Sightsong

自縄自縛日記

ロル・コクスヒル+ミシェル・ドネダ『Sitting on Your Stairs』

2015-08-15 08:27:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

ロル・コクスヒル+ミシェル・ドネダ『Sitting on Your Stairs』(EMANEM、2011年)を聴く。

Lol Coxhill (ss)
Michel Doneda (ss)

水と油なのか、ともかくも唯一者同士なのか、奇なるソプラノサックス奏者の最後の出逢いである。

まるで自然を体現しているかのようなドネダは、沼が泡立ち、風が葉叢をすり抜けるような音世界を展開する。そしてコクスヒルは、ほんらい力が入っていなければならない箇所も脱力しているような感覚。まるですべての制約や権力をまったく意に介していない書家のように、偉大なる垂れ流しをだらだらと続ける。ドネダが人外の者だとして、コクスヒルは偉大な人間か。あるいはその逆か。あるいは両方か。

わたしがコクスヒルの演奏を再度目の当たりにしたのは、ロンドンにおいて、2010年のことだった。これはその翌年の演奏であり、さらに翌2012年にかれは亡くなった。


コクスヒル(2010年) Leica M3、Summicron 50mmF2.0、Tri-X(+3)、フジブロ4号

 


ミッシェル・ドネダ+齋藤徹(2007年) Leica M3、Pentax-L 43mm/f1.9 Special、Tri-X(+2増感)、Gekko 2号

 

●参照
ロル・コクスヒルが亡くなった(2012年)
ロル・コクスヒル+アレックス・ワード『Old Sights, New Sounds』(2010年)
ロル・コクスヒル、2010年2月、ロンドン
コクスヒル/ミントン/アクショテのクリスマス集(1997年)
G.F.フィッツ-ジェラルド+ロル・コクスヒル『The Poppy-Seed Affair』(1981年)
ミシェル・ドネダ『Everybody Digs Michel Doneda』(2013年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ミシェル・ドネダ『OGOOUE-OGOWAY』(1994年)


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