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2016ダイヤ改正

2016-02-07 21:05:30 | 秋田のいろいろ
3月26日・土曜日に、恒例のJRグループのダイヤ改正が実施される。
今回は、北海道新幹線(新青森-新函館北斗)の開業がメイン。
20年ほど前だろうか、「函館の新幹線開業は平成30年を予定」というニュースを見て、平成13年じゃなくて30年なのか。まだだいぶ先だな…と思ったものだが、今にしてみればもう開通してしまう。
北海道新幹線の話題は、もしかしたら後日アップするとして、ここでは、それ以外の秋田地区を中心とした、気になるものをピックアップする。
※以下、12月の公式発表に基づくもの。利用の際は、公式な情報で各自ご確認ください。

●特急「つがる」減便
現在5往復運行されている、奥羽本線 秋田-青森を結ぶ特急「つがる」のうち2往復が廃止されて、3往復になる。(1往復は代替の快速を増発。後述)

現在の「つがる」は、2010年12月の東北新幹線 新青森開業時に、それまでの「かもしか」3往復と「いなほ」1往復を統合して登場。(いなほは、新潟-秋田に短縮)
さらに2014年3月の改正で、寝台特急「あけぼの」が廃止された代替として、同時間帯の秋田-青森に「つがる」が増発(臨時列車扱いながら毎日運転)されて、計5往復になっていた。

今回廃止されるのは、下りは秋田発7時05分の1号と17時32分の7号。上りは青森発5時43分の2号と18時46分の10号。1号と10号は「あけぼの」、2号は「いなほ」の流れを汲むダイヤである。
さらにさかのぼれば、青森まで来ていた「いなほ」は、2001年3月で廃止された青森-大阪の長距離特急「白鳥」の流れを汲んでいる。
さらにさらにさかのぼれば、その白鳥は、青函連絡船の深夜便からの接続を受ける列車だった。連絡船があった当時は青森発が4時50分(関連記事)、連絡船廃止後は6時11分辺りに設定されていた。

12月19日の陸奥新報サイトによれば、廃止されるのは「乗車率が非常に低い時間帯の便」「この4本の乗車率は1~2割ほどという。」。


個人的には、減便の大きな理由は「車両が足りない」ことだと思う。
つがるには、E751系電車が使用されているが、3本しか編成がなく、それで5往復をやり繰りしていた。
E751系だけでは予備がなく、定期検査や突発的な故障に対応できなかった。そのため、古い485系電車(を改造した3000番台)が代走するのが常態化していた。

昨年、北海道新幹線開業により、青森の485系が引退するとの報道が一部であった。それを踏まえれば、つがる減便は想定できた。
「つがる代走用には485系を残す」とか「E751系を増備する」「どっかで余っている、さほど古くない車両を転属させる」「いなほのE653系と運用を共通化する」といったことで、5往復を維持することもできそうではあったけど、それらはかなわなかった。
(再掲)485系3000番台「つがる」も見納め?
3往復を3編成ならば、かつての「かもしか」と同じで、E751系だけで1本の予備が確保できる。弘前さくらまつり期間中には、その予備を使った臨時特急の運行も決まっている。


利用が少ないということだけど、その4本がそんなに少ないだろうか。
上り最終の10号はたしかに多くはなさそう。
秋田駅で何度か、2号と7号を見たことがあるけど、「1~2割ほど」よりは多かった気がする。
昔の話だけど、2号に相当する20年前の「白鳥」では、弘前で3両の自由席がほぼ埋まるくらい乗車していた記憶がある。その救済なのか、大館始発で白鳥の20分ほど後を追いかける秋田経由盛岡行き特急「たざわ」も設定されていた。昔の話だから、今との比較にはなりませんが。

下り最終の秋田発19時27分の9号(改正後は32分発5号)が残るのが意外。かつてのいなほ相当のダイヤだが、そんなに乗っていなさそう。
この点でも、車両運用の都合がありそう。


これにより、奥羽北線を走る特急は「つがる」だけ、わずか3往復という寂しいことになってしまう。【8日追記】青森-新青森の1駅だけ乗り入れていた「スーパー白鳥」8往復と「白鳥」2往復も、北海道新幹線開業で廃止されるし。
あと、テレビ東京の特急乗り継ぎ旅で、待ち時間にセリオンに行ったら渋滞にあって、予定していた「つがる7号」に乗り遅れてしまい、居酒屋で時間をつぶして後続の「つがる9号」で青森に向かった。というのも、もうできなくなる。


●秋田-弘前快速新設
つがる減便の代替として、秋田-弘前に快速が1往復新設される。(弘前で青森行き/発の普通列車に接続)
車両は一部ボックスシートの701系電車2両編成。停車駅は土崎、追分、大久保、井川さくら、早口が新たに加わる。
ダイヤは、
つがる7号 秋田17時32分→弘前19時36分の代替 秋田17時30分→弘前19時39分
つがる2号 弘前6時16分→秋田8時22分の代替 弘前6時29分→秋田8時40分。

