老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

間違いやすい日本語  ~正しい意味で使っていますか~ その①

2019年08月09日 21時17分46秒 | 面白い言葉や語源など
 私もこのブログを書き込むようになってから、言葉の間違いがないかは気にしていますが、生まれてから主に日本語しか話していない日本人にとっても、日本語の表現は非常に難しくて、時には確認を怠って間違った使い方をしている場合が多いと思います。

 絶えず悩んでいるのは、使っている言葉が正しい意味で使っているか/この漢字で良いのか/或いはこの言い回しで良いのかというような点です。

 先ずは、“正しい意味で使っているか?”と悩む言葉を列記してみましょう。
(この「間違いやすい日本語」の項については、下記を参考或いは引用させていただきました
・「美しい言葉辞典」https://kazahanamirai.com/
・「社会人の教科書」https://business-textbooks.com/mistakeablejapanese100/
・WIKIPEDIA  ・コトバンク)

(1)天地無用(てんちむよう)
 運送する荷物の箱などに表示される用語で、荷物の上下を逆さまにすると破損する恐れがあるからしてはならないという意味ですが、若い人には“上下関係なし”と思っている人が多いようです。
「天地」は上下の意。荷物、書籍などの上部と下部を指し、「無用」は“してはならない、取り扱ってはいけない”の意味です。

(2)情けは人の為ならず
 “人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくる”と言う意味ですが、私もかっては“人に情けを掛けて助けてやることは、結局はその人のためにならない”と言う意味だと誤解していました。
やはり、半数以上の人が誤解されているようです。

(3)役不足
 間違いやすい言葉として良く引用される言葉です。
“役者の力量に比べて、役目が不相応に軽いこと”を言いますが、逆に“本人の力量に対して役目が重すぎること”と思っている人が半数以上おられるようです。

(4)姑息(こそく)
 殆どの人が、“ひきょうな”という意味に間違えて使っておられるのではないでしょうか。
「姑」は“しばらく”、「息」は“休む”の意味があり、“根本的に解決するのではなく、一時的に対応するさま。しばらくの間だけもたせる様子。間に合わせ。”が正しい意味のようです。

(5)餞(はなむけ)
 時々、歓迎会などで「はなむけの言葉」という使い方をされていますが、これは不適切です。
「餞別(せんべつ)」の「餞」の字をあてて「はなむけ」と読みますが、この「はなむけ」は「馬の鼻向け」という言葉が略されてできた言葉のようです。

 「馬の鼻向け」は、旅に出る人の安全を祈って、出発時にその人の乗馬の鼻を行き先の方に向けた習慣から生まれた言葉で、「はなむけ」は門出に際し、祝福や激励の気持ちを込めて贈る、挨拶の言葉、金品、詩歌などを指すのです。


(6)破天荒(はてんこう)
 これも多くの人が、“豪快で大胆な様子”という意味だと誤解しているか、誤用しているようです。
「荒」は原始のままの状態を指し、「天荒」は未開の状態を意味するのですが、「破天荒」は“これまでに誰も成しえていない偉業を達成する”ことを意味する故事成語です

 かつて中国では「科挙」と呼ばれる試験で人材を選んでいたのですが、これが非常に難しく、荊州(けいしゅう)では誰でも合格できなかった。そこで人々は荊州を馬鹿にして「天荒」と呼んだのです。
ところが、荊州出身の劉蛻(りゅうぜい)という人物が科挙に合格した。劉税は「天荒を破った者」として賞賛されたという故事に由来する様です。

(7)小春日和(こはるびより)
 厳しい寒さの中で、穏やかな暖かい日が急に訪れることがあり、そのことを、忘れかけていた春の陽気を想い出させることから「小春」「小春日和」と、日本人は表現してきましたが、問題はどの時期の言葉かということです。

 小春とは旧暦 10月のことで,太陽歴では 11月から 12月上旬にあたり、厳しい冬を前に晩秋から初冬にかけて現れる穏やかな暖かい晴天を言います。
また、「三寒四温」と言う言葉も良く使いますが、これは少し遅くて春が近付いた時期に使うようです。
(まさ)