魁辺りが大きく報道してもいいのに、なぜか報道されていないのだけど、秋田のあるモノが「グッドデザイン賞」を受賞した。
今や名前やロゴマークは知っている人が多いであろう「グッドデザイン賞」。ルーツは1957年までさかのぼる。
良いデザインの製品に贈られていそうなのは、何となく分かるけれど、選考過程などは知らない人が多いはず。
調べてみると、まず、現在は、公募制。すなわち自薦。
審査料1万円、2次審査でさらに6万円、受賞すれば展示会の出展料12万円、年鑑掲載料3万円がかかるそうだ。
2014年は、3601件が応募されて審査対象となり、1258件が受賞(=応募の約35%。これらが「G」マークを付けられるのだろう)した。
その1258件の中から「明日を切り拓く力をもつ、未来を示唆するデザインとして、審査委員会により特に高い評価を得た100件」を「グッドデザイン・ベスト100」として選ばれ、最終的にそこから大賞とかなんとか賞とか「特別賞」が選ばれる。という流れらしい。
選考対象となるものは、モノである製品に限らず、建物、ソフトウェア、活動など広範囲。
かつては全部国でやっていたが、現在は民間組織(国とそんなに違わなそうですが)が実施。大賞を政府が授与する形になっている。
現在は2014年のベスト100が選ばれた段階で、特別賞は11月4日に決まる。
そのベスト100の1つに選ばれたのが、秋田市の「バス待合所 [秋田駅西口バスターミナル]」。
昨年、秋田杉の木造で建て替えられた、バス乗り場である。(この記事やこの記事参照)
事業主体の中央交通、プロデューサーを務めた教員が所属する秋田公立美術大学、デザイン事務所など、計8者が「受賞企業」となっている。(これらが1万円+6万円+…を折半するのかな?)
(再掲)夜の新バスターミナル
受賞の理由は、簡単にすれば「難しかった木造に挑んで、デザイン的に美しいものができた」ということのようだ。
いろんな意見はあるけれど、個人的には、まあ、その点は否定しない。
以前、建築界の何とか賞も受賞したのに続く、喜ばしいことではある。
しかし、「『バス乗り場だけ』の『外見の美しさ』のデザイン」は素晴らしいけれど、以前から少々述べているように、「バス乗り場以外の街全体としてのデザインの統一感」とか「バス乗り場の『機能』としてのデザイン」については、必ずしもグッドデザインではないと、僕は思う。(これらは今回の応募・審査では対象外なのだろう)
以下、グッドデザインに水を差すようで申し訳ないですが、バス乗り場の機能について、次のような点が気になっている。
・全体的に狭く、余裕が少なく、どことなく窮屈な印象を受ける
→市営バスと中央交通が競合していた頃に設計された旧バスターミナルの配置を、そのまま踏襲して改築されてしまったことが原因。
中央交通に統一され、減便で本数が少なくなったのだから、乗り場の数を減らしたり配置を見直したりすれば、ゆとりのある乗り場になっていたはず。(工事直前に行われた意見募集には提案した)
・各バース(列)内の歩行スペースが狭く、すれ違ったり、バスを待っている人を交わしたりしずらい
→柱が乗客スペース中央に林立しているため。木造だから仕方ないのかもしれないが、配慮できなかったのか。【4日追記】通路部分そのものの幅としては、改築前と変わっていない。通路の幅の中で、壁の位置が移動したのと、従来は壁と一体化していた柱が独立したため、相対的に狭く感じるようになったということ。
・待合スペースに雨・雪が吹き込むことがある
→「風雨対策としてベンチ設置部は背面、前面ともガラスで塞ぎ」などとしているが、不完全。
ガラスで前後を囲まれているのは、各バース1か所だけ。
それ以外の各乗り場ごとのベンチが置かれた場所では、背面にだけガラスがあり、しかもその屋根際上部はガラスがない。つまり、前や背中の高い位置から雨風が吹き込むことがある。
赤矢印の部分は前にもガラスがあるが、他のベンチは後ろだけ
裏側から
前にもガラスがある赤矢印部分は屋根際までガラスがあるが、ベンチが置かれただけのオレンジ矢印部分は、ガラスは下の大きいのだけで上部の横長部分は素通し。わずかなすき間ではあるが、西向きであるため特に冬は風雪がここを抜けるのだ。
ガラスで囲まれていない場所では、風雨雪の強さによって状況は変わるのだろうが、ベンチが濡れていることがある。
