昨夜は、大阪の盛和塾(稲盛和夫氏が主宰している経営者塾)で唯識の講義をしてきました。
主に経営者のみなさんの30名ほどの参加者ですが、その熱心なことに驚きと期待を感じています。
こういうところから日本が変わるかもしれない、と。
「持続可能な社会」というテーマにも本気の関心を持った方がたくさんおられるようです。
新幹線の中で、同世代の社会学者橋爪大三郎氏――彼とはかつて『自己から世界へ』(春秋社、残念ながら品切絶版)というシンポジウムで議論しました――の『政治の教室』(PHP新書)を読みました。
帯に「民主主義についての正しい知識と理解身につけ、私たち一人一人が政治の主人公として行動するのをサポートする、待望の教科書」とありましたが、読んでみて、なるほどとうなづきました。
2001年に出たものですが、今でも、今こそ役に立つ(特に私にとって)本だ、と感じました。
いつもどおり論旨明快な文章で、読後感が爽快でした。
教えている学生が言うように教えている私自身も、もちろん他者の意見をすぐに「鵜呑み」にするつもりはありませんし、「民主主義」理解については他にいろいろな意見がありうると思いますが、現代日本の政治をどうするかについて考えるためのとてもいい参考・刺激になりました。
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すっかり忘れていましたが、読んで形跡は残っています。p210の「同じように、自分のことを自分で決めることができ、それが実感できれば、必ず政治は面白くなる。間違った意志決定をしても、自分のせいだと納得できる」という箇所に「スウェーデン人の考えだ」という私のメモが書かれていました。この機会に、もう一度読み直して見ましょう。
橋爪さんとの出会いは10年前でした。私のブログの1回目(2007年1月1日)で少々触れました。http://blog.goo.ne.jp/backcast2007/d/20070101
コメントありがとうございます。
ここでも問題は「民主主義の成熟」ですね。
この本を読んでも、民主主義が成熟していない日本では、当面の状況としては、ある意味で「草の根民主主義」ではない方向づけをするしかないのではないか、という私の持論は変わりません。
しかし、それと同時にできるだけ民主主義の成熟を促進するという、むずかしい作業が必要だということも痛感しています。
改めて、早い時期に国民運動が普及・浸透し民主主義の基盤が確立していたスウェーデンに羨望を感じます。
先ほどNHKテレビで、知るを楽しむ「いつなぜ日本の選挙制度」という番組を見ました。
日本は戦後、中選挙区制をずっと続けてきましたが、
S63年のリクルート事件を発端に汚職事件が相次ぎました。
支持を失った自民党は、政治改革を行おうとするも
自分の地盤を守ろうとする議員から反発にあい、
紆余曲折があり、6年かけて!!小選挙区比例代表並立制に変わりました。
こういう経緯をちゃんと知らなかったので、なるほどと思ってみたのですが
やはり改革を進めていく時に問題の本質の一つは、
政治家や国民が「ビジョンロジック的世界観」を持っているかが
ポイントだと思いました。
「自分の地盤、利益を捨ててでも、日本の政治をよくするための選択ができるか?」
win-winの関係をどうしたら選択できるか?
政治改革をおこなうときに抵抗勢力になっていた一人は、小泉さんでした。
しかし後藤田正晴さんの長年の熱意が(このままでは日本の政治は駄目になる)
並立制を実現させたようです。
「持続可能な社会」を実現するために、政治の問題の本質は何なのか?
問題解決するためにどうしたらいいのかをちゃんと自分の言葉で言えるように
学びを深めていきたいと思いました。
いつも返事が遅くて失礼。きみの後輩たちの教育に忙しいので、理解してもらえますよね?
ぜひ、みんなで学びを深めていきましょう。
その場合、当面、北欧デモクラシーと、それを可能にした国民性、リーダーの人間性に焦点を当てるのがいいと思っています。
それから、そういう方向性を共有できそうな学者、政治家、市民リーダーを探すことも、ぜひ必要ですね。
関心や力を分散せず、「協力することによって強力に」がスローガンです。