日本人よ、茹で蛙になる前にジャンプせよ!

2010年09月02日 | 持続可能な社会

 日本人は、すべてを水に流す癖が強く、大事なことについて健忘症が激しい――あくまでも傾向であって、そうでない人もいますが――と思えます。

 「夏ってこんなに暑かったっけ?」

 「今年は暑いねえ」

……ではなく、ちゃんと最新のニュースで記録を確認すると、以下のとおりです。


113年間で最も暑い夏に=記録ずくめ、55地点で最高値更新-気象庁

 気象庁は1日、今年の夏(6~8月)の平均気温が平年より1.64度高く、統計を開始した1898年以降で最も高かったと発表した。全国154の観測点のうち55地点で記録を更新し、特に北日本と東日本では過去最高になった。
 同庁は、この極端な猛暑を異常気象ととらえ、専門家らを集めた検討会を3日に開き、要因などを分析する。(後略)

 (2010/09/01-20:03)

時事ドットコム
気象庁発表リリース


 このまま行くと、やがて日本人全体が茹で蛙になることは確実だと思われ、すでに明快な先駆現象が出ています。


熱中症の死者 全国で475人

9月2日 4時16分

梅雨明けから先月までに、熱中症とみられる症状で亡くなった人は、大阪や兵庫などで70人以上が死亡していたことが新たに判明し、全国で少なくとも475人に上ることがわかりました。室内で死亡して見つかり、その後、熱中症と判明したケースを警察などが明らかにしたためで、専門家は1人暮らしの高齢者などが亡くなったケースを調べ、予防に役立てる必要があると指摘しています。……東京23区の死者数を公表している東京都監察医務院の福永龍繁院長は「1人暮らしの高齢者が多いので、どうしても遺体で発見される例が多い。亡くなった方から得られたデータというものを、今生きている方の健康作りや、熱中症の予防というものに役立てる必要がある」と話しています。(後略)

NHKニュース


 「熱中症」で「孤独死」そして「遺体――この暑さですから、おそらくしばしば腐乱死体――で発見」とは、なんとつらい話でしょう。

 たとえ若者であっても、明日――5,60年後――は確実に我が身です。このままで行っていいんですか?

 日本人のみなさん、なんとかして1億総茹で蛙――「総」ですからあなたも含まれます――になる前に、もうかなり熱くなってしまった鍋の中から思い切ってジャンプしませんか? 

 「身近なエコ」とか「ハチドリのひとしずく」では、気持ちはわかりますが、実際問題として追いつかないのではないでしょうか?

 それは、かつてB29に竹やりとバケツリレーで対抗しようとしたようなもので、本当に涙ぐましい努力ですが、役には立ちそうにありません。

 環境問題に関しては、涙ぐましい努力をして敗戦するより、冷静に見込みのある方法を選択して、しかも情熱的に、一丸となって戦って勝ちたいものです。


 熱くなった鍋からどこを目がけてジャンプすればいいのか。

持続可能な国づくりの会 HP ブログ を参照してください。

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6 コメント

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残暑厳しいですね・・・ご自愛を。 (HIRO)
2010-09-04 00:51:30
茹で蛙・・・の例は「徐々に」というイメージですが、ここ数年は火傷しそうなほどの激変ですね。

情熱的に、一丸となって・・・
そこへ向かうためには、乗り越えなければならない壁と代案が必要なようですね。

前の記事を読んで思いました。

本を買っても読まない・・・
積読状態にも「茹で蛙」にならないように気をつけねば~
何になら燃えられるのか? (おかの)
2010-09-04 10:13:32
>HIRO さん

