私の家の猫ではなかったけど、身近にいたにゃんこの話。
お茶の先生のところにもたくさんに猫がいて、何匹かは私の次客として席についてくれた。
先生は平然として、
「私の先生のところにも猫がいて、その猫が水指の水を飲んだりしてるのね。だから猫の嫌いな人なんかぎょっとして、お茶を飲めなくなるのよ。」ってころころと笑っている。
猫が嫌いじゃなくても、ぎょっとするでしょうとはちょっと言えない雰囲気だった。
ここの猫でモモというオス猫がいた。
私のうちに来る猫は皆メスだったので、オス猫の性格は知るべくもなく、このうちの猫の話はとても参考になった。
真っ白の猫だったけど、どう言う訳か私にはなつかなかった。
「子供と男の人が嫌いな猫なのよ」って先生は慰めてくれたけど。
朝、低血圧の先生は4時にモモに起される。
起きないと、寝室に来て、先生の顔を見ながら障子にばりばりと爪を立てるということ。
だから先生の家の障子はいつも破れが見えていた。
4時にドアを開けてやり、猫を外に出す。
しばらくするとモモが帰宅し、また開けろって大きな声で泣き叫ぶので、ドアを開けにでる。
昼の散歩はまず前の家を訪問。
自宅でちゃんと水を飲んでいても、そこでは大きな声で「来たよ」って鳴く。
そこの奥さんが皿に水を汲んでくるのを待って、それを飲んでから散歩の始まり。「置き水は絶対に飲まないって奥さんが苦笑していた」って、だから盆暮れには付け届けが大変なんだそうだ。
ある日このモモが家の前の道で遊んでいた。
そこを犬の散歩をさせた人が通りかかった。
何が原因なのか判らないけど、急にモモが怒り出し、その犬の尻尾に噛み付いた。
犬は「キャン」と鳴いて、飼い主の影に隠れてしまったのだそうだ。
後で菓子折りをもってその飼い主のところに謝りに行ったら、
「猫に噛みつかれて、泣き声をあげたなんて、この子の沽券にかかわりますので、どうか人には話さないでください」って頼まれたって笑っていた。
ある日突然この猫が家出をした。近所中を探し回っても見つからない。諦めていたら2キロほど離れた家から電話があり、お宅の猫を預かっているという。
行ってみると、その家には可愛いメス猫がいて、そこに夫婦気取りで同棲していたということ。家に連れ帰ってもしばらくするとまたその家に戻ってしまう。何度も何度もその家との往復に明け暮れていたそうな。
この先生、田舎が富山なんだけど、法事があっても、何があっても、まずモモの世話をして、朝一の飛行機で行き、夕方早々には帰ってきて、モモのご飯を作る。
泊まりがけの旅行などはこの子が来てからはやったことがないのだそう。
今でも先生は猫が最優先の毎日のスケジュールを送っている。
2005年12月3日に別ブログから転載しました。
2009年11月8日、写真を追加、タイムスタンプを新しくしました。
ただし、新しい写真の子は、いすみ市岬町のだるま庵の子。
この日記の記述とは関係がありませんのでご了承ください。
7年間。
一緒に暮らしてくれました。
姿は変わってもずーっと暮らしてようやく安住のすみかに越してもらいました。
思いはいつまでもつれづれ。
秋の別れはひとしおなのかもしれません。
以前にも、死んでいなくなることも含めて、それがペットと生きることだって書いたことがありますけど、そうなのですよね。