老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

人間の行動学(北山君遺稿) Chistes編 その⑩  ~無題~

2019年08月05日 19時50分43秒 | 北山君 遺稿集(人間の行動学)
今日もまた北山君のお世話になりますが、今回は余りに正直過ぎて、題名を付けるのを遠慮しました。(まさ)


 あの世に行くか行かないかの危篤状態にある夫、その妻が側に付き添って
奇跡的な回復をと、愛と深い祈りを神様に捧げました。
主治医からは、万分の一の可能性も無いと告げられておったのですが・・・

 神様の思し召しか、夫が突然、目を覚ましまして側にいる妻に・・・
『ず~っと側にいてくれたのかい?・・・』
「ああ~、アナタ! 良かったわ~、嬉しいわ!」と。

 夫は再び、一瞬、目を閉じて・・・、そしてゆっくりと・・・、
『結婚する前だった・・・君の友達に失恋した時、ず~っと側にいてくれたな~』
『そう君と結婚し・・・働いていた会社を首になった時、ず~っと側にいてくれた』
『独立して会社を興し・・・それが倒産した時、ず~っと側にいてくれたな~・・・』
『家に強盗が入って、沢山のものを盗まれしかも強盗に殴られ大怪我をして・・・入院した時、ず~っと側にいて看病してくれたな~・・・』
『ニッチもサッチも行かなくなって、自宅を売ることになった時未だ、君はず~っと側にいてくれた・・・』
『こうして危篤になっても、君は一瞬たりとも側を離れずに・・・』

 これを聞いた妻は、感動の涙が止みません・・・
「まあ、あなた、奇跡だわ!いろいろなこと忘れないでいてくれたのね・・・」

 夫は、妻の言葉を遮って
『どう云うことを考えているか・・・君に判るだろうか?・・・』
「何かしら・・・ねえ~、あなたが元気にさえなれば、私は嬉しいのよ・・・」
『君と一緒にいると云うことは、不運であり不幸が付きまとうと考えているんだ!』

教訓:
 人は皆、その人自身の立場で、物事の見方に違いを持っていると云うことを忘れてはならない。過去に、身の回りに起こった出来事は、人それぞれに解釈の仕方に違いがあるのです。「借金」と云う事象には、貸方と借方があるんですが、
『貸した方が悪い』と借方の理由説明(返せなくなった場合)も、立場に依る物の見方の違いであります。商売には、これが定在しておることは当然です。
勿論、家庭にも存在すること忘れないようにしましょう。