バスターミナル完成が報じられた、昨年10月15日夕方放送のNHK秋田の「ニュースこまち」では、新バスターミナルに関する好意的なインタビューなども含むVTRが終わり、当たり障りなく終わるかと思いきや、男性アナウンサーがこんなコメントをした。
「待合いスペースには背後にしかガラスがなく、吹雪を防げるか心配する声も出ている。デザイン以外にも、秋田らしさを出せなかったのか」
NHKのしかも秋田ローカルで、VTRでは触れていないことについての否定的なコメントをキャスターがしたのには驚いたが、その通りだ。
※「背後にしかガラスがなく」というのは、各乗り場ごとのベンチのことを指しているのだろう。
ほかにも昨年11月22日の秋田魁新報の投稿欄では、
「雨が吹き込んでベンチが濡れて座れなかったので、バス案内所へ言ったら「自分たちには関係ない」と対応された。「誰が建て、管理しているのだろう」「外観も重要だが、何より大切なのは利用しやすいこと」」
といった苦情が掲載された。たしか年配の女性の投稿だった。(バス会社からの返答はなし)
※案内所はたしか秋田県バス協会がやっているはずで、中央交通とは直接の関係はないのかもしれない。
風除けガラスを増設することはできないのだろうか。
さらに、直接的な設計よりも、バス会社側の運用方法の問題かもしれないが、こんなことも。
旧バスターミナル、さらには秋田市営バス時代から見受けられたので、中央交通だけを責められないのだが、「客の降ろし方」。
列車がプラットホーム、船が岸壁、航空機がボーディングブリッジに横付けして乗降させるように、左側通行の日本のバスは、車道左側の歩道際に寄せてドアを開ける。
ところが、秋田駅西口ターミナル内では、こんな光景が見られる。
右側を隣のバースに寄せて降ろしている
※この車両は秋田市営バスから譲渡された、1991年度導入の日野レインボーの元「261」号車。今年7月下旬を最後に見なくなったので、ついに廃車されたか。
乗り場に横付けせずにドアを開け、バスが通る“車道”部分に客を降ろすことがあるのだ。
これって、船舶に例えるならば、沖合に船を停泊させて、「あとは各自、岸まで泳いでいってね」と言っているのと同じことではないだろうか。
【5日追記】※ターミナル内は公道ではないので「車道」は正確な表現ではなく、法令上の違反はないと思われる。ただ、下記のように万一の安全や客の立場になれば…ということです。
降車終了後、回送もしくは車庫行きの路線に入る場合によく見られる。(秋田営業所の運転士さんたちはあまりやらない傾向がある。そうじゃないのは…)
ラッシュ時などバスがターミナルにたくさん入っている時は、横付けする場所がなくて仕方なくそうしてしまうのは、分からなくもないが、上の写真のように、バースががら空きなのに、そうしてしまうこともある。
右前のバスから高齢者や荷物を持った人が車道上に降ろされている。左後ろのバスは発車できない
この状況では、左後方から他のバスが追い抜いて、降りた人と衝突する危険がある(基本的に、後続車は追い抜かずに待つが、万一ということがある)。
また、降りた客が通路に上がる段差や車道部分の凍結で転倒するかもしれないし、雨の日は屋根のない水たまりがあるかもしれない所に降ろされるわけだから不親切極まりない。
特に新ターミナルでは、バースの途中での横断は禁止された(徹底されていないが)。つまり、バス会社いわく「(横断歩道以外の)車道部分は歩くな」ということ。
それなのに、バス会社側が、客を車道部分に降ろしてそこを歩かざるを得なくしているとは、矛盾している。
コインバス事業で高齢者の客が増える中、さらに「エイジフレンドリーシティー」とやらを謳う秋田市内を独占する公共交通事業者が、こんなことでは。
いくらノンステップバスを導入しても、いくら役員がバリアフリー協議会の委員になっても、こんなことでは。
意見を伝えさせてもらったので、現在は、かなり改善されているようだ。
【5日追記】僕は最近まで、車道部分で降ろすことに何の違和感も覚えなかった。しかし、車道部分での横断が禁じられたことを意識し、さらに降ろされたお年寄りが大変そうに車道部分を歩いているのを見て、はっとさせられた次第。バス会社側も同じような認識だったのかもしれない。
