つむじ風

世の中のこと、あれこれ。
見たこと、聞いたこと、思ったこと。

重大局面、今後の予測3

2020年04月23日 23時06分50秒 | 新型CORONA Virus対策

 東京都の今日の感染者数を見ると、グラフは鈍化しているように見える。このまま右肩下がりで推移すれば、赤の曲線軌道で感染者数は降下する。ただ、今月2日当たりからボトムラインがほぼ100人を切らずに推移している。この原因は、無症状の感染者が活動を継続し感染を繰り返していることにあるのではないかという疑いがある。もしそうであるならば、以降いかに努力しても感染者数を減らすことは出来ないだろう。

 そうであれば、別の対策が必要になる。感染ルートを公表し、心当たり或いは何らかの関係があると思われる人の徹底した検査による無症状感染者の発掘が必要になる。ある程度規模が大きくなってしまうが、無症状の感染者を抑え込むには、これしかない。現状では適切な薬が無い以上、無症状の人にも「陽性であることを認識」してもらい、自宅で自己隔離、療養してもらうしかない。ここまで出来れば、50人以下に抑えることも可能になって来るのではないか。

5月6日までに、2回のピークを迎えることになると思うが、26、27日あたりのボトムラインを100人前後で推移するようであれば、無症状感染者のそれは、ほぼ確定してくる。
 感染ルートを一回り拡大解釈し、周辺関係者の徹底した検査を実施して欲しい。幸い、新しい検査キットが完成したところでもある。ここは物量作戦と速攻作戦で当たるしかないのではないだろうか。猶予は残されていない。ここは、決断を先延ばしして「緊急事態」を長引かせ、キズを深くするよりも、先手を打とうではないか。何も26、27日まで待つ必要はない。

 もう一つ、考えておくべき必要なこと。
日毎の感染者数がある程度減少して「緊急事態」を解除しようとした時、どのようなタイミングや手順で或いは工程で、要請を解くかを考えておく必要がある。一律解除は先の予測のように無症状感染者が存在する限り難しい。一度大量に広がってしまえば、たちまち元の木阿弥になる可能性は非常に高い。感染ルートを特定する体制を維持しつつ、徐々に解除を拡大するしかない。先ずは車で単独移動できる人が最初の解除対象者になるだろう。次が物流関係だろうか。三密回避を維持しながら注意深く進める必要がある。




白蓮れんれん

2020年04月23日 15時05分56秒 | Review

林 真理子/集英社文庫

 2005年9月25日初版、2014年7月8日第十刷。著者の作品は初めて読む。著名で多彩な作家であり誰もが御存じの方だが、別に嫌っている訳ではない。ただ、何故か今まで縁が無かった。

 主人公の白蓮と言えば、国営放送・2014年朝ドラの「花子とアン」年でお目に掛かった方以外に思い当たらない。日蓮の親戚筋ということも無かろう。読んでみると、やはり村岡花子の女学校時代の同窓、あの白蓮であった。この作品が出版されて10年後の朝ドラということになる。この作品にも村岡花子は登場するが、ほんの触りだけで朝ドラのような話は何処にもない。
 この作品のネタは龍介、燁子の700通にものぼる残された書簡である。そして、宮崎智雄・蕗苳(白蓮の長女)夫婦、伊藤伝之祐(伝右衛門の孫)の取材も大いに補強になっただろうと思われる。残された二人の間の書簡を見て、著者の恋愛観を刺激するものがあったに違いない。

 1つは、「昔の男はヒドイ」。女でなくても思わず唸ってしまう。この乱れた家族関係は何なんだと。正妻、妾入り混じって、更に子や養子が乱立する。昔の殿様のようでもあり、何とも形容しがたい家風である。こんな人間関係が平然と存在していたことが不思議でもある。おそらく、それは伝右衛門が特殊だった訳ではないと思われるからだ。女の生き方と妻の座というものに著者の視点があるように思うがどうだろう。

 最後に尼になった初枝を見舞ったとき、子供の頃までさほどの違いも無く育った二人だが、二人の生き方がこれ程際立ったように見えたことはない。「私は決して諦めなかった」「死ぬより~負けなかった」と言う燁子は、何と誇らしく自信に満ちていることだろう。片や、女に生まれたことに悔い、次は男に生まれたいと。そして片や、女に生まれたことに満足し、喜びに満ちているのだ。初枝と対比させることで、より立体的にリアリティを醸している。