残暑見舞い、有難うございます。

本当に火傷しそうですね。

今日も熊谷は38度以上、ロシアはまたしても森林火災……

どうしたら、日本人が本気になれるのか、代案が必要ですね。

何とか、案出したいですね。戦術のイノヴェーション……うーむ。

「十七条憲法」でも、燃えられないんでしょうかねえ……
立志のプロセス (isoroku-hitoshi)
2010-09-06 17:40:07
◇情熱的に、一丸となって・・・
そこへ向かうためには、乗り越えなければならない壁と代案が必要なようですね。
◇どうしたら、日本人が本気になれるのか、代案が必要ですね。
ーーーーーーーーーーーー
代案を構想するためのヒントになる論述がありました。戸塚宏著「本能の力」新潮社刊です。一部引用します。
・驚愕、恐怖、怒りの三つの感情がきちんとセットになっていれば、人間は進歩するのです。
怒りはエネルギーです。
・人間にとって何よりも大切なのは、感情です。精神の三要素、知情意の役割を考えれば判ります。情こそが行動のエネルギーとなるからです。感覚→感情発生→意思発生→適応行動→進歩。情なしには適応行動は生まれません。

もうひとつのヒントになる論述がありました。
志(こころざし)小林茂著「ごま書房刊です。
・現代社会では良い解決策を得ることだけが重要視されている。そして志を立てるプロセスが
無視されている。これこそが現代人のやる気が弱まった直接の原因である。なぜなら「立志」の能力は筋肉を強くするのと同様に、その能力を使って行動することを通じてのみ育つものだからである。志とは意思であり、方向性をもった思いであり、その場にあってなんとかしようとする能力である。
・立志のプロセスは、生々しい事実に直面した不快感(感情)から始まる。概念は心の壁を貫通することができない。この不快感をなんとかしようとして意思が生まれる。しかしこの意思は通例周囲の無理解や反対という障害にぶつかると長続きしない。
この意思を長続きさせ、強い志に成長させるためには、共通の不快感を抱いた人とのチーム発想が必要である。
動機づけの方法 (おかの)
2010-09-07 10:45:07
>isoroku-hitosi さん

コメント有難うございました。

本気になる・させるというのは、心理学的にいえば「動機づけ」の問題なんでしょうね。

驚愕、恐怖、怒り、あるいは不快感によって動機づけるというアプローチ、さらに不快感を抱いた人のチームを作ることで動機を強化する、というアプローチは、環境問題については、すでにかなり使われてきていると思いますし、今後もさらに巧みに使うといいと思います。

さらにもう1つ、「希望によって動機づける」という手もあると思うのですが、これがまだうまくできていないのかな、と感じています。
やる気とやる気づけとの違い (isoroku-hitoshi)
2010-09-07 23:01:18
岡野先生コメント有難うございます。
小林茂著「志」で、小林氏は「やる気づけ」と「やる気」は違うと述べております。
ハ-ツバークは、ジョブエンリッチメントの方法(労働者をやる気づけるものは、金銭ではなく仕事そのものの達成感であることを明白にして他人の計画をただ実行するだけという形を自ら計画・実行・評価する形に改める方法)を提示しました。しかし、小林氏はアメリカで視察した結果、やる気づけ法は、学問としては重要だが、実践となると若干の効果にとどまり、長続きしていないと述べています。
小林氏はやる気づけしようとする態度は、餌付けと同じで失敗すると述べ、次のドラッカーの批判を紹介しています。「働く者がその仕事にどう感ずるかは心の問題であって、これを外から操作することは許されない」。
そして、人間にはプランの前にきらきら輝く旗を立てるプロセスがあり、それこそが内発的なやる気なのだと述べています。
ミーイズムに汚染された人が世のため人のために本気で行動を起こすためには、外部からの刺激では限界があり、内発的に心が変化・成長する立志のための内発的なプロセスが必要のように思われます。
この内発的プロセスを外部から操作するのが誤りとなると、はてどうしたらよいのかしばし考えあぐねています。





内発性を誘発する (おかの)
2010-09-15 11:07:04
>isoroku-hitoshi さん

 コメント有難うございます。
 私も考えあぐねていて、お返事が遅れました。

 現段階で原理的に言えることは、倫理的な意味で内発性は操作してはならないけれども、マインド・コントロール的教育の方法を使えば、かつての日本国民の戦意のようにかなりの程度操作できるということと、当人にとってもいい方向に向けてであれば、内発性を誘発することはできるししてよいのではないか、ということだと思います。

 では、具体的にはどうすればいいのかは、沈思熟考中です。


 

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