広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

肴町~鉈屋町

2017-12-05 00:03:13 | 旅行記
先月中旬の盛岡旅行記。
でんでんむしで北上川と中津川を渡って、バスセンター前で降りる。中心街ど真ん中だけに人通りが多くにぎやか。それに引き換え秋田市の中心市街地って…
肴町(さかなちょう)というアーケード商店街があったので、入って歩く。長さがけっこうあり、さまざまな業種の店があって、歩く人も多い。「ホットライン肴町」と呼ばれ、長さ365メートルに約80店舗が営業するとのこと。
通路中央に商品を出して売るお店も
路面や屋根は今風のデザイン(秋田駅西口の大屋根と似ている)だけど、雰囲気としてはどこか昭和っぽく懐かしいような。かつて秋田市大町にあった「名店街」をふと思い出してしまった。

バスセンター側の反対・南側の末端には、
「ホームセンター」という屋号のホームセンター(?)
ここ1店舗しかないお店のようだ。秋田市の「金物の通町山下」みたいな店かな。
アーケード内は、昼間は歩行者専用で自転車も(乗ったままでは)通れないことになっているが、21時から10時までは、北から南の一方通行で車両が通れるようだ。

空き店舗はほとんど目につかなかった。
ここは?
1区画だけ、半透明の壁で覆われたところがあった。その壁の向こうは空き地になっており、かつて店があってなくなったのを隠しているのだろう。
秋田駅前の大屋根とぽぽろーどをつなぐエスカレーター脇には、冬期間だけいかにも仮設の風よけが設置されているけれど、こういうのを常設すればいいのではないでしょうか。
南側の出入口。撮らなかったけど北側はもっと立派でした


帰りは、この隣のアーケードでない裏道的な道を歩いた。

コインパーキングの真ん中に、大きな木が生えている。囲われて看板も立っているので、大切にされているのは分かったけれど、中へ入るのも面倒で、道路から写真を撮っただけ。
すっかり落葉してシダレザクラかと思ったが、シダレカツラとのこと。
盛岡市内のお寺にあるものと、それをここともう1か所に株分けされたものがいずれも国の天然記念物に指定されているとのこと。ここは樹齢(? 株分けされてからってこと?)140年ほどらしい。
裁判所の石割桜以外にも、盛岡市街地で大切にされている木があったのだった。


これまで意識したことすらなかったけれど、肴町から数百メートル南へ行った一帯は、歴史ある町並みが残っているそうだ。
名前だけは聞いたことがある盛岡八幡宮も、この近く。寺町でもある。
大慈寺
秋田市よりは若干紅葉が遅いようで、モミジのほかイチョウもなんとか残っていた。十月桜らしき花も。

お寺の南の鉈屋町(なたやちょう)は、2007年のNHK連続テレビ小説「どんど晴れ」などのロケ地にもなっている。
狭い道路に沿って、新しい建物もあるものの、町家風の建物がいくつか残っている。
手前は湧き水
どんど晴れは見ていないし、こんなもんかと見ながら歩いていると、はっとさせられた。
これがここだったのか!
町家と同じ造りの火の見櫓。これは見覚えがある。NHKBSの「にっぽん縦断こころ旅」で、一行がここを通ったのを見た記憶があった。
反対側から。中央奥には岩手山がちらり
上の写真で右側にタクシーが曲がって行こうとしているように、丁字路の突き当たりに櫓が位置する。こころ旅では、突き当たって右折していたはず。この時は、ちょうど逆光で撮影できず。

火の見櫓のある建物自体は、「大慈寺地区コミュニティ消防センター」が正式名称らしく、消防施設として現役らしい。そのため、非公開だし、ネット上にも建設年やいわれなどの情報は少ない。
火の見櫓と一体化しているように見えるけれど別棟の建物があり、そちらはカフェなどがある。さらにその裏手には、白壁に黒い屋根の蔵が2棟(江戸~大正築)あり、歴史展示や東日本大震災被災地の産物の販売施設。これらをまとめて「もりおか町家物語館」という施設。
裏側から蔵と火の見櫓
建物自体は歴史があるのは分かるけれど、その中はわりと最近手が入ったような感じ。
聞けば、かつては「岩手川」という酒造会社の工場だったものを市が譲り受け整備して、2014年に町家物語館としてオープンしたそうだ。
さらに調べると、岩手川は2006年に倒産しており、その後、八戸のスーパー「ユニバース」が取得して、市に寄付したようだ。
ということで、もっと南へ下がると、
ユニバース鉈屋町店の店舗がある
さらに南には広い道路と北上川の堤防が並行。堤防は高く川面や対岸は見えない。
ここのすぐ上流が、中津川、雫石川との合流点で、対岸を東北本線・東北新幹線が走る。上り新幹線で盛岡駅を出てすぐに見える川が、この辺りということになる。

【5日追記】スーパーや道路がなく酒蔵として現役だった頃は、また違った光景だったはず。それと現在を比べれば、なくなったもの、変わったこともあるとは思うが、貴重な建物を残し、時代に合わせて活用していることは、素晴らしい。盛岡と八戸、南部の心意気だろうか。
一方、秋田市では、秋田港近くにあった「湊御蔵」をきれいにして開放したのはいいと思っていたら、地元スーパーが建つことになってあっさりと解体され、しかもそのスーパー開店は頓挫してしまったという、情けない出来事があった。秋田(県中央地域?)はまったくもって古いものを残したがらない土地柄。

もりおか町家物語館のホームページによれば、アクセスは盛岡駅やバスセンターから路線バスで「南大通二丁目」降車 徒歩7分とされている。歩く距離は500メートルほど。でも、路線が複雑でよそ者にはちんぷんかんぷん。
今回はバスセンター前から肴町を経て歩いたわけだが、1.5キロほど。盛岡駅から歩くとすれば、2.3キロほど。どちらも地図がないと迷うかもしれない。
東北本線で盛岡から1駅の仙北町駅で降りて、北上川を渡っても1.5キロほどだから、むしろこのルートが分かりやすいかもしれない。


鉈屋町周辺には、ほかにも歴史的な建物がいくつかあるようだが、時間の都合でこの程度しか見られなかった。でも、下調べもせず、人に連れられての見物も、たまには悪くはない。盛岡の新たな姿に触れることができた。
盛岡市内の風景など、少し続きます
コメント (2)
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