前から言っているように、別に「降車専用」バス停を設ければ、いくらかはスムージになりそうな気もするけど…(空いているリムジンバス乗り場に入って降ろしていることがあり、実質的には降車専用か)
※ラッシュ時に降りる客が少ない場合など状況次第では、バースに寄ずに降ろすのもやむを得ないと思うし、そうする場合、運転士が一声「ご迷惑をお掛けしますが、気をつけて降りてください」と案内してくれれば、(極端な悪天候や足腰が悪くなければ)客だって協力するだろう。
また、こういうケースに遭遇した場合、左から他車が来ないことを確認して降りましょう。転倒にも注意。
もう1点。
案内所と1番乗り場だけがあるバースは、改築後は空港リムジンバス専用乗り場となった。
帰省シーズンや学会などがある時の羽田便に接続するリムジンバスの時間には、
バースの端から端まで列ができることも
さらに列が伸びて、案内所前で折り返して「つ」の字になることもある。
中央交通さんは儲かって何よりだけど、待っている間に雨や日差しを浴びてしまうお客さんはつらいだろう。
よく見ると、
(この記事冒頭の写真の拡大)屋根のない左手前はぎゅうぎゅう、右奥の乗車位置付近はスカスカ
もっと詰めて並べば、ほとんどの人が屋根の下に入れそう。
こういう案内・誘導も、もっと上手にできないものでしょうか。
秋田駅前だけを立派にするのでなく、駅以外の各乗り場にも、上屋とかベンチを設置して、多くの人が快適にバスを待てる環境を整備してくれてもいいと思う。
グッドデザイン賞受賞はおめでたいけれど、乗客のことを思うのなら、もう少し配慮してほしい所が多々あるのです。
【4日追記】風は弱いものの、時折雨が強く降った3日、西口バス乗り場を利用した。
風がないため雨は縦方向に降るので、ベンチが極端に濡れたものは見受けられず、座っている人もいた。
気になったのは、屋根の「ひさし(庇)」。上の写真で行列ができている案内所前とか、他のバースの横断歩道寄りなどは、(人が立てるだけの空間があるのに)横方向外側向きのひさしがほとんどないため、雨降りの時は少々困る。
案内所に出入りする人はドアの所で立ち止まって傘を開閉することになるので、人の流れが滞るし、他のバースでバスを待つ人も「座るほどでないけど、立って雨の当たらない所で待ちたい」時に立てる場所が減る。建築法令上の制約によるのかもしれないが、もう少しひさしを延長してくれても良かったと感じた。
今や名前やロゴマークは知っている人が多いであろう「グッドデザイン賞」。ルーツは1957年までさかのぼる。
良いデザインの製品に贈られていそうなのは、何となく分かるけれど、選考過程などは知らない人が多いはず。
調べてみると、まず、現在は、公募制。すなわち自薦。
審査料1万円、2次審査でさらに6万円、受賞すれば展示会の出展料12万円、年鑑掲載料3万円がかかるそうだ。
2014年は、3601件が応募されて審査対象となり、1258件が受賞(=応募の約35%。これらが「G」マークを付けられるのだろう)した。
その1258件の中から「明日を切り拓く力をもつ、未来を示唆するデザインとして、審査委員会により特に高い評価を得た100件」を「グッドデザイン・ベスト100」として選ばれ、最終的にそこから大賞とかなんとか賞とか「特別賞」が選ばれる。という流れらしい。
選考対象となるものは、モノである製品に限らず、建物、ソフトウェア、活動など広範囲。
かつては全部国でやっていたが、現在は民間組織(国とそんなに違わなそうですが)が実施。大賞を政府が授与する形になっている。
最近は、ISOとかモンドセレクションとか、さらには世界遺産とかもそんな気がしているのだが、ある程度の条件や基準を満たせば受賞(認定)されてしまう「自己推薦の認証制度」みたいな側面が強い「賞」の類が多い気がする。これもそんな気がしなくもない…
現在は2014年のベスト100が選ばれた段階で、特別賞は11月4日に決まる。
そのベスト100の1つに選ばれたのが、秋田市の「バス待合所 [秋田駅西口バスターミナル]」。
昨年、秋田杉の木造で建て替えられた、バス乗り場である。(この記事やこの記事参照)
事業主体の中央交通、プロデューサーを務めた教員が所属する秋田公立美術大学、デザイン事務所など、計8者が「受賞企業」となっている。(これらが1万円+6万円+…を折半するのかな?)
