広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

五能線ダイヤ改正2018

2018-01-14 23:47:05 | 秋田のいろいろ
2018年3月17日のJRダイヤ改正の続き。
今回は、変更点が多い五能線について。「輸送体系変更」として「ご利用状況にあわせ一部列車の運転の取り止めや統合を図り、ご利用しやすい時間帯に列車を運転します。また、五能線の沿線観光活性化のため、新たに快速列車を運転します。」とある。
※時刻・始発/終着駅が大きく変わるダイヤもあります。間違っているかもしれません。利用の際は公式な情報で充分に確認してください。

まず、上り下り別かつ秋田県側・青森県側ごとに見ていく。
秋田県から青森県方向の下り。
秋田側。東能代→能代の1駅だけの区間列車の減便が今回もあり、東能代9時37分発、15時26分発が廃止。
東能代10時58分発深浦行きと、鯵ケ沢12時50分発弘前行きを、抜けていた深浦→鯵ケ沢をつなげて統合。東能代10時59分→弘前15時24分の全線通し運行となる。

青森側では始発地(深浦、鯵ケ沢、五所川原)の入れ替え、時刻の移動が多い。
朝(いずれも弘前行き)は五所川原始発が深浦始発に、深浦始発が鯵ケ沢始発にそれぞれ変更されるので、差し引き鯵ケ沢→五所川原で朝は1本増。
15時台の鯵ケ沢始発弘前行きが深浦始発になり、17時16分深浦始発弘前行きが廃止されるので、鯵ケ沢→弘前で夜は1本減。
ほかに、現在の最終列車は、深浦19時32分→鯵ケ沢20時27分/21時40分→弘前22時57分と、鯵ケ沢での接続が悪かった(実際は同じ車両を使うので、待ち時間が長いという意味になる)のが統合され、深浦19時32分→弘前22時26分になる。

以上、下りを1日トータルで考えると、東能代→能代-2、能代→深浦±0、深浦→鯵ケ沢+1、鯵ケ沢→五所川原±0(夜から朝に1本移動)、五所川原→弘前-1となるはず。


青森から秋田方向、上り。
秋田側では、能代→東能代の1駅列車は、廃止される下りの折り返しである能代10時30分発、16時03分発が廃止。10時30分発のところに、弘前始発の快速が新規に運行される(後述)。
深浦13時37分→東能代15時24分が廃止。

青森側。弘前→鯵ケ沢・深浦では、弘前11時19分発鯵ケ沢行きに相当するであろう1本が廃止。他の列車も時刻が30分~1時間近く移動する。9時台~最終列車までの間で、現在は深浦行き、鯵ケ沢行きそれぞれ4本ずつなのが、深浦行き4本、鯵ケ沢行き3本に。
一方、弘前6時23分発鯵ケ沢行きを、東能代まで延長の上、快速化(鯵ケ沢までは各駅停車)。弘前6時46分→東能代10時41分。

上り1日トータルでは、弘前→鯵ケ沢-1、鯵ケ沢→深浦+1(快速通過駅では±0)、深浦→能代±0(午後から午前に1本移動。快速通過駅では-1)、能代→東能代-2。



次に新規運行の快速について。
現在の時刻表上は、全線を通しで運行する上り列車はないが、実際には弘前9時39分→深浦12時14分/13時37分→東能代15時24分が、同じ車両による通しで運行されている。改正後は、上記の通り深浦→東能代が廃止されるので、これはなくなる。
通し運行扱いになるかどうかは、深浦など途中駅での停車時間の長短で決まるようなので、おそらく過去の時刻表では弘前発東能代行きも存在したはずだが、少なくとも最近はなくなっていた。

今回の改正では、別の時間帯に、正真正銘の全線通し運行、しかも快速列車が運行される(弘前6時46分→東能代10時41分)。
停車駅は弘前から鯵ケ沢までの各駅と北金ケ沢、千畳敷、深浦、ウェスパ椿山、十二湖、岩館、あきた白神、能代、東能代。鯵ケ沢以降は、リゾートしらかみと同じ停車駅。【17日訂正】リゾートしらかみが通過する北金ケ沢駅にも停車するので訂正します。実は、リゾートしらかみも、北金ケ沢駅でドアは開けないものの、必ず短時間停まる。どうも、運行や信号のシステム上、その必要があるらしい。新しい快速は、どうせ停まるのなら乗降もさせてやろうということなんだろう。それに、黄葉がきれいな大イチョウの最寄り駅だから、通年停車としたのかもしれない。
弘前から東能代まで、各駅停車では4時間半~5時間弱程度、リゾートしらかみでは3時間半。そこを、この快速は3時間55分で走るのだから、快速の名に恥じない立派なもの。

この快速列車の運行目的は「五能線の沿線観光活性化」だそう。
最近、秋田支社に限らず地方の路線では、「快速列車の停車駅を増やしたり、各駅停車化したりする(奥羽本線など)」ことと、「極端に利用が少ない無人駅を通過する各駅停車を快速とする(北上線など)」ことが行われる。
どちらも、実情に即してはいるのかもしれないけれど、あまり前向きではなく、「快速」だとしても名前負けしそうなものだと思っている。

