甘酒

2017-11-17 13:42:52 | 日記
店のドアを開けると甘ーい懐かしい香りが漂ってきた。
甘酒の臭い?

ピンポーン! 冬子さんの差し入れだよ
丁度出来上がった所よ

冬子さんとマスターが機嫌よく迎えてくれた
この所、お顔見なかったわねぇー

ええ、ちょっと仕事が忙しくて

そうよね、いつの間にか、今年もカレンダー一枚しか残ってないものね。
何だか一年が速くて、こんな風に冥途に近づいていくのかしら?

冬子さん、縁起でもないこと言ってないで甘酒飲みましょうよ
マスターが苦笑いしている

冬子さんが、酒屋さんから買ってきた甘酒は、スーパーの物より濃い味がして
体の中に染み込む

マスターが摩り下ろしてくれた生姜がきりっと効いている。
冬子さんは、薄紫の毛糸で何か編み始めた。

この店で過ごす時間は、時間がゆっくり流れて行く様な気がする。
マスターが活けたのか、カウンターの小さな黄色い花瓶にツワブキの花が一輪。


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