スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋王戦コナミグループ杯&量子力学

2024-03-04 19:12:32 | 将棋
 新潟で指された昨日の第49期棋王戦五番勝負第三局。
 藤井聡太棋王の先手で角換わり相腰掛銀。先手の研究手順に後手の伊藤匠七段が時間を使って対応する将棋に。持ち時間は削られたものの馬を作って後手もうまく対応しました。
                                        
 ここで後手は☖1五歩と突きました。☗3五歩で馬の行き場所がなくなるので☖1六馬☗同金☖同歩で金との交換に。☗2六馬と逃げた手に☖2七金と打ち☗5九角に☖3七歩と垂らしました。このまま歩に成られてはいけないので先手は金取りに☗2九飛。
                                        
 第2図から☖3八金はいかにも駒の効率が悪いので☖1七歩成でしたが☗2七飛☖同と☗1一香成で先手の駒得が拡大。しかもその局面は☗6四香と打つ手が厳しい狙いとして残り,先手の優勢となりました。この後手の手順はあわよくば入玉という狙いだったと思うのですが,それが不発に。したがって第1図では☖2五歩と突いて馬を助けるほかなかったようです。
 藤井棋王が勝って2勝1持将棋。第四局は17日に指される予定です。

 國分は,一般相対性理論の重力理論が,遠隔操作論より近接作用論の変種であるとみなせることについて,もうひとつの理由を示しています。それは空虚vacuumの存在existentiaに関わるものです。僕自身は,空虚が存在しようとしなかろうと遠隔操作論,とくに万有引力説は成立すると考えますから,この部分は単に遠隔操作論と近接作用論の対立としてのみ理解しますが,國分はここでも空虚の存在と関連させてこのことを解しているのです。
 ニュートンIsaac Newtonの万有引力説が,空虚の存在を基にしたものであったのは,おそらく歴史的な事実なのでしょう。しかし一般相対性理論における重力理論は,二次元で説明したような布が,宇宙空間の至るところに存在することで説明することができる理論です。空間の至るところで重力作用は生じる,少なくとも生じ得ると考えなければこの理論は成立しません。いい換えれば宇宙のうちでは至る所で空間が歪む,少なくとも空間が歪み得るとしなければ,一般的には成立しません。そうでないと宇宙空間のうちでは重力が作用する空間と重力が作用しない空間とが共存しているといわなければならないのですから,これはそれ自体で明らかでしょう。一般相対性理論というのは,宇宙空間の至るところで成立する理論として想定されているからです。
 なので,二次元的に説明したときの布に該当するものは,宇宙空間の至るところに張り巡らされていることになります。これはつまり,宇宙空間に空虚が存在しないということを意味します。実際に相対性理論は空虚の存在,あるいはおそらく同じことなのだろうと思われますが,真空vacuumの存在というのを否定しています。つまりデカルトRené Descartesおよびスピノザの主張にむしろ合致しているのです。アインシュタインAlbert Einsteinはあまりそれに同調しませんでしたが,一般相対性理論から発展したといえる現代の量子力学においてもそれは同様です。量子力学でも真空の存在は否定されていますし,遠隔作用論は斥けられているのです。
 國分は『スピノザー読む人の肖像』の中で何も指摘していないのですが,このブログでは何度かいっているように,一般相対性理論を提唱したアインシュタインはスピノザ主義者でした。
コメント
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