秋田・青森県境の矢立峠を越える快速が運行されるのは、初めてではないだろうか。(かつて「しらかみ」→「しらゆき」などは通っていたが、この区間では各駅停車だった)

秋田地区の701系電車には、車内の座席のごく一部を4人掛けのボックスシートに改造した編成があり、秋田-新庄間に限定して運用されている。(申し訳程度のボックスシートであり、着席定員はロングシートと変わらない)
運用をやり繰りして、その車両が弘前へ来て1泊して秋田へ戻るようになるのだろう。もうちょっといい(快適な)車両を使ってもいいような気もしますが。

それにしても、俊足の韋駄天。
停車駅が増えているにも関わらず、「つがる」より5分余計にかかるだけ。停車時間も含む平均速度「表定速度」は、69km/hほど。
701系導入当初の秋田-大館の「しらかみ」→「しらゆき」並み(停車駅は特急と同じで少なかった)の豪快な走りになりそう。その点でも乗り心地が…

もし、僕が弘前にいた頃にこんな列車があったら、安くて速いので好んで乗っていたかもしれない。
でも、2両で朝夕のラッシュ時間帯だから、曜日や区間によっては混雑するかも。

※この後、2019年春のダイヤ改正では、この下り快速の後の時間帯の「つがる」が繰り上げられた。そのため、この弘前行きの快速を大館→弘前間各駅停車に変更(所要時間は10分強の増加)。そして、その後の大館行き快速と、大館以北の各駅停車を統合して、青森まで通しで快速運転する列車となった。



●既存快速の変更
奥羽北線では、上記、秋田-弘前の快速の登場により、近接した時間帯の大館8時06分→秋田9時40分の快速が、大館8時05分→秋田9時52分の各駅停車に。これは、かつての急行「よねしろ」→無名快速の流れを汲んでいたダイヤだった。
夕方の秋田発大館行きの快速は、秋田発が20分ほど遅くなって残るので、17時台と18時台に1本ずつ快速が走ることになる。

また、従来、特急と同じ駅+井川さくらにだけ停車していた、大館発6時21分の秋田行き快速の停車駅を追加。上記、秋田-弘前の快速と統一される。


ほかに、奥羽南線の朝の湯沢→秋田の快速で、飯詰、和田、四ツ小屋への停車、羽越線の朝の羽後本荘→秋田の快速で新屋、羽後牛島への停車と普通列車との運行順入れ替えが行われる。
青森では、朝7時台の青森→弘前の快速が各駅停車化され、同区間の上り快速は昼前の1本だけになる。


●その他普通列車
これも弘前行き快速の影響もありそうだが、秋田発17~19時台の奥羽北線(下り)方面で30分程度の時刻の移動が多数。

羽越本線上りでは、秋田22時26分発羽後本荘行きが最終列車だった。この度、23時20分発新屋行きが新設され、終電が1時間遅くなる。
秋田市内の2駅だけだけど、路線バスよりも遅い時間だから、飲み会帰りの足に重宝されそう。
※列車はワンマン運転。羽後牛島、新屋は駅業務を終了している時間なので、前のドアから降りることになる。

田沢湖線でも時刻移動あり。

北上線では、横手-北上を通していた夕方の1往復が、ほっとゆだ-北上に短縮。横手発着の北上線は下り8本、上り6本となる。
特に上りは、横手発18時33分発が廃止されるので、17時17分の次は20時11分までなくなる。横手からの帰宅の足は不便じゃないだろうか。

五能線。能代市街地は奥羽本線・東能代駅とは離れており、五能線で1駅の能代駅が近い。
そのため、五能線では、東能代-能代の1駅だけを1両編成で行ったり来たりする列車が多数運行されている。下り15本、上り13本。
このうち、早朝と昼の下り2本、上り1本が廃止される。


以下、秋田以外。
●3社直通特急消滅
長野と名古屋を結ぶ、JR東海のL特急「しなの」。うち1往復は名古屋から東海道本線に入って、JR西日本エリアの大阪まで行っていたのが、名古屋発着に短縮される。JR3社にまたがって運行されている特急は、これでなくなるとのこと。

東日本エリアの感覚からすれば、1往復とはいえ、新幹線と並行する在来線の長い距離を特急が走っていたのが、驚き。(東京-熱海の場合は、新/在で運行会社が完全に違うからまた別の話)
JR東海にとっては、名古屋-大阪を新幹線に乗ってもらえば全部自社の収入になるのに、在来線では一部が西日本に取られてしまうのに、よくぞ走っていたものだ。
新幹線なら「こだま」でも1時間で着く名古屋-新大阪を、「しなの」は2時間かかっていた。そんな効率の悪いものは、もう必要とされなくなったのか。

