広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

豊川稲荷

2009-06-01 20:36:01 | 旅行記
浜名湖を過ぎると愛知県。
愛知県は尾張・西三河・東三河の3地域に分かれ、方言も違うそうだ。東三河の中心都市で愛知県第二の都市が豊橋。人口37万の中核市。駅舎は街の規模にしては小さい(秋田駅よりも)が、人が多く、駅前はにぎやか。JRのほか、私鉄の名古屋・岐阜へ向かう名古屋鉄道(名鉄)、豊橋鉄道の郊外電車と路面電車が乗り入れている。

この日と翌日は、愛知県内を巡る予定。愛知県内での移動はJRより名鉄の方が路線網がきめ細かくて便利だから、窓口で名鉄全線が2日間乗り放題の「名鉄電車2DAYフリーきっぷ」(3800円)を購入。(名鉄については別記事にします)

まずは豊橋市の北隣、豊川市にある「豊川稲荷」というお稲荷さんへ行ってみた。この辺は豊田市もあるし「豊」で始まる地名が多い。(豊川は同名の河川、豊橋は豊川に架かる「豊橋」という橋はが由来らしい、豊田はもちろんトヨタ自動車)
豊川への交通手段はJRと名鉄がある。豊橋からなら、長野県へ続くJR飯田線の豊川駅を利用する方が、乗り換えなしで時間もかからず安い。(毎時3~4本、所要15分弱)
名鉄は豊橋からの直通列車がなく(名古屋方面からはある)、乗り換え待ちも必要で、運賃も高い。でも、今回はフリーきっぷを有効活用すべく名鉄を利用した。

豊橋から名古屋本線名古屋方面行きの列車に乗る。豊橋駅は自動改札機もホームもさらに一部線路までが、JRと名鉄の共用なのが珍しくておもしろいが、初めてだと戸惑う。すぐの「国府(こう)」駅で豊川線に乗り換え(「快速特急」は通過するので注意)。
豊川線は行き止まりの支線で、終点まで乗る。本線と違いガラガラで車窓もローカル線っぽくなる。途中3駅はすべて無人駅で、その中の「諏訪町」駅が豊川市役所など市の中心部らしく、終点の「豊川稲荷」駅は門前町の性格が強い。
赤い電車は名鉄の象徴

終着駅だけにホームからまっすぐ改札を通って外に出られた
バリアフリーの観点でも理想的な構造だけど、こんな吹きさらしの駅は北国では考えられない。駅員も券売機や改札機も凍っちゃうので。
写真左に少し見えているガラス張りの建物がJR豊川駅。名鉄と駅名は違うが隣り合っていて容易に乗り換えできる。こちらは自由通路を兼ねた橋上駅舎。中は見なかったが、外見は清水駅などに似た、いかにもJR東海が設計しましたという駅だった。
 
名鉄の駅にツバメが住み着いていた。
駅前広場にキツネのオブジェ
看板の女の子? は「狐娘(ここ)ちゃん」という周辺商店街のマスコットキャラクター。
駅から稲荷までは数百メートル。駅正面の広い道路も商店街になっているが、駅を出て右(北)側が昔からの表参道のようなので、そちらを進む。
お店の前には、中型犬くらいのサイズのキツネがいる。

観光案内所前にはその特大版が。左は中に入れるみたい。
稲荷寿司やお土産を売る店が並ぶが、時間が早いので静か。あっけなく稲荷の前に到着。
振り返って

1本隔てた広い通りはこんな感じ
歩道にアーケードがついていて土産物屋や郵便局がある。

これが豊川稲荷の総門
立派なお寺らしい造り。お寺? お稲荷さんは神社じゃないの?…
…そう。僕は今回計画を立てるまで知らなかったが、豊川稲荷は神社ではなく、お寺なのです!!
「円福山豊川閣妙厳寺」という曹洞宗のお寺の中に、お稲荷さんがまつられている神仏習合(神仏混交)のお寺らしい。
ちなみにお稲荷さんは商売繁盛のご利益があるせいか、芸能人さんなどが「豊川稲荷に行った、見かけた」という話を見聞きするが、これは赤坂にある「豊川稲荷東京別院」を指していることが多いようだ。なお、「日本三大稲荷」といえばここと京都の伏見稲荷は確実だそう(あとの1つはいろんな解釈がある)。