10万円の一律給付

2020年04月22日 22時46分18秒 | 新型CORONA Virus対策

 4月20日、総務省から「10万円の一律給付」の概要が発表された。この政府政策に口うるさい方々は、賛否両論で沸騰している。沸騰してはいるが、話のネタにするだけでなかなか妙案はない。私はこの政策に全くもって「反対」である。公平のつもりで「一律」としたのかもしれないが、とんでもない不公平である。困窮者、弱者救済にもなっていない。
 改めて「10万円の一律給付」の「目的」は一体何なんだろう。このような「目的」の不明瞭な政策は、政治家の創造力の欠如、貧困さを表しているようで、実に嘆かわしく悲しい。
 後々「10万円の一律給付」を理由に、政府は「費用回収」することになる。それは所得税なのか、消費税なのかは判らないが、いずれにしても「一律給付」を格好の理由にするに違いない。

【対案1】
 現行の「生活保護」とは別の「特別・生活保護」を新設し、生活に困窮してしまった方々の申請に対し「20万でも30万でも」給付すべきである。無利子無期限の政府保証「貸付」としてもよい。そして(コロナはいつ終息するのか見当も付かないが)一日も早く、原状復帰することができるよう支援すべきである。何も議員や公務員や年金生活者、生活保護受給者、資産家等余力のある方々、減給や解雇に縁のない方々に給付する必要は全くないし、給付しても何の意味も無い。
 政治家は、会見で聞かれれば「常識的にはしない」とか「基本的に申請をするつもりは全くない」とか言っているが、それでは自分たちが決めた「一律」とは何なのか。申請する人は「非常識」で、「基本」から外れた規格外の人なのか。一見、耳触りの良い太っ腹を装った全くの政治的「パフォーマンス」であるにすぎないことを告白するようなものだ。それにしても10万円で何ができる。窮地に陥った人にとって、切り詰めた1~2か月の生活費さえ賄うのは難しいだろう。
 「家賃」と名の付くものは収入に対して相当の部分を占める。30%から40%くらいだろうか。10万円でひと月分の家賃が払えれば精一杯だと思われる。収入源を失った人にとって、猶予は1ヵ月しかない。この間、コロナは終息し、仕事に復帰できるのだろうか。

 そうこうしているうちに、「21日、厚生労働省が都道府県などに対し、給付金の取り扱いを通知」。それによれば、生活保護受給者は今回給付を「収入と認定しない」と説明している。「全ての人に一律支給が給付金の趣旨」だから、と。   ・・まったく、何なんだコレは。

【対案2】
 もう一つ提案がある。感染者を受け入れている医療施設の医療従事者に「一律10万円」を準備してもらいたい。全てのパート、看護師、医師に。そして「終息」が見えた時に給付してもらいたい。危険にさらされ、差別的な風評被害を受けながら、日夜休むことなく仕事をしている方々を「慰労」するために。10万円はとても見合う金額ではないかもしれないが、政府が出来ることの1つではないだろうか。四月も中を過ぎ、一向に先が見えない中で20日、既に離職していた110人の看護職経験者が復帰に応じてくれたというニュース。高給を保証された政治家とは全く次元の異なる話だ。




重大局面、今後の予測2

2020年04月21日 12時03分11秒 | 新型CORONA Virus対策

 このグラフで見ると10日基準の感染者のピークは(山が潰れてはいるが)16日にありそうだ。おそらく、次の山は22日~23日あたりに来るだろう。17日に200人を超えた時、一瞬ヒヤリとしたが、先ずは250人を超える「感染拡大」にならずに済んでよかったと思う。このまま22日、23日で新規感染者が50人以下になれば、かなり明るいニュースになるのだが、それは楽観的に過ぎる。22日~23日あたりに来るであろうピークが150人を切るかもしれない。もし、そうなれば終息方向に持ち込める道筋が見えてくるのだが、どうか。

