sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:ピアソラ 永遠のリベルタンゴ

2019-03-20 | 映画


映画のあと、映画館近くのバーでアルゼンチンぽいお酒と思ったけど、
アルゼンチンってワインくらいしか思いつかない。
で、同じ南米ということで、ペルーのお酒でカクテルをお願いした。
マチュピチュ。派手な3色のカクテルでした。
このカクテル用の、教わった飲み方をすると、見た目ほど甘さもなくおいしかった。
この日は体調が良くなくて、胸が気持ち悪くて生あくび連発だったのに、
まずクセのないウィスキーの優しくて美味しいハイボール一杯でスッキリして、
それからもう少ししっかりしたウィスキーのハイボールで調子が出てきて、
そしてこのペルーのお酒でとてもいい気分。
カウンターの少し離れた横にいた、お酒に詳しいらしい男の子も
真似をしてこの派手なカクテルを頼んでいて、愉快。

アストル・ピアソラ(1921-1992)のドキュメンタリーは、
ナレーションと写る写真やビデオの時系列がなんだかちぐはぐで、
お姉さんが死にかけてはずたのに、お父さんの手術では何で普通にそこにいる?
みたいな混乱がいくつかあった。
それはこの映画がひとりの音楽家を正確に描く、理解させるというのではなく、
彼のプライベートや内面の一部を、わりと限定的な視点で見た映画だからかな。
仕事や音楽の話ももちろんあらゆる部分で絡んでいるけど、
娘や息子の視点から語られている部分が多いので、家族の話が中心で、
ホームビデオの家族が素敵すぎて、メランコリックにセンチメンタルにさせる。
とはいえ、常にうまくいってた家族というわけではないだろうし、
ここに描かれなかったこともたくさんあるようです。
すごく家庭的な素敵パパに見えるのに、家庭を捨てて出て行ったり
一緒に音楽活動もした息子とも断絶したりしてるしね。

そして、過去の映像やホームビデオがすごくたくさんあるなかで
家族以外の人が撮ったような映像や写真もいっぱいあるので
浮き沈みはあってもピアソラは若い頃からスターだったんだなぁ、と思う。
若い頃は新しいタンゴへの批判と戦い、その後アメリカでは不遇の時期を過ごし
一時期はクラシック音楽にのめりこみながらも結局タンゴに戻ったピアソラ。
いわゆるハンサムではないけど、俳優としても十分やっていけそうな
愛嬌と味のある表情で、芝居がかったところのあるいい顔。

映画は、2017年(没後25周年)に開催された回顧展のシーンから始まる。
大きな壁に海の映像が流れる中に息子が現れて始まり、ラストもそこに戻る。
ソール・ライターの写真が何枚か挿入されてたように思う。

「アルゼンチン・タンゴに革命を起こしたアストル・ピアソラ。20世紀で最高の作曲家のひとりと評される」
「ピアソラはアルゼンチン出身の作曲家・バンドネオン奏者。アルゼンチン・タンゴの前衛派として1940年代から活躍し、踊るためのタンゴから聴くためのタンゴに転化させた先駆者で、「ロコへのバラード」「リベルタンゴ」などのヒット曲を送り出した。新しいタンゴを厳しい態度で批判するタンゴ純粋主義者やメディアと闘い、正当な評価が受けられないストレスから一時はタンゴを捨てたピアソラ。そんな彼を献身的に支えた妻と、尊敬の眼差しで見つめる子供たち。本作では、8mmフィルムで撮影された家族の日常や趣味の鮫釣りの映像を始め、ピアソラの自伝を執筆した娘のディアナが録音したピアソラへのインタビュー音声など、未公開の素材を選りすぐり、けんかっ早くてお茶目なピアソラのもうひとつの素顔に迫る。また、ツアー先などで行われた各国のインタビュー映像やライブ映像に加え、彼のタンゴを酷評する評論家と電話で口論する生々しい肉声も収録。辛く厳しい闘いの日々を想起させる。」
(公式サイトより)