Sightsong

自縄自縛日記

ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+今井和雄@東松戸・旧齋藤邸

2017-07-09 21:46:16 | アヴァンギャルド・ジャズ

ミシェル・ドネダ、レ・クアン・ニン、齋藤徹という3人による「MLTトリオ」、本日ツアー初日(2017/7/9)。ゲスト・今井和雄。

場所は東松戸にある「旧齋藤邸」。明治時代に建てられた茅葺きの古い家である(齋藤徹さんとは関係がない)。とても暑い日で駅から歩く間に汗がふき出たが、敷地内は緑が多く爽やかだった。

予定では齋藤徹さんも参加の予定だったが、入院で「不在の在」。ライヴ前には吉報もあった。

Michel Doneda (ss)
Lê Quan Ninh (perc)
Kazuo Imai 今井和雄 (g)

ファーストセット。ドネダの息遣い、風、音色の変化に耳を傾けていると思わず涙腺がゆるんでしまった。

ニンはタイコの上で松ぼっくりを転がしたり、棒や指で擦ったり、シンバルに口を近づけて擦音を発したり。叩くという行動は驚くほど少ない。今井さんは鎖も使ったのだが、なぜかこの場においては過激な感じがしない。

セカンドセット。直前に3人で話し合い、裏の竹林でやるという。何ということか。

どのような響きがするのだろうと期待して竹林に入った。皆が葉っぱを踏み、枝が折れる音。蝶が飛び、虫や鳥の声も時折聴こえる。

驚いたことに、ドネダもニンも楽器を持ってあちらこちらへと気の赴くままに歩いてゆき、立ち止まり、音を出す。今井さんの弦が空間を震わせ、その音が竹や草に吸収されていくさまに、快感を覚えもする。ドネダは虫にも鳥にも変化する。ニンは葉っぱをすくい取り、タイコの上でかき混ぜ、息で吹き飛ばす。そのような作業がつぎつぎに提示される。

素晴らしいものは素晴らしいというトートロジーしか言うことができない演奏。ここにテツさんもいてコントラバスとともに立っていたならと想像するが、それはまた次の機会に体感できるだろう。

終わってから庭で雑談している間も、ドネダは草を見つけてきて笛を吹いたり、ヘンな声を出して遊んだりしていた。また嬉しくなってしまった。

Fuji X-E2、60mmF2.4

●ミシェル・ドネダ
ミシェル・ドネダ『Everybody Digs Michel Doneda』(2013年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
ロル・コクスヒル+ミシェル・ドネダ『Sitting on Your Stairs』(2011年)
ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(2009年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+今井和雄+ミシェル・ドネダ『Orbit 1』(2006年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』(2003年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ+チョン・チュルギ+坪井紀子+ザイ・クーニン『ペイガン・ヒム』(1999年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ミシェル・ドネダ『OGOOUE-OGOWAY』(1994年)
バール・フィリップス(Barre's Trio)『no pieces』(1992年)
ミシェル・ドネダ+エルヴィン・ジョーンズ(1991-92年)

●レ・クアン・ニン
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』(2003年)

●今井和雄
Psychedelic Speed Freaks/生悦住英夫氏追悼ライヴ@スーパーデラックス(2017年)
”今井和雄/the seasons ill” 発売記念 アルバム未使用音源を大音量で聴くイベント・ライブ&トーク@両国RRR(2017年)
第三回天下一Buzz音会 -披露”演”- @大久保ひかりのうま(2017年)
齋藤徹+今井和雄@稲毛Candy(2017年)
今井和雄『the seasons ill』(2016年)
Sound Live Tokyo 2016 マージナル・コンソート(JazzTokyo)(2016年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
坂田明+今井和雄+瀬尾高志@Bar Isshee(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
今井和雄 デレク・ベイリーを語る@sound cafe dzumi(2015年)
今井和雄、2009年5月、入谷(2009年)
齋藤徹+今井和雄『ORBIT ZERO』(2009年)
齋藤徹+今井和雄+ミシェル・ドネダ『Orbit 1』(2006年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』(2003年)
バール・フィリップス@歌舞伎町ナルシス(2012年)(今井和雄とのデュオ盤、1999年)


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