五能線の快速は、利用が少なそうな無人駅を通過するからその意図もあるのかもしれないけれど、列車がなかった時間帯に新たに走ることと、所要時間や停車駅を考えると、本格的な快速で「沿線観光活性化」もウソではなさそう。
改正前のダイヤで、深浦近辺、不老ふ死温泉、ウェスパ椿山などに宿泊した人が、翌朝に東能代方面へ行こうとすると、列車は5時台、7時台の次は、11時のリゾートしらかみ2号まで間が空く。リゾしら運休時は、13時半までない。これでは、宿を朝食後チェックアウトして、東能代方面へ抜けるのは難しい。(弘前方面は9時台がある)
新しい快速は、9時頃に深浦を通ると思われるから、時間的にぴったり。そういう利用を想定しているのだろう。
おそらく、弘前・深浦方面からこの快速で来て十二湖駅で降りて、十二湖を散策して、後続のリゾートしらかみ2号で東能代方面へ向かうというコースも可能になる。
あるいは、弘前や五所川原に泊まって快速に乗れば、朝の五能線の車窓を存分に楽しむこともできそう。早起きになるけれど、五能線の海は午前中のほうが順光できれい(夕焼けはまた別として)。

たしかに観光用として使える快速になりそう。どのくらい利用者がいるかは分からないけれど。
快速に愛称を付けたがらない秋田支社だけど、せっかくだから愛称を付ければ、より分かりやすく親しまれることだろう。でも、「しらかみ」以外に五能線全線を象徴するものって、なかなかなくて難しいかも…
使う車両は当然、各駅停車と同じキハ40系気動車(ボックスシート・トイレあり。エンジン換装済み・冷房付き)で、2020年にはGV-E400系電気式気動車に替わるのだろう。せっかくなら、運行がない日のクルージングトレイン(先代リゾしら青池)編成や、使っていない先代ブナ編成を充てたら、サービスが良すぎるか…
【11月8日追記】2018年時点ではキハ40系の2両編成で運行され、鰺ケ沢駅からはワンマン運転とのこと。

それにしても、リゾートしらかみは臨時列車扱いの快速だから別として、五能線の定期快速列車といえば、深浦-青森を1往復していた快速「深浦」が2014年春に廃止されたのが記憶に新しい。わずか4年で、こんな形で快速が復活するとは。
しかも、「深浦」は五能線内は各駅停車だったから、五能線でちゃんとした快速運転をする定期列車は、これが初めてではないだろうか。



ここで下りの通し列車についても。
下りでは、新たに通しになる東能代10時59分→弘前15時24分のほかに、現在既に運行されている。名目上は東能代7時23分発1本だけ。現在は弘前に12時20分に着くが、改正後は東能代発は変わらず、弘前11時55分着と25分も早くなる。現在は、岩館で17分、鯵ケ沢で32分も停まるので、これらが切り詰められるのだろう。
このほかにも、列車番号は変わり、途中の待ち時間が長くなるが、東能代から弘前まで通しで走るダイヤがある。東能代16時30分→深浦18時22分/19時32分→鯵ケ沢20時27分/21時40分→弘前22時57分。
改正後も、東能代16時35分→深浦18時21分/18時56分→弘前20時15分(上記の通り鯵ケ沢での待ち時間がなくなる)と、存続。

※上りと下りで通し列車の本数が合わなくても、列車ごとの車両数が違うから、車両が余ったり足りなくなったりすることはありません。



最後に、快速「リゾートしらかみ」の変更点。停車駅が増える。
新たに5号が千畳敷駅に停車。これで上下2本ずつが停車、1本ずつが通過となる。
5号の停車は17時00分前後だと考えられるから、季節によっては夕焼けが見られるかもしれない(停車時間もまだ分からない)けれど、冬はもう真っ暗では?

さらに、全列車が、これまで通過していた藤崎駅に停車する。
藤崎は青森側の奥羽本線接続駅川部の1つ隣の駅。無人駅なので指定券は買えない。
秋田支社のリリースでは停車する理由を「りんご「ふじ」の発祥の地である藤崎町と連携し、新たな観光メニュー拡大を図るため」としている。

申し訳ないけれど、藤崎町といえば、農水省の試験場だったふじ発祥の地(跡地は弘大藤崎農場と県立藤崎園芸高校→弘前実業高校藤崎校舎)とジャスコ(イオン藤崎店)以外に思い浮かぶものがない。奥羽本線・北常盤駅側も藤崎町だけど、停車するのは藤崎駅なわけで、別の話になろう。
町の公式ホームページを見ても、観光地としてはいまいちピンとこない。リゾートしらかみ運行開始から20年以上経って初めて停まることになる藤崎を、観光地としてどうかたちづくっていくだろうか。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« JRダイヤ改正2018 | トップ | 秋工校舎その後 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
五能線 (天の川)
2018-01-25 20:27:49
「リゾートしらかみ」の前身ともいえる「ノスタルジックビュートレイン」の時には一般車両も連結して各駅に停車と地域輸送にも配慮していましたね。さすがに秋田延長運転の時の奥羽本線区間は快速運転していましたけれども。
「リゾートしらかみ」、登場した時にはまさかここまで増発されるとは思わなかったです。もちろん誰もが指摘する様に、単体で採算が取れているわけではなくて首都圏の顧客の往復の東北新幹線や秋田新幹線の収入やびゅうの企画収入あっての話となるのでしょうけれども。

生活ダイヤとの両立は難しいのかも知れまs年けれども、こうやって前向きな試みがなされるのは嬉しいと思いました。
返信する
ノスタルジックビュートレイン (taic02)
2018-01-26 00:00:23
「ノスビュー」時代のことはよく知らないのですが、たしか定期普通列車を客車化して、展望車を指定席・一般客車を自由席という形だったでしょうか。
国鉄末期は、五能線そのものが廃止されても不思議ではなかったのでしょうが、今や知名度は上がり、乗ってみたい路線に挙げられ、その変化はすごいものです。
沿線人口は減る一方、観光路線としては飽きられないような魅力の維持も必要でしょうから、JR東日本と地元のみなさんには、引き続きがんばってもらいたいです。
返信する

コメントを投稿