心の目の向きを変える

2005年09月11日 | メンタル・ヘルス
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 では続いて、「180度回転のワーク」というのをやってみましょう。

 できれば、一方は光と緑でいっぱいの明るい窓辺、もう一方はあまりぱっとしない暗い壁という部屋でやっていただくといいのですが……。

 そうでない場合は、ヴァーチャルで、添付した写真をコピーでもして、パソコン画面に置いてください。

 そして、まず窓(またはパソコンの写真)のほうを向きます。何が見えますか?

 明るい空や白い雲や緑の木々などなど、ですね?

 そこには、事実、確かに明るい世界が見えますね? 

そのことを意識的にしっかり確認しておいてください。「事実、明るい世界はある」と。

 では、壁(またはパソコン画面の反対)のほうを向いてください。何が見えますか?

 あまりさえているとはいえない暗い壁(または部屋の別の面)ですね。

 見えているのは暗い面で、明るい面は見えなくなりました。

 さて、ここがまたポイントです。

 「明るい面は見えない」、で、それは「ない」んでしょうか? 

 もちろん、「ある」んですね? 「ある」けれども「見えない」、「見えない」けれども「ある」わけです。

 「ある」のに「見えない」、それはなぜですか?

 「そんなつまらないことを聞かないでほしい」、「当たり前だろ」と思うかもしれませんが、こうしたことが重要です。

 私たちは、ごく当たり前のことに関して、あまりにも「当たり前だ」と思っているために、よく注意していない、だから本当にはわかっていないということが、しばしばあるのです。

 では、ごく単純に、小学生になったつもりで、答えてみてください。

 あるのに見えないのは、なぜでしょう?

 「壁のほうを見ているから」、「壁に向いているから」、「見てないから」、「そちらを見ていないから」……みんな正解です。

 時々、「後ろに目がついていないから」という、とても楽しい正解もあります。

 が、私がいちばんいってほしかった正解は、「そちらを向いていないから」というものです。

 人間の目は――体の目も心の目も――一時にすべての方向を見ることはできないようにできています。上下、天地、左右、360度を見ることはできません。

 一時に一方向しか見ることができないのです。

 別のことばでいうと、人間はある時ある面を見ることができるだけだ、ということです。

 一つの部屋に、明るい窓の面と暗い壁の面がある場合、どちらの面も「事実」なのですが、私たちの目は同時に両方を見ることはできません。

 でも、両方とも「ある」……んですよね?
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1 コメント

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http://blog.goo.ne.jp/present-kairos/ (HIRO)
2005-09-12 00:26:58
いつも有り難うございます。



本日は岡野先生と直接お話ができて、たいへん楽しく且つ、有意義な時を過ごすことができました。



このブログが全て書き下ろしだという話を聞いて、身が引き締まる思いが致しました。



いっそう真剣に学ばせていただきたく思っています。



今後も楽しみにしています。
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