(再掲)夜の新バスターミナル
受賞の理由は、簡単にすれば「難しかった木造に挑んで、デザイン的に美しいものができた」ということのようだ。
いろんな意見はあるけれど、個人的には、まあ、その点は否定しない。
以前、建築界の何とか賞も受賞したのに続く、喜ばしいことではある。
しかし、「『バス乗り場だけ』の『外見の美しさ』のデザイン」は素晴らしいけれど、以前から少々述べているように、「バス乗り場以外の街全体としてのデザインの統一感」とか「バス乗り場の『機能』としてのデザイン」については、必ずしもグッドデザインではないと、僕は思う。(これらは今回の応募・審査では対象外なのだろう)
以下、グッドデザインに水を差すようで申し訳ないですが、バス乗り場の機能について、次のような点が気になっている。
・全体的に狭く、余裕が少なく、どことなく窮屈な印象を受ける
→市営バスと中央交通が競合していた頃に設計された旧バスターミナルの配置を、そのまま踏襲して改築されてしまったことが原因。
中央交通に統一され、減便で本数が少なくなったのだから、乗り場の数を減らしたり配置を見直したりすれば、ゆとりのある乗り場になっていたはず。(工事直前に行われた意見募集には提案した)
・各バース(列)内の歩行スペースが狭く、すれ違ったり、バスを待っている人を交わしたりしずらい
→柱が乗客スペース中央に林立しているため。木造だから仕方ないのかもしれないが、配慮できなかったのか。【4日追記】通路部分そのものの幅としては、改築前と変わっていない。通路の幅の中で、壁の位置が移動したのと、従来は壁と一体化していた柱が独立したため、相対的に狭く感じるようになったということ。
・待合スペースに雨・雪が吹き込むことがある
→「風雨対策としてベンチ設置部は背面、前面ともガラスで塞ぎ」などとしているが、不完全。
ガラスで前後を囲まれているのは、各バース1か所だけ。
それ以外の各乗り場ごとのベンチが置かれた場所では、背面にだけガラスがあり、しかもその屋根際上部はガラスがない。つまり、前や背中の高い位置から雨風が吹き込むことがある。
赤矢印の部分は前にもガラスがあるが、他のベンチは後ろだけ
裏側から
前にもガラスがある赤矢印部分は屋根際までガラスがあるが、ベンチが置かれただけのオレンジ矢印部分は、ガラスは下の大きいのだけで上部の横長部分は素通し。わずかなすき間ではあるが、西向きであるため特に冬は風雪がここを抜けるのだ。
ガラスで囲まれていない場所では、風雨雪の強さによって状況は変わるのだろうが、ベンチが濡れていることがある。
バスターミナル完成が報じられた、昨年10月15日夕方放送のNHK秋田の「ニュースこまち」では、新バスターミナルに関する好意的なインタビューなども含むVTRが終わり、当たり障りなく終わるかと思いきや、男性アナウンサーがこんなコメントをした。
「待合いスペースには背後にしかガラスがなく、吹雪を防げるか心配する声も出ている。デザイン以外にも、秋田らしさを出せなかったのか」
NHKのしかも秋田ローカルで、VTRでは触れていないことについての否定的なコメントをキャスターがしたのには驚いたが、その通りだ。
※「背後にしかガラスがなく」というのは、各乗り場ごとのベンチのことを指しているのだろう。
ほかにも昨年11月22日の秋田魁新報の投稿欄では、
「雨が吹き込んでベンチが濡れて座れなかったので、バス案内所へ言ったら「自分たちには関係ない」と対応された。「誰が建て、管理しているのだろう」「外観も重要だが、何より大切なのは利用しやすいこと」」
といった苦情が掲載された。たしか年配の女性の投稿だった。(バス会社からの返答はなし)
※案内所はたしか秋田県バス協会がやっているはずで、中央交通とは直接の関係はないのかもしれない。
ちなみに、昨年10月18日の投稿欄には「バスターミナル内にトイレを設置してほしい」という77歳の男性からの意見があった。(同様に返答なし)
でも、あそこにトイレは物理的に難しいし、少々大変かもしれませんが、駅ビルのトイレをお使いください。
でも、あそこにトイレは物理的に難しいし、少々大変かもしれませんが、駅ビルのトイレをお使いください。
風除けガラスを増設することはできないのだろうか。
