つむじ風

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高額献金・霊感商法

2022年07月28日 19時13分50秒 | Weblog

 統一教会が長年やってきた「高額献金」と「霊感商法」、その実態は全く解明されていない。

・1970年代に文鮮明教祖が日本の旧統一教会に“送金命令”を下し、10年間で2,000億円が送られたという元幹部の証言が月刊『文藝春秋』に掲載されている。
・1987年から2021年までの34年間で、関係弁護士や消費生活センターが受けた相談だけでも、被害件数は約3万4,500件、被害金額は約1,237億円にのぼる。/全国弁連
・1998年、埼玉で開かれた集会の様子も流された。韓国経済が破綻した1997年の翌年に行われたこの集会では、教祖である文鮮明氏が「大きな危機に直面している」とされ、信者1家族ごとに凡そ160万円の献金が求められたという。
・2007年頃、1日あたり22億円の売上があったとされている。
 毎日コンスタントにこの金額に達するわけではないにせよ、売上高は年間数千億円と試算されている。
・2008年の内部情報などから「年間数百億から1,000億円近くの金を日本が稼ぎ出していた」と推計。
 北海道大学・櫻井教授、大阪公立大学・中西研究員
・2009年以降も4000件ほど寄せられ、被害額は約176億円にのぼる。
 「去年(2021年)の段階でも3億円以上、被害相談がある」と指摘。
・2017年から2021年までの5年間に限っても相談件数は約580件、
 被害総額は約54億円だという。
・2018年には年間300億円の献金目標を達成しているという指摘もある。
・教会ごとのノルマは年2億円とか3億円にのぼり、韓国への送金額は年600億円前後になるという話もある。
・10年間で2,000億円が送られたという元幹部(世界日報元編集長・副島嘉和)の証言/文春

 全国弁連や消費生活センターが受けた被害・相談の件数、金額は「氷山の一角」だろう。日本には(2017年時点で)284の教会があった。「教会ごとのノルマは年2億円とか3億円」とすると、確かに568億から852億円になり、「韓国への送金額は年700億円前後」というのは、かなり信憑性が高いと思われる。高額献金、霊感商法は1980年頃から行われていたと言われているから、既に40年を超える。
少なく見て2兆2千億円、多ければ3兆4千億円という天文学的巨額に上る。「1日あたり22億円の売上」などというバブルのような話を除いたとしても、である。

 高額献金や霊感商法は日本だけで行われており、地元の韓国や米国では行われていないという。結局、日本は統一教会の運営「資金源」であり「金蔓(カネヅル)」になっていることがよく解る。
これは何も大昔の歴史上の話ではない。現在も尚続いている進行形の話しなのだ。統一教会には多数のグループ企業があり、スキー場やゴルフ場のリゾート開発や、オーシャンビューのホテル建設など大量の資金がグループ企業に投入されている。更にまた、教育機関(小中高、大学など)も運営しているという。教会の聖地、韓国の清平では、既に教会関係者のマンションや各種施設があり、今も白亜の宮殿のような超豪華施設が建設中なのである。
これら各種組織運営や施設の建設費は「金蔓(カネヅル)」日本以外には考えられないのである。

 現代社会において、このような犯罪行為が平然と行われていることに対して、これを傍観し続けることが果たしてできるものだろうか。「信仰の自由」を盾にした「高額献金」や「霊感商法」は詐欺行為或いは違法な商取引であり、立派な犯罪である。刑事犯罪として告発し、教会総裁を主犯とし、教会関係者を共犯として逮捕、厳重に処罰すべきではないだろうか。そして少なくとも(一兆円は売ったであろう)聖本や印鑑、壺、置物(オブジェ)などの販売代金は全額弁償させるべきである。

 ちなみにこれら「聖本、壺、置物(オブジェ)」はYahooオークションで売られている。印鑑はさすがに名前が彫られているためか見当たらないが、かつて2,000万円~3,000万円で売りつけた「聖本」は、今や数千円である。二束三文だが、それでも落札するのは余程の物好きに違いない。

2022/08/05追加編集

 


統一教会

2022年07月19日 17時58分35秒 | Weblog

 随分昔の話だ。20代の頃、「合同結婚式」や「霊感商法」で「統一教会」の名前を聞いたことがある。
 その後、世の中から消滅したものと思っていた。しかし、ここに来て忽然と姿を現し、いまだに活動しているのかと驚いた。山上徹也容疑者による問答無用の銃撃によって元総理が倒れるというショッキングな事件によって、図らずも政権との関係が見えてきたことにも驚きを禁じ得ない。
 昔はその背景を探るにも簡単なことでは無かったが、今はNetの時代。あらゆる情報があふれる中で取捨選択しながら、改めて「統一教会」とは何なのか、探ってみたいと思う。

1954年、世界基督教統一神霊協会(通称:統一教会)は韓国で創設された宗教法人。設立者は文鮮明(ぶんせんめい・ムン ソンミョン)で、(1920-2012年)92歳で既に亡くなっている。
教祖亡き後、教祖の妻である韓鶴子が現総裁(韓鶴子派)。
三男である顕進派、四男と七男である国進・亨進派(サンクチュアリ教会)に分かれるという内紛が起きているとされる。

1920年、文氏は現在の北朝鮮(当時は大日本帝国統治下の朝鮮・平安北道)で生まれた。
1941-43年には、学生として日本の早稲田高等工学校への留学経験もある。
卒業後は鹿島組(現在の鹿島建設)の京城支店(京城は現在のソウル特別市)に就職した。

