老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

間違いやすい日本語  ~間違いやすい漢字~  その① 

2019年08月14日 21時15分28秒 | 面白い言葉や語源など
 大型の台風が接近中で、明日は大阪も大荒れになりそうですが、ベランダの植え木鉢の並び替えや取り込みなど、一応出来るだけの対策は講じておきました。

 引き続いて「間違いやすい日本語」ですが、~正しい意味で使っていますか~の次は、良く使う言葉なのに漢字が間違いやすい言葉を集めて見ました。

(1)危機一髪(ききいっぱつ)
 “髪の毛一本の僅差で生じる危機的状況”を意味する言葉ですが、間違いやすいのは「危機一発」です。

 1964年に公開された映画に「007危機一発」がありました。これは「危機一髪」と「銃弾(一発)」をかけた一種の洒落だったようですが、この映画の大ヒットで「危機一発」と言う漢字がすっかり違和感なく受け入れられるようになりました。


(2)興味津々(きょうみしんしん)
 「興味深々」あるいは「興味森々」と間違えてしまうことが実に多いといわれています。

 もともと「津」には、筆からしずくが垂れるという意味があり、それが転じて、水が染み出すことを表すようになり、「興味津々」には“興味が尽きないさま。あとからあとから興味がわくさま”(大辞林)を表しますので、「津」という言葉が正しいのです。


(3)木っ端微塵(こっぱみじん)
 “こなごなに砕けること。こなみじん”(大辞林)のことを、「木っ葉微塵」だと思っていませんか?
たくさんの木の葉が散らばる様子とイメージして「木っ葉微塵」を使ってしまうのでしょう。

 「木っ端」とは木の葉のことではなく、木の削りくずの粉で、何の役にも立たないという意味。そこから転じて「取るに足りない、値打ちのない」とった意味に用いられるようになりました
「木っ端微塵」も、木の葉のように散らばるという意味ではなく、役に立たないほど、細かく砕けているという意味なのです
 「木っ端役人」「木っ端仕事」などの表現もあるように、「木っ端」には“取るに足らない、役立たず…”などの蔑みの意味が込められています


(4)価値観
 “何に価値があると認めるかに関する考え方で、価値を判断するときの根底となるものの見方・基準”をいいます。
最近は「価値感」と書く人が多いようですが、この「価値感」は間違いで、辞書にも載っていません。

 しかし、このブログの「間違いやすい日本語 ~正しい意味で使っていますか~ その②」で触れたように「直観」に対して「直感」という言葉は存在しますし、「観」「感」は本当にややこしいです。

 風花さんに拠ると、
“「観」は、ものの見方、考え方を指し、もともとは哲学用語と使われてきた言葉で、能動的な意味が含まれますが、一方「感」はまさに感じることであり、外部の現象(事件)に対する反応を指します。受動的な意味を含む言葉です
日本文化は「感受性の文化」とも言われます。四季折々の自然の微妙な変化を歌うことは、日本人の最も得意とする表現形式で、もともと能動的な思索によって哲学や思想を構築することを、日本人は得意としていないので、「価値感」という漢字の方に親しみを感じるのかもしれません。” ということです。

(5)「堪忍」と「勘弁」
 同じく「カン」という発音ですが、「堪」と「勘」も間違いやすい漢字です。
 「堪」は“しんぼうする、たえる”という意味で、「堪忍」は“肉体の苦痛や苦しい状況をこらえる”という意味で使います。

 「勘」は“よく考える”という意味で、「勘弁」は“いろんな事情を考慮して、他人の過失や罪を許す”という意味で使います


(6)「最小限」
 「最小限」を「最少限」と書く人が多いですが、正解は「最小限」であって、「最少限」という言葉はありません
「最小限」の反対語は「最大限」即ち、「小」と「大」の対比なのです。
もし「最少限」という言葉があるとすれば、その反対語は「最多限」でなければなりません。しかし、「最多限」などという言葉は存在しないのです。(まさ)