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北海道の特急2013夏

2014-06-08 23:30:25 | 旅行記
今さらながら、昨年夏の北海道旅行記として特急列車の話。※前回の記事
記憶が薄れて不正確な点があるかもしれません。

昨今のJR北海道は、車両火災などの不具合と、それに伴う車両の使用停止や減便、さらには社員による不適切な保守や(車両不具合とは関係ないが)規律違反行為が問題になっている。
訪れた時は、車両不具合はあらかた“出揃って”おり、ダイヤ変更や車両減の影響を受けた。
旅行後の昨年11月には最高運転速度を引き下げる異例のダイヤ改正が行われた。さらにその後、大規模な運休を引き起こしたキハ183系(の一部)については、出火の原因究明と対策が終わり、8月から運行を再開することが先日発表された。

北海道の広大な面積とまばらな人口、厳しい気候、国や国民の道路偏重志向など、JR北海道に同情できる点もある。
しかし、この一連の事態はひどすぎる。
今年5月になっても「車掌が走行中に漫画を読んでいた」ことが明らかになった。以前にも同様の事象が発生していて、この期に及んでまだこんなことが起きるとは、不信感が募るばかりだ。2年後には新幹線を運行することになるけれど、大丈夫なんだろうか。



今回紹介するのは、札幌→帯広→札幌→函館と、いずれも車両不具合による間引き運行が行われた区間。
トップシーズンではないが旅行客が多い時期の減便で、混雑は覚悟していた。使ったのは自由席乗り放題のきっぷだったけれど、不安な列車は指定席を取ったら、窓際の席は確保できた。

まず帯広往復。
札幌-帯広の「スーパーとかち」、さらに東の釧路まで行く「スーパーおおぞら」がある。
スーパーおおぞらとスーパーとかち(一部)にはキハ283系、スーパーとかちにはキハ261系という、比較的新しい、高速運転できる気動車(ディーゼルカー)が使われている。
以前、キハ283系に乗って、その高速走行と快適さに感動したものだった。

ところが、2011年5月にキハ283系が走行中に脱線、トンネル内で停車して火災を起こし、列車1本が全焼する事故を起こした。
まだ新しい(15年経っていたけど)列車が黒焦げになった姿をテレビで見て、21世紀になってもなお、日本でこんな鉄道事故が起こることに衝撃を受けた。

その後、原因が解明されて運行を再開したところに、昨年の一連の問題。
キハ283系でも大事には至らなかったものの、出火だか何だかの不具合が発生。それによって車両不足が生じ、この時はスーパーおおぞらの一部が運休していた。

行きはキハ261系のスーパーとかち指定席。
札幌-帯広は220.2キロ。新千歳空港方面が分岐する南千歳-帯広は176.2キロなので、50キロ刻みの特急料金が1段階安くなる。
札幌-南千歳は空港行きの快速などが多く走っているので、それに乗って先回りして南千歳から指定席に乗車。
案の定、満席で隣にも人がいた。しかも天気が悪い夕暮れで、少々息苦しい中、約2時間乗車。
キハ261系。正面のマークは「Super Tokachi」の「ST」
帰りもキハ261系スーパーとかち。
帯広始発だから、早めにホームに出て自由席に乗ることにした。
秋田新幹線は全席指定だし、他の秋田の特急は発車ギリギリでも自由席に座れる状態だから、早く行って自由席の席取りをするのは久しぶり。
これは指定席ですが
4両編成中、自由席はたった1両。
僕が行った時はガラガラだったが、発車時にはほぼ満席になっていた。

キハ283系をスペックダウンしたキハ261系ではあるが、俊足ぶりは遜色ない。
石勝線に入ってトマム、新夕張などに停まるが、ここは普通列車が走らない区間なので、特例として乗車券だけで特急の自由席に乗車できる。青春18きっぷや東日本&北海道パスの利用者だろうか、この区間内で10人くらいが乗って降りて行ったが、多くの皆さんは通路に立っていた。

高規格の石勝線を130km/hで進む。
 


山深い所もあるが、広大な牧草地や畑が見えて、いかにも北海道らしいさわやかで雄大な光景。

キハ283系によるスーパーとかち。キハ261より細身で正面がLED


札幌から函館へ。
この区間は「スーパー北斗」または「北斗」だけど、キハ183系が使用停止・運休中なので、やはり混雑しそう。

途中の東室蘭までは「すずらん」という特急が運行されている。
札幌-苫小牧-登別-東室蘭と、乗客が多い区間で北斗を補完する位置づけの特急。これは5両中4両が自由席だから座れるはず。
スーパー北斗の約1時間前を先行するすずらんに乗った。
785系電車による「すずらん」
電化区間だけを走るため、北海道では珍しい電車特急。785系と789系が共通で使われていて、この時は785系。
785系は1990年の登場当時は画期的な車両だった。正面下部がふっくらしているので、当時人気が出つつあった「アンパンマン」と呼ばれたそうだ。
LEDは後にフルカラーに交換されている

東室蘭から先は普通列車となって支線に入り、室蘭が終点
今では珍しい「L特急」。(東日本では制度が廃止された)
ただ、1日5往復しかないのに、L特急と呼ぶべきかは疑問。
「本数が多く、ダイヤがパターン化され、自由席が多い特急」がL特急だったはずだけど。

予想通り、車内はガラガラ。
落ち着いた雰囲気
車内のデザインは789系と共通のはず。同じく789系を使っている「スーパー白鳥」の色違いといった感じで、座席の形状は同一。
背もたれが少々低いけれど、快適。
気動車に乗った後だから、電車の車内が特に静かに感じた。

列車の性格上、停車駅は北斗よりも多い。
北斗では、登別停車時に「登別温泉へは駅前からバスをご利用ください」と放送があったはずだが、今回のすずらんではなかった。

東室蘭駅で下車して、時間をつぶす。
東室蘭駅東口。実際には“南南東口”といった位置

赤いのは「わたれーる」という東西自由通路(南南東-北北西自由通路?)