 悲観的な見方をすれば、赤の直線のように22日、23日の次のピークは感染者が250人に近づき、29日頃の感染者ピークは250人を超える。そうならないためには、
1.やはり外出自粛をどこまでキッチリ実行できるかに掛ってくるものと思われる。
2.人が集まる施設の「院内感染」を徹底して防止することも重要な要素だ。
 病院の「院内感染」は、病院の機能停止だけでなく、医療従事者の不足と疲弊に追い打ちを掛ける。
3.感染経路を徹底的に追跡して、感染者を特定し隔離することだ。

 どれも簡単ではないが、しかしどれ1つ欠けても感染拡大は防げない。
しかし、いったいこの「重大局面」はいつまで続くのだろうか。



高性能CORONA Virus検査キット

2020年04月15日 10時57分33秒 | 新型CORONA Virus対策

 ここに来て、やっと高性能なCORONA Virus検査キットが出て来た。朗報である。ここまで何とか感染拡大を抑え、引き伸ばしてきた甲斐があったというものである。検査の精度が上がったからと言って、肺炎が治る訳ではないが、速く正確な結果が出れば、後の対策も取り易い。少なくとも感染拡大を把握する有効な手立てになるだろう。あとは有効な治療薬がいつできるのかが問題になってくる。

20200331、「新型コロナウイルスの検出試薬」を発売/杏林製薬
 キョーリン製薬ホールディングスは31日、傘下の杏林製薬が開発した「新型コロナウイルスの検出試薬」を4月中旬ごろに発売すると発表した。産業技術総合研究所と共同開発した遺伝子検出装置と組み合わせて検査すれば、ウイルスを15分程度で検出できるという。
検出には現在4~6時間程度かかっており、大幅な短縮が期待できる。装置は全国16カ所の医療機関に配備されている。これは簡易的な検査キットなのだろうか。検出精度はどのくらいなのだろう。
価格面ではどうか。

20200409、「新型コロナ診断の検査薬」4/10発売/栄研化学
 新型コロナウイルスの診断補助に使える検査試薬キットを発売する。3月18日に研究用として先行販売していたものが、体外診断用医薬品として厚生労働省から同31日に承認された。ウイルス検出の性能が認められたことになり、医療現場での導入が広がる可能性がある。

同社の開発した遺伝子増幅技術「LAMP法」による検査に使う試薬で、下処理した検体から35分でウイルス感染を判定できる。試薬キットを購入すれば、全国約500施設に導入されている同社の検査装置をそのまま使える。また、同社のインフルエンザウイルス用の試薬を用いることで、検体の下処理も10分程度で済むようになった。

 本来は研究用試薬を診断の補助に使うことはできないが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、栄研化学の研究用試薬も特例的に使用が認められていた。体外診断用医薬品として正式に承認されたことで、データに基づいて性能が認められた製品として使えるようになった。

20200410、「2019新型コロナウイルス検出試薬キット」を発売/島津製作所
 開発を進めていた「新型コロナウイルス検出試薬キット」を4月20日から発売。
PCR検査の全工程を従来の半分である約1時間に短縮。また、手作業を行わずに済むため、人為的なミスを防止。島津製作所独自のAmpdirect技術を用いて、新型コロナウイルス検出試薬を開発。「DNAやRNAを抽出・精製することなく、生体試料をPCRの反応液に直接添加できる」という独自技術。

1.迅速・簡便な作業性
 キットには必要な試薬が全て含まれており、直ぐにPCR検査が実施できます。試薬および試料の調製、前処理(加熱)、反応、検出という全工程を約1時間で完了できる。
2.精度の向上
 誤操作などにより、陽性にもかかわらず遺伝子増幅が起きなかった場合に誤って陰性と判断しないよう、本キットの反応液には、増幅工程が正しく進んだことを確認するための参照成分を添加。これにより、偽陰性が生じる可能性を低減し、検査結果の精度向上が期待できる。評価における陽性一致率・陰性一致率はいずれも100%であった。
3.価格
 22万5000円(100検体分/キット、税抜き)、一検体当たり2,250円
(使用にはPCR装置、他各種装置や設備が必要なため小売店や個人への販売は予定していない)




PCR検査

2020年04月14日 13時38分19秒 | 新型CORONA Virus対策

 微量の検体を高感度で検出する手法で、Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の頭文字をとってPCRと呼ばれている。ごちゃごちゃと難しいのだが、自分なりの解釈で理解しようとすると、次のようになる。