1945年(終戦後)、ソウルにあるイスラエル修道院で奉仕活動をおこなった文氏は、宗教活動に身を投じていく。翌1946年、現在の北朝鮮における首都・平壌に移り、伝道活動をはじめる。
当時の平壌は「東方のエルサレム」と呼ばれるほどにキリスト教信仰が厚い地域だった。しかし新興宗教を取り締まる北朝鮮安全部によって、文氏は2度にわたり逮捕・投獄される。

1950年に朝鮮戦争が勃発したことで混乱の中、刑務所を脱出、活動の拠点を釜山や大邱などに移した。

1954年(文氏が34歳の時)、ソウルで正式に世界基督教統一神霊協会(通称:統一教会)を設立する。
統一教会の特徴の1つとして、反共(反共産主義)的な政治的立場がある。
冷戦という時代背景もあり、この立場から反共派の支持を集め、統一教会は韓国や日本のみならず、世界的に支持を拡大していった。

1957年にはすでに韓国全土に伝道師を派遣した。
1961年には、同年の軍事クーデターで国家再建最高会議議長に就任し、軍事独裁体制を築いた朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領のもとで、反共産主義思想である「勝共思想」を展開している。そのことで、時の政府から保護を受けている。

1958年(日韓国交正常化前)、日本に宣教師を送り込んでいる。
1964年に日本で宗教法人の認可を受けた。
1966年には全国大学原理研究会(現CARP)が設立され、大学生や青年への伝道が活発化した。
 日本における「国際勝共同連合」の初代会長は、日本の統一教会の初代会長でもあった久保木修己(立正佼成会出身)が就任した。
また、名誉会長には、「右翼のドン」として知られる笹川良一氏が就いている。さらに連合の設立には、反共産主義という政治的立場の一致から、安倍晋三元首相の祖父である岸信介元首相らも協力した。その後も統一教会は政界へ積極的に浸透しようとし、実際に自民党保守議員からの庇護を受け、勢力を拡散していった経緯がある。

1974年、文鮮明氏による晩餐会には、岸元首相や福田赳夫元首相、安倍晋太郎元官房長官ら政界のビッグネームが参加するなど、1970年代を通じて統一教会と自民党の一部政治家との関係性は深いものとなる。

1970年代、統一教会は米国での活動を活発化させることに成功する。
1960年代後半のヒッピー文化の興隆やチャールズ・マンソンに代表されるカルトの勃興によって、新興宗教への関心が高い時期でもあり、統一教会はその流れに乗り米国内で急速に信者を増やした。

1976年のThe New York Times 紙は、その活動を以下のように報じている。
 急成長している文鮮明のグループは、米国内で韓国政府への支持を確立するため多くの努力を払っている。これらは、議会での集中的なロビー活動、著名な政治家や実業家、地域リーダーへの働きかけ、韓国で戦争が起こった場合に参戦することを誓う熱心な信奉者の育成、共産主義を攻撃して、韓国とアメリカの愛国的テーマを結びつける入念なPRキャンペーンなどの形式を取っている。
 その政治的・社会的影響力が増していることがうかがえる。

1981年、文氏は所得税の未申告による脱税疑惑から起訴・収監された。その際には、キリスト教右派団体やバプティスト教会、全米黒人カトリック聖職者会などの牧師が、文氏の無罪と釈放を要求するデモをおこなっている。
 脱税の罪によってアメリカで実刑判決を受けていた文鮮明教祖が日本の入管法の規定で日本に入国することはできなかった。

1992年、宮澤喜一政権下で日本に入国できないはずの文総裁が、「日本の議員連盟との意見交換」という名目で、法務大臣の特別許可を得て入国している。文氏は“自民党のドン”と呼ばれた金丸信・自民党副総裁とも会談し、文氏の入国問題は、「金丸氏から政府に圧力があった」と報じられて国会で問題化している。
 統一教会・勝共連合は選挙運動を通じて自民党を中心に与野党の多くの議員に食い込み、政界に強い影響力を持っていたことがうかがえる。

1980年代以降、日本では統一教会により高額な印鑑などが売りつけられる霊感商法が社会問題化。これは、同教会の資金獲得戦略の転換がきっかけになった。もともと統一教会は、1960年代からすでに資金獲得の方法として、花売りや福祉募金、廃品回収などをおこない、さらには多くの会社を設立して韓国の統一教会系企業から朝鮮人参茶などを輸入販売するなど、企業活動を広く手掛けていた。

1980年以降、この事業部門の位置づけが肥大化したことで、霊感商法が手広くおこなわれるようになった。信者への高額献金ノルマは現在も課されており、実際に2018年には年間300億円の献金目標を達成しているという指摘もある。

1980年代後半から90年代、“霊感商法の統一教会”というイメージが定着。
「世界平和統一家庭連合」に名称変更を申請するも(中身が同じということで)却下される。
しかし、下村博文・文部科学大臣の時代になって突然承認される。

2012年、教会の創設者である文鮮明が死去。
 現在、文氏の妻、韓鶴子氏が世界平和統一家庭連合の現総裁。

2021年9月12日、安倍晋三元総理、統一教会系の「天宙平和連合(UPF)」の集会に、ビデオメッセージを寄せる。