広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

古い信号機

2011-08-16 23:51:36 | 秋田のいろいろ
8月20日は「交通信号機の日」ということで、信号機ネタを。※昨年の記事
昨年は38年前の信号機を紹介したが、秋田市内にはほかも古めの信号機が若干残っている。
その多くは、交差店内の歩行者用信号機の一部だけが交換されずに生き残っているような状況なのだが、1か所だけ、交差点内の車両用信号機のすべてが古いまま残っている箇所があった。(←過去形です)

それが、新国道(という名の秋田県道56号線)の
「八橋大畑(やばせおおはた)」交差点
新国道と狭い市道が交わる交差点。
左が市道側信号機、右が新国道側
今の秋田では数を減らしている横型信号機であることはお分かりいただけると思う。
拡大してみると、
市道側
市道側は各方向に1台ずつ、計2台がこのタイプ。

新国道側
背中合わせの両面設置×2箇所、計4台。
2本のアームのうち、下のアームの角度が現在のものよりも大きく開いていて、全体として大きな二等辺三角形に見える。
当時は、道路上に大きくせり出すような長いアームの場合、このくらい広げないと技術的に支えられなかったのだろうか。

新国道側と市道側で信号機の雰囲気が少し違うが、それはレンズ(点灯する部分)のサイズが違うため。
新国道側が直径30センチ、市道側が直径25センチのようだ。(ボディサイズは同じで、レンズだけ大きさが異なる)
※秋田県警では、狭い道には25センチのタイプを設置することがあった。現在のLED式はすべて30センチ。
歩行者用信号機も、ほとんどが車両用と同時期製と思われる古いものだった。

銘板が見られないので、製造時期やメーカーは推測するしかない。(今にして思えば、歩行者用の方だったら確認できたかもしれないが、見ていなかった!)
メーカーはどちらも「日本信号」製のものだと思われる(当時の信号機は、メーカーによってデザインにかなり差があり、区別しやすい)
製造年については、昨年紹介した1972年製の歩行者用信号機(これも日本信号製)は、フード(庇)の内側が白かった。しかし、これは現在の信号機と同じく黒い。
したがって、1972年よりは後の製造ではないかと考えられる。


上の写真で分かるとおり、これらの信号機のボディはかなり錆びている。
秋田県警では、昭和50年代中頃まではこのような鉄製の信号機が採用されていたと思われる。(現在の信号機はアルミ製なので、錆びることはない。塗装がはがれることはあるみたいだけど)
鉄製信号機が主流だった僕が子どもの頃は、秋の気候のいい時期などに、赤いさび止め剤を塗ってから再塗装するメンテナンスが行われていたものだが、最近は手入れせずに使い倒して交換する方針らしく、このように長きに渡って痛々しい姿をさらしていた。
ほぼ同型(25センチの方)のものが、数年前まで大町地区の狭い道(ニューシティ裏など)に設置されていたが、腐食が進んで穴が開いたようなものもあり、不安を感じるものもあった。これもそれに近い状態。


新国道でも、八橋大畑交差点だけがこのような古い信号機で、両隣をはじめ他の交差点はこれよりは新しい信号機が設置されている。
秋田県警では、信号機を更新する箇所の選定をテキトーに決めてるんじゃないかと僕には見えてしまうほど、バラバラに更新される傾向があるので、単に運よく生き残っていたのだろう。

しかし、新国道では歩道の改良工事が行われており、八橋大畑交差点も工事にかかっていた。この工事がされた他の交差点では、信号機が更新されており、八橋大畑へもついにその手が忍び寄ってきた。
(ほとんど通らない箇所なので、いつ更新されたか分からないのですが…)
7月に通ったら、
更新されていた
車両用・歩行者用ともLED式に更新されていた。車両用はもちろん縦型で、見やすい「面拡散型」のLED。歩行者用は薄型。フードはいずれも長い従来タイプ。
信号が設置される柱(信号柱)も交換されたが、「八橋大畑」の表示は引き続き使用。
※以前から比較的新しい電球式の歩行者用信号機も一部設置されていたが、それは残った。
※これと同じ頃に製造された、京三製作所の信号機について