 CORONA VirusのDNA配列に付加する短いDNA(プライマー)というものを用意する。短いDNA(プライマー)はCORONA Virus専用のマーカーのようなものだろう。
 採取した検体と共に、DNA合成酵素の働きと温度調節によってこれを100万倍に増殖させる。増殖によってはじめて(DNAを染め出す特殊な装置に入れて)目視が可能なレベルになる。
 検体の中にターゲットとなる遺伝子があれば増えて目で確認することができ“陽性”と判定。しかし、検体の中にターゲットとなる遺伝子がなければ増えないので、目で確認することはできず、“陰性”と判定される。

 世の中、完璧なものなど何処にも無い。比較的検出確度は高いとされているPCR検査だが、検体採取の方法、検査工程のバラツキ、最終目視の確認などいろいろな所に不完全な要素が潜んでいる。遂には検体を取り違えたという話しや、愛知県の衛生研究所のように検査工程の人為的なミスにより誤って陰性(24人)を陽性と判定した例もある。

 「顕微鏡では見ることのできない病原体の有無を調べる」方法としては確かに有効だが、100%これに依存することは出来ない。確かに遺伝子検査は飛躍的に発展し、迅速性を要する微生物検査の分野にも応用されている。遺伝子検査を導入することで、微生物の新たな一面も解明されてきた。しかし、遺伝子検査は完全な検査ではなく、従来の生化学的検査を併用することで補完される・・という。

このことから、
 誤って(感染していないのに)「陽性」と判断してしまう「偽陽性」、
逆に誤って(感染しているのに)「陰性」と判断してしまう「偽陰性」の割合を計算した人が居る。
 3,700人に対してPCR検査を行った場合、偽陽性が137人、偽陰性が48人発生すると思われる。検査の検出精度を95%、有病率は26%としたときの机上の推測であるが、当たらずとも遠からずである。
原因は検出精度が「陽性、陰性」共に100%ではないことにある。
ちなみに3,700人というサンプル数はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員数である。

更に、PCR検査は時間も掛かるカネも掛る
 その検査方法、検査工程から考えて、とても即席で判定できるものではない。現状では4~6時間掛っている。環境設備が整っていても最短でも2時間は必要。それだけに費用も掛かる。厚生労働省によれば、一検体あたり、自前施設内で検査可能な医療機関は1万5000円、検査機関に検体輸送の必要がある医療機関は1万9500円となるらしい。今回は保険適用とし、検査費用は患者本人に求めないものの、とても大規模に検査できるというものでもない。




重大局面、今後の予測

2020年04月13日 23時25分20秒 | 新型CORONA Virus対策

 今日の東京都の感染者の発生は91人だった。グラフの通り10日当たりがピークであったことが明確になった。この感染の発症者は前段の4日頃に感染した人たちであろう。そして、4日の感染発症者は先月の29日前後に感染したものと思われる。

 今日の感染発症者数は100人を切っているが、次のピークは16日前後に到来するものと思われる。10日の200人に迫った発症者から感染したであろう人達が16日前後に発症する。これが日に250人を超える発症者が出るようであれば、更なる対策を打たねばならない。何故ならグラフが示す通り、右肩上がりの感染拡大軌道に乗っていることが明確になるからだ。

一つ言えることは、このグラフの感染者数には「中野江古田病院」と「永寿総合病院」の院内感染者約200人が含まれており、もし院内感染が起きてなければ実数はかなり少なくなる。
更に院内感染は経路が比較的はっきりしており、対策が取り易いということもある。勿論院内感染が起きてしまったことは残念なことだが、完全な経路不明の市中感染よりはマシなのかもしれない。

3/31、都知事による「感染爆発の重大局面」が発表されてから13日が過ぎた。4/07、政府も「緊急事態を宣言」した。
七割自粛が効を奏すかどうか、このやり方が正しいのかどうか、いよいよ正念場にさしかかる。



院内感染

2020年04月12日 22時46分11秒 | 新型CORONA Virus対策


20200307福知山市民病院/京都府福知山市
 介護福祉士(40代女性)が大阪市のライブハウスを訪れて、7日になって感染が確認された。以降、関係者(医療従事者、入院患者等)190人のPCR検査を実施、うちうち陽性は2名。関係者の家族10名のPCR検査を実施、うちうち陽性は介護福祉士の両親2名が陽性だった。20200313一応の濃厚接触者感染確認が全て完了し、4月8日終息を宣言。