なお、名古屋-高山の特急「ひだ」にも、大阪発着が1往復あり、こちらは改正後も存続する。



●万座・鹿沢口と長野原草津口
群馬県にJR東日本の吾妻(あがつま)線がある。沿線には草津温泉や嬬恋村など観光地があり、上野から特急「草津」が運行されている。

吾妻線の終点は大前という駅だが、「草津」はその1つ手前の万座・鹿沢口(まんざ・かざわぐち)駅止まり。
今改正からは、利用率が低いとして、4つ手前(特急では1駅)の長野原草津口(ながのはらくさつぐち)駅発着に短縮される。(臨時列車は改正後も一部、万座・鹿沢口まで行くようだ)

僕は行ったことはないけれど、「万座・鹿沢口」「長野原草津口」の駅名は記憶にあった。
子どもの頃読んだ、「特急ものしり百科」などで、長くてどちらも「口」で終わる駅名が、近くに2つあったのが印象に残っていた。
「万座・鹿沢口」は2つの駅名かのように「・(中黒)」が入っている。JRの駅名で中黒が入るのは唯一。「長野原草津口」は、長野県かと思わせる。
2013年撮影。現在は使われていない185系による「草津 万座・鹿沢口」表示
185系のローマ字表記では、「MANZA」と「KAZAWAGUCHI」の間に区切りがない。


ダイヤ改正の度に感じてしまうが、大都市圏や新幹線は便利になる一方で、地方部では徐々に不便になっていく。
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
羽越線! (りお)
2016-02-07 21:32:15
新屋住民として、最終が増えたのは非常にありがたいです。
駅前で遊ぶ選択肢が増えますね。

実は今つがる9号の中から記事を読んでいますが(タイムリーですね)、指定席には2~3割ほどの人が乗っています。
はまなすがなくなったとしても、この列車がなくなるのは考えにくそうです。
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グッドタイミングでした (taic02)
2016-02-07 22:41:04
そうですか。この時間の指定席でその程度なら、けっこう多いですね。
新屋方面は美大の学生が秋田市中心部に出掛けた帰りの需要などもあっての増発でしょうか。バスより早くて安いのですから、もっと本数が増えていいと思います。

移動中のアクセスありがとうございます。どうぞお気をつけて。
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Unknown (ax)
2016-02-07 23:13:33
子供が追分駅から秋田駅へ通ってるのですが、次の改正で7時台の快速列車が追分駅に止まるようになるのですね
今だと7時台は4本(6時59分のもありますが)あるのですが、さらに増えるのであれば追分~ザキ駅間の人は便利になりそうですね
詳細ダイヤが早く知りたいです
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快速停車 (taic02)
2016-02-08 00:10:29
そういうことになりそうですね。
今改正では、3方面とも秋田市内の各駅に快速が停まるようになり、便利になりそうですが、快速車内の混雑が増しそうな気もします。北線大館発では、追分や土崎で降りる人もけっこういそうですから、どうなるでしょうか。

ぼちぼちリーフレットが駅に置かれる頃でしょうか??
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E751系の中間車 (つがる路快速)
2016-02-14 00:13:03
特急つがるに使われているE751系ですが、0番台の中間車2両は2015年11月末をもって廃車となったようです。

そして、つがるの減便代替快速が一部ボックスシート付の701系で運行されることは前から知っておりました。となると、奥羽北線の定期の普通・快速列車にオールロングシート車以外が入るのは2008年3月のダイヤ改正(元急行よねしろの快速が電車化)以来かと思います。また、この区間(といっても秋田県内田沢湖線を除く電化区間全線)においてはいわゆる「乗り得列車」になるかもしれませんね(笑)
返信する
もったいない (taic02)
2016-02-14 11:34:11
E751系中間車は青森車両センターにずっと放置状態だった車ですよね。もったいないと感じてしまいます。
先頭車化改造すればいいのに…と考えていましたが、JRの都合もあるのでしょう。

五能線や花輪線(朝の大館-鷹ノ巣往復)から奥羽本線へ乗り入れる気動車列車は存続していますが、長距離にロング以外・ボックスシートは久々です。
時間ではかなり、快適さにおいては多少、乗り得ですね。
他地域のこういう列車は、18きっぷシーズンには混雑する傾向があると思いますが、秋田-弘前の快速は時間帯的にそれほどでもないでしょうか。「はまなす」も廃止されるし。
返信する
在来線ダイヤ (匿名)
2016-02-14 11:35:59
新幹線ダイヤが充実している一方で在来線に関して言えば近年の夜行列車の廃止や特急列車の減便で非常に閑散としていて、時代の流れと言ってしまえばそれまでですが何だか寂しいですね。


今年関西方面に旅行を計画してますが秋田からの直通列車が無くなった今どう乗り継いで行こうか悩みに悩んでます(個人的に飛行機は苦手なもので(笑))。
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現実だけど (taic02)
2016-02-14 12:48:03
それが現実と受け止めなければならないのでしょうけれど、やはり寂しいものです。

大阪-青森の「白鳥」廃止から15年。かつては「日本海」が2往復もあって…と遠い昔に感じます。
僕も飛行機は乗りたくないし、新幹線東京乗り継ぎも高くてつまらないし、分かります。変わった方法としては、敦賀までフェリーとかでしょうか?
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