総門をくぐると、鐘楼堂や山門、法堂などお寺らしい立派な建築物がある。
法堂(お寺の本堂)。左端に鳥居が見えている
左に移動すると神社。
右は鐘楼堂


立願所という寺務所みたいな建物の前には旧型ポスト。
 
しかも説明書きはないが、清水の興津と同じ、ラーメンどんぶりみたいな模様の最古のポスト。
ネットで見た画像ではもっと汚れていたので、塗り替えたようだ。大事にしてくれるのはとてもいいが、白い郵便マークが垂れていたり、やや塗装が雑か。

大きな提灯の下がる稲荷の「本殿」
お寺の法堂より立派かも。

お寺の境内とはいえ、鳥居をくぐったのだし、前の人もそうしていたから、2礼2拍手1礼の神社の作法でお参りしたけど、どうも正式な参拝方法としては、「オン シラ バッタ ニリ ウン ソワカ」と21回! 唱えるらしい。初詣なんかでみんなこんなことやってたら大変そう。
法堂の裏は奥の院など、杉木立の中にお堂が点在する空間
お稲荷さん的な奉納されたのぼり(千本幟)とお寺の三重の塔の不思議な組み合わせ。
奥に進むと涼しい風が吹き抜ける
お寺的なものはなくなりお稲荷さん色が強くなり、のぼりのほかには奉納されたキツネがたくさんいる。
 


おっかないのからかわいいのまで、姿や表情が個性的で、寺院・神社にいるのを忘れて、動物好きとして見入ってしまう。
そしていちばん奥の「霊狐塚」が壮観。
一面のキツネ
木々に囲まれているが、薄暗いというより光が緩和されて柔らかい。一部は直接日が差してスポットライトを浴びたよう。
 


気持ちが落ち着く不思議な空間だった。夏は涼しそう。

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6 コメント

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Unknown (mugi-shochu)
2009-06-01 22:35:52
お稲荷さんなのに寺とはややこしい。
でも内部を見た感じは神社の雰囲気の方が強いのかな?
狐の大群は、気味が悪いくらい異様な感じがします。
因みに、東京赤坂の豊川稲荷にはつい先月も出張の際に立ち寄ってきましたが、やはり「本家」の方が圧倒的に立派ですね。
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おおらかさ (taic02)
2009-06-01 23:26:26
日本人の寛容なおおらかさでしょうか。駅と線路を大手2社で共用するような地域性もあるかもしれません。
入口周辺はお寺ですが、たしかに全体的には神社っぽいエリアが多いですね。でもお坊さんの格好の人は見かけましたが、神社側の職員は見ませんでした。神職もいるんでしょうか? よく分かりません。
狐さんは皆、赤い前かけでこっちを見ているようで、やや異様ではありますが、それよりも林の中の静かで落ち着いた空気とやわらかい日差しが、不思議と心地よかったです。
赤坂の別院も1887年にできたそうで、歴史はありますが、やはり本家の格ですね。
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ちょっと怖いぞ・・・ (あどれ)
2009-06-02 23:10:48
こんなにキツネが赤いべろかけをして並んでると、何だか妖怪が出てきそうな雰囲気だね。。。あたしは怖いなぁ。
それにしても色々な表情してるんだね!それぞれ愛嬌があって面白いよ。サルみたいな顔のも居るのね。。。人相悪い。

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それほど (taic02)
2009-06-02 23:48:38
鈍感なのか明るい日だったからか、ほとんど怖くなかったです。暗い時は怖いでしょうね。
狛犬さんみたいなの、犬似、スネ夫似、いろいろでしょ。その年代の流行があるみたいです。奉納した方の願いがこもっているんでしょうけど、おもしろいな~と見入ってしまいました。
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Unknown (ひかる)
2009-10-29 19:59:05
通りすがりの者です^^
私は豊川市のお稲荷さんの近くに住んでます。
写真にキツネがいっぱいある場所ありますよね?キツネ塚というんですが・・・
心霊スポットなんですよ~
知らなければ怖くないですけど・・・
知ってしまってからいけなくなってしまった・・・
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霊狐塚ですね (taic02)
2009-10-29 22:00:32
ひかるさんコメントありがとうございます。いい所にお住まいですね。

林の中に入っただけで、怖いとかとは違う独特の雰囲気がある場所ではありますね。
そんな中にキツネがたくさんあって、長年に渡る人々の思い・願いが込められた場所なわけで、言葉や科学では表現できない何かはあるかもしれません。
でも、廃墟などのような普通の人が近寄るべきでない場所の心霊スポットとは違うでしょうから、気持ち次第かなという気もします。
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