20200307国立循環器病研究センター/大阪市
 大阪市のライブハウスを訪れて感染した女性がセンターを受診。
対応した非常勤看護師の女性の感染が判明。センターは一時外来診療を休診した。

20200307仁恵病院/姫路市野里
 病棟看護師の感染が確認された。入院していた患者約50人の中では11人が感染した。以降、同病院の関係ではこれまでに計14人の陽性が判明し、うち2人が亡くなった。精神科の病院であったために、転院に難航し風評被害に悩まされた。

20200311宝塚第一病院/宝塚市
 3月1日、医師が外来診察した患者がそのまま入院、10日に死亡した。
11日になって感染が発覚。グリーンアルス伊丹(ゲイケア)の利用者だった。(04/09時点でグリーンアルス伊丹では53人の感染が確認され、うち7人が亡くなっている)
3月16日から4月8日までの間、外来の中止、新規入院患者の受入中止、救急受入を停止し、現在入院中の患者様は継続治療を行う。
3月27日、転院先の感染症指定医療機関で2名の患者が亡くなった。2名は10日に死亡した患者と同室だった。PCR検査対象は500名、うち濃厚接触者は50名。27日時点で400名は完了している。
3月26日、感染者は全員転院が完了した。これまで、医師、入院患者合わせて8人が感染した。4月9日から外来診療、入院受け入れを再開した。

20200319国立病院機構大分医療センター/大分市
 3月19日に元入院患者の男性の感染が確認され、医師や看護師、患者らの陽性が次々と判明。厚労省は感染経路の特定や拡大防止のため、クラスター対策班を派遣した。職員らが共用するタブレット端末や休憩室で感染が広がった可能性を指摘。センター関連の感染者は6日時点で24人となった。

20200331新小文字病院/北九州市門司
 救急外来で頭部外傷の患者(80歳)を受け入れる。外傷は快方に向かったが発熱が持続するため、PCR検査を実施。3月31日、陽性と判明した。元来、新型コロナは受け入れず、救急医療、急性期医療に専念する方針の病院だが、今まで発熱を伴う救急患者に対してはPCR検査を実施している。しかし、陽性の結果が出たのは今回が初めてであった。この時既に、医療関係者の濃厚接触があり、診療業務を停止してスタッフ75人のPCR検査を進めた結果、4月8日時点で19名の感染が判明している。
その他、関係者約1,000人のPCR検査を進めている。

20200401慶応大病院/新宿区
 永寿総合病院/東京都台東区から3月26日以降、転院してきた患者1人の感染がわかり、その後、転院後に同室だった3人の入院患者計4人の感染を発表していた。更に研修医や看護師、患者の計8人の感染が判明。28日から外来の初診受け付けをやめ、31日からは救急診療も停止した。
 その後、6日、研修医約40人が飲食を共にして集団感染が起き、これまでに18人の陽性を確認したと発表した。経緯は3月31日、初期研修を終えた医師の中に感染が確認されたため、接触していた可能性が高い研修医99人を自宅待機とし、ウイルス検査を実施。6日までに18人の陽性が判明するに至った。病院の指導、注意喚起にも関わらず、研修医のうち約40人が会食していた。参加しなかった人の感染も確認されており、さらに接触者の調査を進める。

20200401中野江古田病院/東京都中野区
 1日に保健所が現地で調査、4日までに入院患者5人の感染が判明した。病院は4日まで営業を継続していたが、翌5日から外来診療、新規入院の受け入れ、面会等を中止している。Home Pageでの情報公開は7日になった。
更に20200412、医師、看護師、患者等87人が感染確認された。院内の感染はこれで92人となった。

20200402永寿総合病院/台東区上野
 20200320、多数の患者、看護師が発熱、その後のPCR検査で感染が発覚した。25日から外来診療を中止。入院中の患者(94人)や自宅待機中の職員等20名から新型コロナウイルスの感染が確認された。4日、入院中の患者3名が亡くなった。治療薬として期待される抗インフルエンザ薬「アビガン」などの投与も行っているが、基礎疾患のある患者などで進行の早い例が多く、「懸命な治療にもかかわらず救命できなかった方もいる」という。11日には院内感染で患者や医師ら163人が感染、入院中だった患者20人が死亡したと発表した。