さらに、直接的な設計よりも、バス会社側の運用方法の問題かもしれないが、こんなことも。
旧バスターミナル、さらには秋田市営バス時代から見受けられたので、中央交通だけを責められないのだが、「客の降ろし方」。
列車がプラットホーム、船が岸壁、航空機がボーディングブリッジに横付けして乗降させるように、左側通行の日本のバスは、車道左側の歩道際に寄せてドアを開ける。
ところが、秋田駅西口ターミナル内では、こんな光景が見られる。
右側を隣のバースに寄せて降ろしている
※この車両は秋田市営バスから譲渡された、1991年度導入の日野レインボーの元「261」号車。今年7月下旬を最後に見なくなったので、ついに廃車されたか。
乗り場に横付けせずにドアを開け、バスが通る“車道”部分に客を降ろすことがあるのだ。
これって、船舶に例えるならば、沖合に船を停泊させて、「あとは各自、岸まで泳いでいってね」と言っているのと同じことではないだろうか。
【5日追記】※ターミナル内は公道ではないので「車道」は正確な表現ではなく、法令上の違反はないと思われる。ただ、下記のように万一の安全や客の立場になれば…ということです。
降車終了後、回送もしくは車庫行きの路線に入る場合によく見られる。(秋田営業所の運転士さんたちはあまりやらない傾向がある。そうじゃないのは…)
ラッシュ時などバスがターミナルにたくさん入っている時は、横付けする場所がなくて仕方なくそうしてしまうのは、分からなくもないが、上の写真のように、バースががら空きなのに、そうしてしまうこともある。
右前のバスから高齢者や荷物を持った人が車道上に降ろされている。左後ろのバスは発車できない
この状況では、左後方から他のバスが追い抜いて、降りた人と衝突する危険がある(基本的に、後続車は追い抜かずに待つが、万一ということがある)。
また、降りた客が通路に上がる段差や車道部分の凍結で転倒するかもしれないし、雨の日は屋根のない水たまりがあるかもしれない所に降ろされるわけだから不親切極まりない。
特に新ターミナルでは、バースの途中での横断は禁止された(徹底されていないが)。つまり、バス会社いわく「(横断歩道以外の)車道部分は歩くな」ということ。
それなのに、バス会社側が、客を車道部分に降ろしてそこを歩かざるを得なくしているとは、矛盾している。
コインバス事業で高齢者の客が増える中、さらに「エイジフレンドリーシティー」とやらを謳う秋田市内を独占する公共交通事業者が、こんなことでは。
いくらノンステップバスを導入しても、いくら役員がバリアフリー協議会の委員になっても、こんなことでは。
意見を伝えさせてもらったので、現在は、かなり改善されているようだ。
【5日追記】僕は最近まで、車道部分で降ろすことに何の違和感も覚えなかった。しかし、車道部分での横断が禁じられたことを意識し、さらに降ろされたお年寄りが大変そうに車道部分を歩いているのを見て、はっとさせられた次第。バス会社側も同じような認識だったのかもしれない。
前から言っているように、別に「降車専用」バス停を設ければ、いくらかはスムージになりそうな気もするけど…(空いているリムジンバス乗り場に入って降ろしていることがあり、実質的には降車専用か)
※ラッシュ時に降りる客が少ない場合など状況次第では、バースに寄ずに降ろすのもやむを得ないと思うし、そうする場合、運転士が一声「ご迷惑をお掛けしますが、気をつけて降りてください」と案内してくれれば、(極端な悪天候や足腰が悪くなければ)客だって協力するだろう。
また、こういうケースに遭遇した場合、左から他車が来ないことを確認して降りましょう。転倒にも注意。
もう1点。
案内所と1番乗り場だけがあるバースは、改築後は空港リムジンバス専用乗り場となった。
帰省シーズンや学会などがある時の羽田便に接続するリムジンバスの時間には、
バースの端から端まで列ができることも
さらに列が伸びて、案内所前で折り返して「つ」の字になることもある。
中央交通さんは儲かって何よりだけど、待っている間に雨や日差しを浴びてしまうお客さんはつらいだろう。
よく見ると、
(この記事冒頭の写真の拡大)屋根のない左手前はぎゅうぎゅう、右奥の乗車位置付近はスカスカ
