たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

古代の神籬

2017-02-02 10:55:17 | 無社殿神社1

 

<板谷・矢倉神社 いたややぐらじんじゃ>

 

熊野市紀和町にある板倉・矢倉神社に着くと、

赤く色づいた紅葉と、黄金色に輝く銀杏の木が、

社殿を取り囲む社叢を絵画のように染め上げ、

遠方からの来訪者を出迎えてくれました。

風が吹くたびに色とりどりの木の葉が、

境内の中を自由自在に舞い踊り、

木々の間からは、神域への入り口を

指し示す朱の鳥居がのぞいています。

 

そののどかで牧歌的な雰囲気は、

地域を守る鎮守様そのものですが、

何層にも重なった城壁のような石垣、

石段を登った先にある平坦な土地、

左右に灯篭を配した石の祭壇などは、

「無社殿神社」によく見られる特徴です。

石という鉱物には「貯める」性質があり、

古代は神籬の役目も果たしていたのでしょう。