20200403箕面市立病院/箕面市
 4月3日、50代の男性診療放射線技師1名が感染判明。なお、感染経路については不明。経緯は1日勤務終了後に発熱、2日受診し、味覚障害と肺炎を確認、PCR検査の実施に至る。
濃厚接触者は少なく、以降の感染拡大は無い模様。

20200405横浜市立市民病院/横浜市保土ケ谷区
 この病院は県内唯一の第1種感染症指定医療機関、感染症に対する高度な治療設備を持つ。横浜港に停泊し集団感染が確認されたクルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染者も受け入れてきた。
 二人の研修医が新型コロナウイルスに感染。研修医約20人は3月27日夜、市内の飲食店で同期会を開催。この場に参加した2人が感染した。感染したのは、いずれも20代の研修医。女性研修医は4月1日に感染が確認され、濃厚接触者として検査を受けた男性研修医も3日に感染していることがわかった。男性研修医は、27日の会食のほかにも、25日夜に研修医5人と市内のカラオケ店で5~6時間過ごした。28日には別の研修医と、29日には医師、放射線技師、看護師、研修医の計8人とそれぞれ会食。30日には救急外来で患者1人を診察したが、同日にも研修医1人、友人2人と会食していた。
 黒岩知事は、こうした医療機関を念頭に「医療崩壊が起きていないのは医療従事者の皆さんが全力で闘ってくれているからだ。心から敬意を表したい」と述べ、医療従事者をコロナファイターと名付けて激励したタイミングだったが、病院側は反省しきり。

20200406札幌呼吸器科病院/札幌市白石区
 6日に看護師1人、10日に看護師1人の感染があり、他にも既に退院した患者1名が感染していた。 11日、新たに入院患者(4人)と看護師(3人)の感染が判明、12日、同病院ではこれで18人の感染者が発生した。市保健所はこれまでの判明分を含め計47人の検査を終えているが、31人の検査結果はまだ出ておらず、今後感染者が増える可能性がある。04/12、60代の入院患者一人が持病悪化と感染により死亡した。

20200409神戸市立医療センター中央市民病院/神戸市中央区
 9日、最初の患者1人の感染が確認されている。以降、患者(2人)や病院職員(11人)ら計13人が続けて新型コロナウイルスに感染を確認。外来患者は当面受け入れ中止となった。
 この病院は感染患者の受け入れ病院で現在は約40人が治療中。汚染病棟は18棟のうち4棟とみられ、閉鎖した上で消毒を徹底する。接触の可能性がある職員約100人が自宅待機となり、新たな感染患者の受け入れは重症患者に制限するとした。

 病院内の感染拡大は、医療従事者の不注意によるものと、患者が持ち込むものの2つがある。「医療従事者の不注意」は言うまでも無く「医者の無養生」で、過信と傲慢によるものだろう。医者であるが故に、生殺与奪の権限が与えられ、神にでもなったような気がするのかも知れない。しかし「病院側の再三の注意喚起にも関わらず」というのは、市中で感染を拡大している「ヤカラ」と何が違うのだろうか。消防士が放火して回るマッチポンプと何が違う。感染拡大を防ごうと必死になっている医療従事者が居る一方で、そんなことに聞く耳持たず、他人事のように見ているというのは医療関係者として情けない限りである。しかし、目の前に迫って来るストレスは理解できる。宴会はコロナが去ってからにしょうではないか。

 一度、院内で感染が確認されれば一ヶ月は病院の診療業務が止まる。しかも、医療従事者、患者、関係者家族とPCR検査は50人、100人と膨大だ。しかも感染が広がったとなれば目も当てられない。これが単なる個人の不注意で済むものだろうか。勿論、それでなくても無症状、不可抗力的な感染もある。であればなおさらの事、この際は真摯に冗談でなく真面目に向き合わねばならないだろう。


 


