名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(429); 中飛車穴熊に銀冠

2017-02-13 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番中原先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和53年9月、有吉道夫先生と第17期十段戦です。


大山先生の中飛車穴熊です。

有吉先生は左美濃から銀冠に

あれ?さらに銀冠穴熊ですか?今風ですね。

でも大山先生が石田流に組み替えるのを見て、普通の銀冠です。角筋を通したまま穴熊にするほうが面白かったのに。

それから角筋を通して

銀も出て盛り上がります。このほうが有吉先生らしいです。

33角には角をぶつける。ここでは当然なのですが、ちょっとバランスが悪いと思うのです。

98香が損している感じだし、銀を上がって引いてで手損です。ここでは41角~23角成を狙いたいのですが、44角28飛36角でさばかれます。

よって52から角を打ち、(44角から飛車の取り合いもないことはないですが)44飛に35歩。これで34歩は42飛なので、34角成のねらいです。あまりぱっとしないですが。

大山先生は7筋を突き捨てて角を打ち

68銀と固めるのも有吉先生らしい手ですが、大山先生は4筋も突き捨てて角を成るものなんですね。これで46飛があるので

34馬で交換、角を打って

桂馬の取り合いです。と金ができるほうが良いものなんですが、穴熊は遠いです。

大山先生が桂を打てば

有吉先生も。でもこれはミスで、62歩同金寄74桂が手順というものです。48馬と使われて

44角に75馬がぴったり。有吉先生の調子がおかしいです。角を打たないで62歩75馬82桂成同金上61歩成、は空振りのようでも と金を作って勝負でしょう。

有吉先生の粘りです。底歩を打って

78銀と埋めて

86桂は攻防。これで難しいのかと思ったら、大山先生から端歩突きです。桂馬を打ったばかりですから、本当に驚きます。意味は、94同歩に97歩から95まで連打して香を吊り上げ、86馬から96桂。

有吉先生は底歩で受けますが、桂を打たれました。このとき78にあるのが銀ですからもろいのです。

54の銀をまっすぐ出る、ななめ駒を取れば詰めろです。

結局66の角を54の銀で取られたことになり

どうにも息苦しいです。困りました。

非常手段で竜を切って金を打ち

94の香を外すのですが、大山先生も竜を切って

飛車を打ち込みます。(金でもよいのですが)

投了図。


少し有吉先生の指し方がおかしかったのですが、それでも良い勝負でした。銀冠が優秀なのだと思います。
大山先生の終盤の94歩が見事。誰も予想していないでしょう。
タイトル挑戦失敗したばかりですが、大山先生は好調を保っているようです。でも穴熊は向いていないと思うのですが。


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