東室蘭から函館までは「スーパー北斗」の指定席。札幌からよりは料金が安くなるメリットもある。
この当時のスーパー北斗は、専用車両のキハ281系気動車と、スーパーおおぞらと共通のキハ283系が使われていた。両者が混ざって連結される列車もあった。
その後、2013年11月からはキハ281系だけが使われるように変わっている。

来た列車は、8両編成の全部がキハ283系のようだった。
キハ283系のデザインは、カメラを縦に構えたくなってしまうらしい
所定7両に1両を増結していたらしく、中間に運転台がボコッと出っ張ったのが1台入っていた。
スーパーおおぞら減便のご時世、スーパー北斗へ回せるキハ283などないと思っていたが、そういうわけでもないのか。

割り当てられた席は1号車の若い番号。
上り列車は先頭側が号車・席番とも小さい数字のはずだから、1号車に入って前方へずんずん進んだら、席番は逆に後方が若い番号で、あわてて引き返す。
列の後ろに続く人がスムーズに乗車できるように気を遣ったつもりが、かえってご迷惑をかけてしまった。
新幹線など固定編成の列車とは異なり、気動車は1両単位でつないだり外したりするし、その先頭車は向きが逆転している場合があるのだった。

これも案の定ほぼ満席。東室蘭まですずらんでゆったり来て正解だった。
夕暮れの大沼公園
キハ283系は相変わらず快調な走り。でも、どうしても火災事故が頭をよぎってしまう。
すると、後方から何かがぶつかるような異音がする。スーパーおおぞらの火災では、落下した部品に後続車両が乗り上げて脱線・出火したとか聞いていたので、何か部品が落ちそうになっているんじゃないかと不安になった。
振り返ると、車内末端(デッキでなく客室側)に荷物置きスペースがあり、そこに置かれた荷物がぶつかってカチャカチャ言っていたのだった。
無事に函館到着。
キハ283系は側面のLEDが贅沢
スーパーおおぞらの場合、列車が駅を出発する時は、側面のLEDにタンチョウヅルが羽ばたいて飛び立つアニメーションが表示されるという、凝ったものだった。
スーパー北斗やスーパーとかちではどうなるのだろう?

正面のマークは「+」「メ」「*」で北斗七星
キハ283系によるスーパー北斗に乗車できて、いい記念になったということにしておきましょう。



ところで、JR北海道の車内販売では、バニラアイスクリームと「月替りアイスクリーム」を売っている。
この時は、「ひまわりの種を使用した『ひまわりアイス』」320円だった。バニラは280円。
食べてみたかったけど、通路側に他の人がいる状態で、購入して食べる勇気がなかった。


最近の新幹線や特急列車では、車内の通路ドアの上に文字情報装置がある。
JR東日本では、新幹線ではニュースも流れるが、在来線の特急では案内や広告だけで、ニュースは流れないものが多い。(ミニ新幹線では流れる)
JR北海道のキハ283系やキハ261系では、ニュースも流れていた。

JR東日本の新幹線(JR東海もほぼ同じだったか)では、「【○○新聞ニュース】東北北部も梅雨入り。気象庁は6日…」といったように、全国紙各紙のニュースが流れる。同じ文面が2度繰り返して表示される。
広告や通過駅名の表示とは重複しないよう、タイミングが調整されているようだ。

一方、JR北海道では、「FM北海道見えるラジオ」による北海道新聞のニュースだけが流れていた。ローカルなニュースがあるのはおもしろいが、少々困った点が2つ。
1つはニュースは繰り返しなしで1度しか表示されないこと。
もう1つは、ニュースの途中でも、駅到着など別の情報が割り込んで入って来てしまうこと。

だから、こんなことがあった。
ふと顔を上げた時「…娘は歌手・宇多田ヒカルさん。」と読めた。
ということは藤圭子さん関係のニュースだと分かったが、亡くなったということを知るのは、だいぶ後に再度表示された時だった。
これは、JR東日本でも、顔を上げた時が2度目の表示だったら同じことだけど。

今度は冒頭からニュースを見ていると、「タレント・みのもんたさんの次男で日本テレビ社員の」と来たから、おやどうした? と思ったとたん、「まもなく 占 冠」。
駅発車後に再びニュースが表示されるとしても、最初のニュースに戻って表示されてしまうので、かなり待たないといけない。
「まもなく○○」ならともかく、スーパーとかちでは「○○まであと10km」なんていうのも割り込んで表示された。距離で言われてもピンと来ない。

「見えるラジオ」サービスは、今年春で終了したという。今はどうしているのだろうか。


次に北海道の特急に乗る時は、心から安心できる快適な旅になっていることを切に願う。
食べ物の話なども残っているので、続きはいずれ

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