感染から陽性確定までの経過

2020年04月08日 13時11分15秒 | 新型CORONA Virus対策

潜伏期間は2週間とみる(1~12.5日のバラツキあり、平均5~6日)。
8割程度が軽症で済む。しかし、高齢者や基礎疾患のある人は重症化しやすい。

基礎疾患:糖尿病、高血圧、慢性の腎臓病、ぜんそくや呼吸器疾患、がん、
免疫を抑制する薬を飲んでいる場合等を指す。

 北海道の例で見るとPCR検査で陽性が確認されるのは「発症」から7~8日後ということになっている。
あくまでも平均だが、

感染(0日)→無自覚、無症状
潜伏(5~6日)→発症(・・何だか具合が悪くなる)
発症(7~8日)→PCR検査受診(・・回復しないのでPCR検査受診する)
陽性確認(1日)→陽性確定  ・・という経過をたどる。

 感染後、陽性が確定されるまで、トータル12日~14日を要している。
つまり、感染者が実際に「感染」したのは凡そ2週間前ということになる。
「感染から陽性確定」までの経過は、凡そこれで既定値となった。

 この「経過」の中で、感染拡大を防ぐ機会が1つある。
それは潜伏期間を経て発症したとき、いわゆる「ちょっと具合が悪くなった」とき、先ずは疑って、自粛(2~3日閉じ籠り安静にして様子見)が出来るかどうかに掛る。それを、無視して方々に出掛け、活動してしまうと、「積極的感染拡大」してしまうことになる。今更、後戻りすることも出来ない。

 しかし、安静にしていれば、悪化せず「気のせい」だったかと思うかもしれない。風邪薬などで解熱して、回復したと思うかもしれない。この「疑い」判断と「自粛」決断にはかなり難しいものがある。

 2週間前からの経過、自分は何処で何をしていたか、それを詳細に思い出せる自信は全くない。大まかなスケジュールを遡って思い出す以外に手立てはない。それも細かい経路や接触を確定するのはほとんど困難である。ここはやはり機械(参照:「個人のトレーサビリティが有効」)に頼るほかないだろう。




Virus感染の肺炎・初期症状

2020年04月07日 10時14分11秒 | 新型CORONA Virus対策

 若者とは言え免疫力や体力の低下は重症化につながる可能性がある。そして何よりも周りに感染を拡げる可能性が非常に高い。もし、今回のCORONA Virus初期症状の可能性があるならば、1日2日休んで様子見するくらいの用心深さが必要である。断片的な、経験的な、多様な情報の中から、その初期症状には次のような状態になるらしい。

1.「発熱」
 朝の体温は37℃強。それがお昼頃から徐々に上がり、夜には39℃を超えるくらいになる。そして、これが2~3日繰り返す。37.5℃以上の発熱が3日以上続く場合は要受診。

2.「咳」
強い咳が出るため、のどが痛くなる。

3.「倦怠感」
 発熱と同時に、強いだるさ(全身倦怠感)を伴う人が多い。

4.「頻呼吸」
 概ね1分に25回以上の早い呼吸のことを指し、酸素不足で息切れしている状態。肺の機能が低下したり、肺炎になった人にみられる。肺が炎症を起こすので息切れという症状になって現れる。このような息苦しさ(呼吸困難)を伴う場合は要受診。

5.「味覚、臭覚の異常」
 味覚、臭覚が失われる(無味、無臭になる)、或いは感覚が異常に低下する人が居る。

6.「眼の不調」
 約1~3%の人が結膜炎にも罹患している。発熱や咳、息切れなどと同時に目が充血する。

・船内感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で発生した104例について

 自衛隊中央病院(東京都)が症状、治療等について以下、集計、公表している。症状として最も多く確認されたのが「発熱」で28.8%、続いて「咳」27.9%。3番目に多かったのが「鼻汁」と「頻呼吸」でいずれも15.4%だったという。

 感染していても無症状の人も居ることから、これがあれば100%感染していると判断できるものは1つも無い。しかし、周りに感染を拡げ、重症になってから受信するよりは「初期」で対処した方が重篤にならずに済む。何より拡散も最小で済む。1~6項目のうち、2項目に該当するものがあれば【感染】を疑ってもよいのではないだろうか。
 似たような症状に「花粉症」や「インフルエンザ」があるが、経験的に今までとはちょっと様子が違うと感じた時は疑うべし。