Sightsong

自縄自縛日記

バール・フィリップス(Barre's Trio)『no pieces』

2016-01-17 16:43:08 | アヴァンギャルド・ジャズ

バール・フィリップスのBarre's Trioによる『no pieces』(emouvance、1992年)を聴く。

Michel Doneda (sax)
Alain Joule (perc)
Barre Phillips (b)

ミシェル・ドネダに弱くて、何を聴いても悦びで顔が勝手に笑ってしまうのだが、これもやはりまた例外ではない。自然界のさまざまな音を、また、彼岸から霊媒師のごとく運んでくる音まで、かれは、サックスを通じて提示する。しかも、傾奇ながら。この人外の存在感は、韓国の故・金石出にも匹敵すると思えてくる。最後の曲ではサックスを2本くわえているようだ。おそるべしドネダ。

ドネダがよくわからぬものを噴出させているとき、おもむろに入ってくるバール・フィリップスのコントラバスにも、バールの音としか言えない香りがあって、嬉しくなってしまう。とんでもないセッションである。

ベースの齋藤徹さんによると、少し体調を崩していたバールさんは持ち直して元気になっていたとのこと。そして齋藤さんはもうすぐヨーロッパでドネダとも再びあいまみえるとのこと。また日本で観たいものである。

●参照
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
バール・フィリップス@歌舞伎町ナルシス(2012年)
バール・フィリップスの映像『Live in Vienna』(2006年)
バール・フィリップス+今井和雄『Play'em as They Fall』(1999年)
ミシェル・ドネダ『Everybody Digs Michel Doneda』(2013年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
ロル・コクスヒル+ミシェル・ドネダ『Sitting on Your Stairs』(2011年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ミシェル・ドネダ『OGOOUE-OGOWAY』(1994年)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
This CD (Tetsu Saitoh)
2016-01-18 01:54:00
このCDは、サウンドチェックの音をあえてCDにしたと聞きました。チャレンジングですね。ということは、本編もあるはずですが、それはボツな訳です。即興という概念への公開質問。5578
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Re: This CD (齊藤)
2016-01-18 07:51:14
静かに過激な話ですね。手探りにこそ最良のものがあらわれたということでしょうか。ただ、そうなると本編も聴いてみたくなります。
ドネダさんとの共演は4月8日なのですね。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1176228929073538&set=a.100960859933689.2038.100000593266646&type=3&theater
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