スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

香港国際レース展望&感情の性質

2007-12-03 20:13:48 | 海外競馬
 12月恒例の香港における国際レース。今年は9日に行われる予定となっています。香港は近いということもあって,毎年日本からも多くの馬が参戦しているのですが,今年は日本で馬インフルエンザが発生した影響で,日本の馬に対する検疫が厳しくなったこともあり,2頭のみが参戦の予定。香港は北京オリンピックで乗馬競技が開催される予定ということで,検疫を強化せざるを得ない状況であったようです。
 香港はすべて芝のレース。2000メートルの香港カップに出走を予定しているのは5月にシンガポール航空国際カップを制したシャドウゲイト。この馬は2000メートル前後の距離を得意としていて,適鞍を求めての遠征といえそうです。また,日本の馬はレベルが高いですから,このクラスの能力の馬は,むしろ海外の方が大レースに手が届きやすいという面もあるかもしれません。それでも,シンガポールに比べれば香港はレベルが高いですから,勝つのは難しそうな気がします。
 1600メートルの香港マイルには,安田記念でダイワメジャーに僅差の2着と健闘したコンゴウリキシオーが出走の予定。ダイワメジャーは間違いなく世界クラスの馬で,それとあれだけの勝負をしていれば,力は通用すると考えられます。したがって勝機はこちらの方が高いのではないでしょうか。
 2頭ともに,あまりペースを緩めずに逃げ,ないし先行するレースを得意にしています。ただ,このようなレースをする馬は,香港では苦戦するという印象が僕にはありまして,この点は不安材料といえるかもしれません。2頭はすでに11月28日に現地入りして調整をしています。勝ち負けは別に,十分に力を発揮できる状態にもっていってほしいです。

 明日は全日本選抜競輪の決勝です。並びは佐藤友和-山崎-佐藤慎太郎の北日本,平原-神山の関東,新田-渡辺の静岡,残った小嶋に兵藤。あまり邪魔されることがなさそうなメンバー構成ですので北日本が中心でしょう。

 愛の性質からして,愛という感情は,その対象がどういったものであるのかということによっては質的な差異を求めることができません。しかしこのことは,実はただ愛という感情にだけ妥当するというわけではなくて,おおよそすべての感情にとって同じことです。なぜなら,ある感情がある仕方で定義されるならば,そう定義された内容を有するような感情は,対象の有無や如何に関わらず,すべて同様の性質を有するということになり,結果的に,質的な差異をそこに見出すことは不可能であるということになるからです。
 このことをたとえば第三部諸感情の定義一八で定義されている憐憫という感情でみてみます。すると,ある観念が精神のうちに浮かび,さらにその観念の対象の悲しみを思い浮かべることによって自身も悲しみを感じるなら,こうした感情はすべて憐憫といわれるわけです。したがってこのことは,最初に思い浮かべる観念の対象が何であるかということとは関係ありません。つまり,憐憫という感情は,その対象を問うものではないのです。
 ここでは愛と憐憫についてのみ具体的に調べてみましたが,別のどんな感情の場合を調べたとしても,これと同じことがいえるのではないかと思います。したがって一般に,スピノザの哲学においては,ある同一の感情の間では,質的な差異というものは一切ないということになると思います。すなわち,ある感情と別の感情とを比較する場合にはまた別のことがいい得る場合もあるかもしれませんが,少なくとも,一定の定義にあてはまるような同一の感情というのを考えてみた場合には,スピノザの哲学における感情という概念は,ある質的な概念ではないということになると僕は考えています。
コメント
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