もっと詰めて並べば、ほとんどの人が屋根の下に入れそう。
こういう案内・誘導も、もっと上手にできないものでしょうか。
秋田駅前だけを立派にするのでなく、駅以外の各乗り場にも、上屋とかベンチを設置して、多くの人が快適にバスを待てる環境を整備してくれてもいいと思う。
グッドデザイン賞受賞はおめでたいけれど、乗客のことを思うのなら、もう少し配慮してほしい所が多々あるのです。
【4日追記】風は弱いものの、時折雨が強く降った3日、西口バス乗り場を利用した。
風がないため雨は縦方向に降るので、ベンチが極端に濡れたものは見受けられず、座っている人もいた。
気になったのは、屋根の「ひさし(庇)」。上の写真で行列ができている案内所前とか、他のバースの横断歩道寄りなどは、(人が立てるだけの空間があるのに)横方向外側向きのひさしがほとんどないため、雨降りの時は少々困る。
案内所に出入りする人はドアの所で立ち止まって傘を開閉することになるので、人の流れが滞るし、他のバースでバスを待つ人も「座るほどでないけど、立って雨の当たらない所で待ちたい」時に立てる場所が減る。建築法令上の制約によるのかもしれないが、もう少しひさしを延長してくれても良かったと感じた。
秋田駅バスターミナルの見た目がいくら良くても、利用しにくい乗り場、分かりづらい案内ではいい評価は得られませんよね。
正直、東北地方の県庁所在地を比較したとき、秋田市の公共交通機関としての路線バスはかなり遅れをとってしまっているように感じます。
(ハード、ソフト面の両方において)
中央交通側が現状で手一杯なのであれば、かつての交通局で培ったノウハウを含めて、もう少し秋田市がバックアップするとかできないのでしょうかね。
(市民はバス会社を選べないのですから・・・)
「ユニバーサルデザイン」など、広い意味ではデザインに含まれるのでしょうが、狭い意味でのデザインにこだわりすぎてしまったのでしょうか。
東北では仙台市と青森市以外の県庁所在地は、それぞれ民間1社が(ほぼ)独占状態。それに各自治体がどう関わっているかということになります。
以前の秋田市の公共交通政策ビジョンでは、市営バスのノウハウを活かして…という項目があったはずなのですが…
秋田市が関わることは、コインバスやぐるるでおしまい、では物足りません。バス会社の意欲も問題なのでしょうが、もっと関わってやってほしいです。
>住民さん
上部はそんなに大きくないガラスですから、そんなに無理な話でもないようにも見えますよね…
ベンチの区切りは、独占されたり、寝たりされないように、ということなんでしょう。
降車専用は後期工事区間で終わってしまいました。
回送になる時以外は、降車させた後、ぐるりと一周して入り直さないと次の路線に就けないので、その手間が敬遠されたのでしょうか。
弘前駅前の乗り場もほぼ同じ構造ですが、全車、専用ホームで降ろして、再度入り直しています。弘南バスではできているのですが。(乗り場の広さや本数といった条件は違いますが)
いつ変わったのか定かではないのですが、簡略化されたものではなく、地形図をベースにしたものに書き込んだようなスタイルになっていました!
今までは簡略化されすぎて位置関係がわかりづらい状態だったのですが、実際の地形図(?)に基づいているため、行きたいと思った施設の最寄りのバス停が分かりやすくなりましたよ~!
その代わりなのかどうかは不明ですが、印刷はできなくなってしまったようです。
おっしゃるとおり、位置関係と距離感をつかむためには、路線図は模式的なものではダメで、地図ベースであるべきだと思います。
変更と同時に、路線図が1枚100円だったかに有料化されており、印刷できないのはその対策でしょう。
個人的には、100円程度なら有料にしてもいいと思いますが、一方で「路線図」を有料にしたのはどうかなとも思います。
弘前市や富士市では、ほぼ同じタイプの路線図を市が制作して、無料配布しています。中央交通さんが張り切って自分で路線図を作ったはいいけれど、有料というのは…
お金を取るなら、時刻表のほうがいいような気がします。
今は分かりませんが、以前は羽後交通や仙台地区のJRなどで、ポケットサイズの時刻表を有料で売っていたそうです。