桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

世界の鼻つまみ者に

2017-03-30 | Weblog
世の中には多種多才な人々が生きている。何をしてもそつなくこなす人もいれば一芸に秀でた人もいる。
良く頭が良いと評される人もいるけど、この歳になって思うのは、この頭が良いと評される人たちの実状だ。
果たして頭が良いというのは、それだけで人として評価されるべきものなのだろうか。
少し前だけど、櫻井よしこ女史たちが、高速増殖炉・もんじゅに付いて「この技術、捨ててなるものか」とか主張している雑誌の中吊り広告を見た。右翼系の雑誌で語ったか、書いたかだった。
燃料を燃やせば燃えすほど、新しい燃料を生み出して無限に電力を作りだす夢のエネルギー装置として「もんじゅ」は人類の未来を切り開くかのようにもてはやされた。世界各国が完成を目指して研究、開発を重ねたが、実現不可能な技術だとして放棄された。原発は核分裂で発生する熱で蒸気を作り、その蒸気がタービンを回して電力を作るが、核分裂を制御しなければ爆発するし、発生する熱量をコントロールしたり、使い終わっても核爆発に至る熱を発生し続ける燃料棒を冷却するために、大量の水を使う。だから、原発は水の豊富な海岸に建設されている。
高速増殖炉もんじゅは水に代わってナトリウムを冷却剤として使うが、このナトリウムは水に触れると爆発する物質だ。いかにもんじゅとて、総ての冷却をナトリウムで行うことは出来ないから、もちろん水も使う。水とナトリウム、出合えば冷却装置を破壊する爆発を起こしてしまうから厄介だ。冷却装置が破壊すれば、即福島原発と同じ原子炉破壊と放射能飛散の大事故だ。もし福島原発と同じ事故を起こしたならば、そのときで被害は福島原発とは比較にならない。もんじゅに使う燃料棒は、福島原発の燃料棒よりも、遥かに多くの有害放射能を含むからだ。
絶対な技術はない。でも、もんじゅは、人類の生存に関わるから、絶対でなければならない。そこが関門となって世界は開発を放棄したのだ。
それを「桜井よし子先生たちは放棄してはならぬ」と主張する。
まあ主張は自由だ。勝手に言えば良いけども、この研究開発には1千億円とか1兆円とか言われる莫大な税金が使われている。更に無駄金を使えと言われるのは、納得出来ない。安倍晋三に繋がる日本会議に属する連中は、日本の国家財産を私物であるかのように考える輩のようだが、核技術の最先端技術を持つと言われたフランスさもう不可能の装置として諦めたものだ。
「絶対の安全はいらない」として高浜原発の運転許可を与えた裁判官も、いわゆる頭が良いと評される部類だろうが、福島原発事故から、何も学ばない、こんな主張がまかり通る日本は、何時か人類の敵にならないだろうか。
何でも外国では、福島原発事故被害
は、日本国内で報道言われるような放射能汚染よりも、遥かに深刻な汚染状況だとして科学的なデータを示した報告が

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-03-30 13:16:32
そもそも司法っちゅうのは、法や憲法に抵触してないかを判断する場だからな〜
停止するのが絶対正義みたいな判決するわけないわな。情にながされたら情治だわ
そもそも大津地裁の仮処分と本訴を同じ裁判官でまわしてたこと自体にも法治としてはすこし問題ありだから、そりゃ高裁はこうなるわな

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