たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

いとしろし

2017-09-21 10:30:40 | 白山信仰・楠と白石

<白山中居神社 はくさんちゅうきょじんじゃ>

 

「いとしろし」

白雲たなびくこの地を山頂から眺め、

イザナギが発したこの言葉が発端となり、

白山中居神社が鎮座する土地の名称が、

石徹白と呼ばれるようになったと聞きます。

ちなみに、白山中居神社の社記には、

イザナギとイザナミの別れの場面で登場する、

千引岩・許等度・白雲から一文字ずつとって、

石徹白と名付けられたと書かれていますが、

中居神社の宮司さんとの会話の中で感じたのは、

遥か神話の時代から、「白」という色が、

この地にとって特別な意味を持つということでした。

 

「白き山」である白山の周囲には、

「白峰」「白鳥」「白川」…等々、

「白」と名のつく地名がたくさん点在します。

そしてこの地の深いところでは、白い石英の礫が、

長きに渡る白山の物語を無言で伝えています。

もしかすると「いと白し」輝きを放っていたのは、

白山を彩る白い玉石のことだったのでしょうか…。

中居神社の境内を流れる禊の川に目をやると、

そこには大小様々な白い石たちが、

人間の思惑などまるで無関心な様子で、

ただ静かに水の流れを作っていました。