すべて、ライカM3、Summicron 50mmF2.0、Tri-X(+2)、フジブロ4号
※以下再掲
■ 今井和雄トリオ (なってるハウス、2009年5月27日)
音楽評論家・横井一江さんも大推薦のCD『ブラッド』(Doubt Music、2008年)(>> リンク)。実はまだこのCDを聴いていないのだが、そもそも今井和雄さんの演奏を直に聴く機会がこれまでになく(あまり頻繁に演奏していない)、ずっと興味があったので足を運んだ。
入谷のなってるハウスに行くのは久しぶりで、入谷駅から言問通りを東に歩いていくとわからなくなった。このあたりだろうというところで、入谷食堂という定食屋でアジフライを食べて、会計ついでに訊ねると、ああ向かいの横丁を入ってすぐの・・・と親切に教えてくれた。聴客は8人くらいだった(どこまで客でどこまで店の人なのかわからない)。
メンバーは、今井和雄(ギター)、鈴木學(エレクトロニクス)、伊東篤宏(オプトロン)。エレクトロニクスはなにやら怪しげないくつもの箱についたツマミなどを操作して、電子音を自在に操っていた。オプトロンとはきいたことがないが、どうやら本人の自作による楽器で、見た目は蛍光灯そのものである。これと何か電子機器とアンプをつないで、ペダルなどで操作し、音と強烈な光とが発せられる仕組。
演奏前から、今井さんは熱心に練習し、音がかちかちしすぎるなあなどと言いつつ音を調整している。リー・コニッツの「サブコンシャス・リー」だか「ケリーズ・トランス」だかを早弾きし、気に入らないようで嘆息している。ここからすでに<今井世界>へのイントロのようで面白い。
演奏前半は、おそらくオリジナル中心だった。今井さんが、後ろの2人に対して、「遅めの4ビートで・・・」と指示しているのが奇妙だった(あの2つの楽器でどのように4ビート?)。後半はジャズ曲が多く、バッハの「サラバンド」、リー・コニッツの「ケリーズ・トランス」、オーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」、セロニアス・モンクの「ルビー、マイ・ディア」、コール・ポーターの「ソー・イン・ラヴ」といったところ。即興が激化してくると、今井和雄ならぬ今井俊満による色彩エネルギーの奔流のような絵を想起させられる(別に駄洒落ではないが)。凄いカタルシスが得られた。
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齋藤徹+今井和雄『Orbit Zero』というデュオのCD、届くのを心待ちにしている。次のライヴは齋藤徹さん帰国後の7月だそうで、何とか行きたいところだ。
●参照
○アクセル・ドゥナー + 今井和雄 + 井野信義 + 田中徳崇 『rostbeständige Zeit』
○リー・コニッツ+今井和雄『無伴奏ライヴ・イン・ヨコハマ』、バール・フィリップス+今井和雄『プレイエム・アズ・ゼイ・フォール』