―巻之十五―
佐伯泰英/祥伝社文庫
2006年9月10日初版。今回の話は江戸と大和柳生の庄に分かれて展開する。流れとしては軽快なテンポで進む。相変わらず、金杉親子は大活躍だが、江戸では昇平も負けてはいない。破格の昇進の話までは良かったが、その後が良くない。出し抜かれた格好になった兄貴分が黙っていなかった。それは昇平の責任ではなかったが、人間社会にはよくあることだ。
一方、柳生の庄では「大稽古」なるイベントが着々と準備され、近隣諸国から武士たちがやってくる。その中に、例によって尾張柳生もやって来た。参加者の中に紛れ込み、稽古をしながら虎視眈々と金杉親子を狙っている。何と言っても、最後には金杉親子が勝つというのは判っているのだが、ついつい熱中してしまう。
211p「柳生街道(地獄道)」の話はなかなか面白い。「磨崖仏」は姥捨ての供養という意味がある、という話しは初めてではないだろうか。日本にも数は少なく規模も小さいが「磨崖仏」が見られる。その全てが「姥捨ての供養」だとは思わないが、明らかに寺の仏像とは異なる意味合いが隠されているようだ。大昔の人々の厳しい暮らしの一端が見えた気がする。
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