交通のエリアだったはずで、今も目長田を通る路線はあるが、こんな行き先の路線あった?【2019年5月14日追記】2009年まで存在していた。


「新国道 千秋トンネル 大学病院・経法大附高」
これは再び市営バスからの移管路線。
今もあるけど本数が少ないし、経法大附高は「明桜高校」に変わった。さらに今の表示方法だと「ノースアジア大学回転地」行きなのだろう。


「県庁 茨島 南高校・御所野」
これは…
市営バスから移管されたが2010年3月で廃止された「茨島経由御野場団地線」というのがあった(本数は少なかった)。
それはおそらく「県庁 茨島 南高校・御野場」という表示だったはず。しかし、これは「御野場」でなく、その先の「御所野」。
こういう路線もあったのか、あるいは将来的に延伸するつもりで準備していたのか?

「スクール」
スクールバス。
特定の学校の児童生徒の通学用として運行されるバスで使うコマだと思われる。
秋田市内でも学区が広範囲ないくつかの学校で運行されており、かつては市営バスが担当していたが、移管されている。
「その学校の児童生徒しか利用できない路線バス」といった位置づけらしく、乗車の都度、各自運賃を支払う(または定期券を提示する)ようだ。
【19日追記】上の「島合」の下新城小学校もその1つだと思われるが専用のコマが用意されていることになる。秋田市中心部に近い学校でも運行されている所があり、そこではこの「スクール」のみの表示。

スクールバスといえば、こんなものも。
「御野場団地 附小 北高 秋工 秋高入口」。青文字の「スクール」がやや左に寄っている
一見、側面の表示のようだが、これが正面と後部に表示される。市営バスでもこの表示だった。
これは、
御野場-南高校前-卸センター入口-イオン秋田中央店前-有楽町-中央警察署前-通町橋-鷹匠橋-すわ町(千秋トンネル通りの泉山王環状線用)-原の町(大回り線用)-北高校前-東中学校前-秋高入口
という、複雑な経路をたどる路線で、市営バスからの移管路線。(昭和末期頃は、通町橋・鷹匠橋でなく通町・菊谷小路を通っていたはず)
朝は御野場発、夕方(16時頃)に秋高入口発が1本ずつ運行される。
御野場・仁井田方面から各学校への通学利用が主目的なわけだが、児童・生徒でなくても誰でも利用できる、通常の路線バス。
表示にある途中の「附小(秋田大学附属小学校)」と「秋工(秋田工業高校)」は、直接的な名称のバス停はないが、附属小学校はすわ町か原の町、秋田工業高校は千秋中島町あたりが最寄りバス停か。

と思っていると、同じ車両にもう1コマ。
さっきのと似てるけど
青文字の「スクール」が消え、左端に「御所野」が登場。「附小」が「附小中」、「秋高入口」が「秋高」に変わっている。
要は御所野-御野場間が延長されたわけだ。

実はこの路線、市営バス当時は冬期間(11月~3月)の学校開校日のみの運行だったが、移管後は平日に通年運行されている上、いつの間にか御所野(実際の始発/終着点はイオンモール秋田前)まで延長されたようだ。【2015年4月2日追記】市営バス末期には既に、御所野発着に延長されていた。また、学校週5日制実施前の土曜日(時期によっては先に休校日になった第2・第4以外)は朝のみ運行だった。
このバスには、延長前後両方の表示がセットされていることになるが、実際には秋田営業所(かつては秋田東営業所担当)の中型バスが担当しているようなので、これも無駄なコマ。
分かりやすいようで分かりにくいような…
LEDでは、そもそもこんな細かな表示はできなさそうだし、新しい系統番号付き表示では普通に「542 秋田高校入口」「542 イオンモール秋田」なんだろう。

●LEDも壊れます
今までは幕式の行き先表示のトラブルや故障だった。
LEDでは、行き先の回転が止まらなくなるといった不具合は起こり得ないが、それ以外の故障はある。
 (再掲
「シルバーエリア」が「シルバーエリフ」に見えてしまうような、部分的にLEDのドットが点灯しない「画素欠け」。
これは、経年劣化のようなものであり、LEDの球(?)を交換するしかないのかもしれない。

さらに最近、こんなバスを見た。
何だ?
このバスは新屋線の西部サービスセンター(正しくは西部市民サービスセンター)行き。
本来であれば、このように表示されないといけない。
 (再掲)「710 大町 西部サービスセンター」

ところがこの車両、下半分のLEDが全部消灯してしまっているのだ。
この状態で正面を見る限りでは、「大町」しか読み取れず、これが新屋線だとは認識できない。
上は正常、下はごそっと消灯
※カメラのシャッタースピードによっては、LEDが欠けて写る場合がありますが、その時は筋状に消灯して写るため、この画像とは異なる見え方です。

この車両の直前の運行で表示されていた「回 送」も、同様に下半分がなかった。LED自体の故障ではなく、指示器や配線の故障が原因だろうか。
こういう故障の仕方もあるのかと、妙に感心してしまった。

繰り返しになるけれど、日常の点検整備と故障時の適切な対処は、しっかりとお願いしますよ。

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2 コメント

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スクール幕 (FMEN)
2022-10-29 23:13:41
そう、それでした。
市営バスもおなじだったみたいです。
御野場だけでなく飯島があると記しましたが、飯島のは御野場方式を飯島に差し替えたのみ。
飯島、新屋、御野場から出たとされる初詣とかもこれだったんでしょうか。
実質的な新国道スクールたる新港は通常幕なんですよね。
仁井田方面はくどくなってるので触れませんが、島合のは下新城スクール線ですね。
秋高や旭南スクール(スクール幕)とは違い、中央一貫。
中野追分と下新城小学校、笠岡と北中を結ぶ路線。
島合はマイタウンが走るまでスクール単独で、ポールがあります。
その上のは中央単独の東部雄和線かと。
大学病院→東口→日赤→御所野→末戸松本地下道→雄和まで行く路線でしたが、のちに御所野までに短縮されて廃止されました。
ちなみに島合に近い系統ではグリーンランド→組合病院のもありました。
たけやパンは案外古く、クリスマス電飾工場があったときはクリスマス表記で、いまは7号線が走る運河のあたりで回り帰っていたとか。
手形大回、楢山手形小回は市営時代からみたことありませんでしたから多分それで外した?
国民の森は小型だと仁別スキー場共々最後まで残してました。

いずれにしても、もう過去になりました。
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過去の表示 (taic02)
2022-10-30 20:48:15
大学病院から御所野・雄和の路線なんてあったのですね。
郊外の小規模校の閉校・統合が予定されています。スクールバスが必要になるところも増えそうですが、どうなっていくでしょう。

年に1度の初詣バスは、さすがに専用表示はなかったのではないでしょうか。
手形大回りは1990年代半ばで廃止されたので、移管時点で過去のものだったのでしょう。手形小回りはさらに前に廃止されており、僕も見たことはありません。
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