スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

アフター5スター賞&第三部諸感情の定義二四の意味

2007-11-30 20:49:36 | 地方競馬
 昼間の開催なのにアフター5スター賞というのは笑止千万ではありますが,このレースは本来は9月5日の夜に行われる予定であったもの。当時,馬インフルエンザの影響で,南関東4場間の交流が停止されていたため,今日に延期になりました。南関東重賞が大井の馬だけでは寂しいですから,この判断は妥当なものであったと思います。
 ここは中央からの転入初戦の馬もいて,何が逃げるかもひとつの注目点でしたが,キングオブライヒの先手。これをシルヴァーゼットとエイシンボーダンが追っていき,ベルモントサンダーは6・7番手,フジノウェーブは10番手あたりの追走。前半の600メートルは34秒5。大井の1200メートルは発走後の直線が長いですのでほぼハイペースになりますが,ここはそれほど極端ではありませんでした。
 結果的に,この道中の位置取りが結果に左右したようです。楽な感じで前に取り付いたベルモントサンダーは直線に入って追い出されると楽に抜け出し,後続を寄せ付けずに快勝。逆にフジノウェーブはかなり押しながら前に取り付いてきたので心配されましたが,力で2着は確保。内内を回り,直線は馬場の中ほどに出てきて一旦は2番手に上がったベルモントストームが3着という結果でした。
 優勝したベルモントサンダーはこれが南関東重賞初制覇。東京盃で3着,JBCスプリントは出負けしてのもので,今日は発走をしくじらなかった分,そこで負けていたフジノウェーブを逆転できたという感じ。生粋のスプリンターといえそうで,南関東転入は大成功でした。鞍上の船橋の石崎駿騎手は9月のトゥインクルレディー賞以来の南関東重賞優勝。
 フジノウェーブは1200メートルでも対応できますが,本当はもう少し距離があった方がいいのかもしれません。苦しそうな手応えから2着を確保したのはこの馬の能力の証といえそうです。

 明日から熊本で今年最後のGⅠ,全日本選抜競輪。骨折で休んでいた小嶋選手が久々にGⅠの舞台に帰ってきます。

 第三部諸感情の定義二四では同情が愛であるといわれ,一方で憐憫は悲しみの一種であるとされているわけですから,この場合には第三部諸感情の定義一八の後の説明に反し,同情という感情と憐憫という感情がまったく別の感情であるということは明白であると思います。そこでこのように考えられる限りでの同情という感情がどのようなものであるかを探求するために,諸感情の定義二四の意味を考えてみることにします。
 まず,同情は愛であるわけですが,このことの意味が,憐憫は悲しみであるというのとは少し違っています。憐憫が悲しみの一種であり,同情が愛の一種であるという点は同じなのですが,同情が愛であるといわれるときの愛は,いわば前提条件のようなものといえると思います。いい換えれば,Xが悲しんでいるということを表象することによって自らも悲しむならば,これはXを憐れんでいるということになるのですが,同情の場合には,あらかじめXを愛しているということが前提となっていると考えられると思います。
 その上で,この愛のゆえにXの喜びを喜び,またXの悲しみを悲しむ場合に,この愛という感情が同情といわれるわけです。いい換えれば,愛ゆえの感情の模倣が同情ということです。したがって,そうしたことが本当にあり得るのかどうかということは問題になりますが,ある人がXを愛しているとしても,この愛のゆえにXの喜びを喜んだり,逆にXの悲しみを悲しんだりすることがないのであれば,この人はXを愛しているけれども同情はしていないということになります。
 このように定義されていますので,僕は今後は同情をこのような意味で用います。したがってここでの考察においては,憐憫と同情は概念の上で異なる別の感情であるということになります。
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