もう1つも古い信号機について。
仲小路
以前紹介した仲小路の明徳館ビル前の信号機。
1984年製(これも日本信号製)で、当時としては珍しい、デザイン化・カラー塗装された信号機だった。
ここ数年でほとんどが更新されたが、明徳館ビル前の交差点のうち、柱1本の歩行者用信号機2台だけが、まだ使われている。
車両用は再開発工事開始後に撤去されてしまった

秋田県の入札公告によれば、この交差点の信号機を更新する工事が発注されるようだ。
したがって、この信号機も間もなく撤去されてしまうことだろう。(再開発が終わってからやればよさそうなものだが)
おつかれさまでした

ところで、この信号機や八橋大畑にあったような信号機に関して、子どもの頃にとても気になっていたことがあった。
 (再掲)仲小路にあった車両用
上の写真の青灯のフード内側に、白っぽい細長いものが付いている。
信号が点灯すると、その光を反射して、光っているように見えることがある。
子どもの頃は、これがフードに穴が開いていたり、あるいは絆創膏を貼っているように見えたりして、ナニモノなのか、見るたびに不思議に思っていた。
ニューシティ裏など、日本信号製の車両用信号機にはよくあったようだが、最近の信号機では見かけない。
ここでは歩行者用にもあった
低い位置にあるので、何か文字が書かれているのが分かった。

日に焼けて薄れてはいるが、望遠レンズで撮影すると正体が分かった。
回転して画質補正しています
「注意 レンズ表面の清掃は中性洗剤を含ませた柔らかな布で拭き,その洗剤が残らないように水洗いを行なうこと。」

なんと、正体は「お手入れ方法」だった!

家庭用の家電製品などなら、お手入れの手順が表示されていてもおかしくないが、まさか信号機にこんなことを表示するとは! 長年の疑問が解決したのはよかったが、意外だった。
ボディのお手入れはどうすればいいのかは書いてないが、点灯面が見やすいように維持管理し、事故にならないようにしてほしいという、メーカーの願いが現れていたのかもしれない。

※撤去・更新後の様子はこちら

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ダイエーの面影残る十鉄駅ビル | トップ | 十和田観光電鉄線 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
古い信号機 (とびいり)
2011-08-20 22:12:15
青森県は全域にわたって信号の更新が進んでおり、古い信号機は皆無に等しいかと思います。
積雪・寒冷・塩害などで傷みやすいのか、それとも縦型に更新しようと管理者が躍起になっているのか理由は定かではないですが、ホント今時のものばかりでつまらないです。
3年位前に辻兵の近くの交差点で古い信号機を見つけた時には感動ものでした。横手にも随分と古いものが残っていたと記憶していましたが、現在はどのような状況なのでしょう。
返信する
秋田も (taic02)
2011-08-20 22:45:41
秋田も同じですが、そういえば青森でとても古いのは見たことがないですね。秋田の方がやや残っている(いた)ということでしょうか。
関東以西の太平洋側などでは、まだ角型の信号機も残っているのとは対照的です。
横手は土地勘がないので分かりませんが、辻兵そばのは裏通りの道でしょうか。現在は更新されています。
うち一部は竿燈大通りなどのLED化で捻出された縦型電球式が転用されています。そのため灯器の塗装の色がグレー・茶・緑とまちまちです。
返信する
角型信号機 (Unknown)
2014-02-16 21:36:41
古い信号機と言えば角型信号ですが、その画像をまとめを見つけました。
http://matome.naver.jp/odai/2139121277451456401
返信する
秋田では全滅 (taic02)
2014-02-17 18:40:21
潮風による腐食や積雪対策で縦型への更新が早かった秋田では角型はかなり前に姿を消していますが、特に東京は遅くまで角型が新設されていたこともあって、わりと残っているようですね。
角型は、メーカーによってレンズの色やアーム形状の差異が大きく、リンク先サイトでもその点も言及してまとめてくれると、より楽しめるのですが。
返信する

コメントを投稿