☆ 昨日の復習
先手番森安先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜20170723
昭和56年3月、石田和雄先生と第36期棋聖戦です。
大山先生の四間飛車に森安先生は急戦です。大山先生の陣形が独特ですが、袖飛車を見せてツノ銀みたいです。
46歩には32金なので、石田先生は中央位取りに。
よくあるのは37桂から45歩同歩同銀でゆっくり、という指し方ですが、袖飛車で3筋の歩を交換しに行きました。
この歩交換に金を引いて飛車をぶつけるのは大山先生考案の手筋です。
石田先生は飛車交換はできず
35の歩を取られますが、端を取り込みました。
35角が味の悪い形(飛が向き合って間に価値の高い駒を置きたくない)なので、中央での衝突は居飛車が指しやすくなるはず。
大山先生はやむを得ずに桂を取らせて
位を主張します。
これで角と銀の交換になり
飛車は成れたものの
馬を作られます。
石田先生はかなり駒得なのでゆっくりでもよかったのですが、馬は竜と交換しに行きました。
角打ちには飛打ちで
銀と角桂の交換です。18飛には23飛成でもよさそうですが、16飛成~66香を嫌いました。
32角で64歩ねらい。大山先生は駒損でも玉の堅さを主張すべく銀を打ちます。
石田先生としては歩で良いところに桂を打つのですからやや効率が悪いですが
後手陣を薄くできました。そのあとは飛を侵入させたくて銀を打つのですが、良いような悪いような。52銀から絡んでおくのが普通の手でした。43歩成がうまく入れば飛車を成り込めます。
飛車を成り込めますが、66桂ではがされて
72銀が間に合うと後手玉はまだ堅く、67角や香という確実な攻めを受けにくいです。
97角は攻防ですが、2手すきをかけられました。詰めろを続けられるかどうか。
角筋を止められたのが痛くて
詰めろは続くのですが
攻め駒が減ってしまう攻め方です。
手筋が続いても
ここまでで投了です。
大山先生の13角~35角がおかしいのでしょう。駒得の石田先生が有利だったのですが、65歩の位を生かされた確実な攻めを前に、何かありそうだけど見つからない、という心境だったと思います。実戦心理としては焦りますね。形勢有利だといろいろな手が見つかるわけで、その選択を誤りました。石田先生のボヤキが聞こえてきそうな棋譜です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:石田和雄8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 4三銀(32)
15 3六歩(37)
16 8二玉(72)
17 6八銀(79)
18 7二銀(71)
19 5七銀(68)
20 6四歩(63)
21 6八金(69)
22 9四歩(93)
23 9六歩(97)
24 6三銀(72)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 4六歩(47)
28 3二金(41)
29 5五歩(56)
30 7四歩(73)
31 4七銀(48)
32 7二金(61)
33 5六銀(47)
34 7三桂(81)
35 1六歩(17)
36 1四歩(13)
37 3八飛(28)
38 2二角(33)
39 3五歩(36)
40 同 歩(34)
41 同 飛(38)
42 3一金(32)
43 3六飛(35)
44 3二飛(42)
45 3五歩打
46 1三角(22)
47 1五歩(16)
48 3五角(13)
49 1四歩(15)
50 4一金(31)
51 6六歩(67)
52 5四歩(53)
53 6五歩(66)
54 同 桂(73)
55 4八銀(57)
56 5五歩(54)
57 6七銀(56)
58 5四銀(43)
59 6六歩打
60 4五歩(44)
61 6五歩(66)
62 同 歩(64)
63 5七銀(48)
64 4六歩(45)
65 同 銀(57)
66 同 角(35)
67 同 飛(36)
68 4五歩打
69 4九飛(46)
70 3八飛成(32)
71 4八金(58)
72 2七龍(38)
73 5三角打
74 5二金(41)
75 1七角成(53)
76 2五龍(27)
77 1六馬(17)
78 同 龍(25)
79 同 香(19)
80 2七角打
81 2六飛打
82 4九角成(27)
83 同 金(48)
84 1八飛打
85 5八金(49)
86 1四香(11)
87 3二角打
88 4三銀打
89 2一角成(32)
90 1六香(14)
91 4四歩打
92 3四銀(43)
93 6四桂打
94 同 銀(63)
95 5四馬(21)
96 6三金(52)
97 同 馬(54)
98 同 金(72)
99 2七銀打
100 2八飛成(18)
101 1六飛(26)
102 6六桂打
103 同 銀(67)
104 同 歩(65)
105 1二飛成(16)
106 7二銀打
107 9七角(88)
108 6七角打
109 8八玉(78)
110 5八角成(67)
111 8五桂打
112 7五香打
113 7三香打
114 同 銀(64)
115 9三桂打
116 6二銀(73)
117 8一金打
118 同 銀(72)
119 同 桂成(93)
120 同 玉(82)
121 7三桂成(85)
122 同 金(63)
123 6二龍(12)
124 7二金打
125 投了
まで124手で後手の勝ち
先手番森安先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜20170723
昭和56年3月、石田和雄先生と第36期棋聖戦です。
大山先生の四間飛車に森安先生は急戦です。大山先生の陣形が独特ですが、袖飛車を見せてツノ銀みたいです。
46歩には32金なので、石田先生は中央位取りに。
よくあるのは37桂から45歩同歩同銀でゆっくり、という指し方ですが、袖飛車で3筋の歩を交換しに行きました。
この歩交換に金を引いて飛車をぶつけるのは大山先生考案の手筋です。
石田先生は飛車交換はできず
35の歩を取られますが、端を取り込みました。
35角が味の悪い形(飛が向き合って間に価値の高い駒を置きたくない)なので、中央での衝突は居飛車が指しやすくなるはず。
大山先生はやむを得ずに桂を取らせて
位を主張します。
これで角と銀の交換になり
飛車は成れたものの
馬を作られます。
石田先生はかなり駒得なのでゆっくりでもよかったのですが、馬は竜と交換しに行きました。
角打ちには飛打ちで
銀と角桂の交換です。18飛には23飛成でもよさそうですが、16飛成~66香を嫌いました。
32角で64歩ねらい。大山先生は駒損でも玉の堅さを主張すべく銀を打ちます。
石田先生としては歩で良いところに桂を打つのですからやや効率が悪いですが
後手陣を薄くできました。そのあとは飛を侵入させたくて銀を打つのですが、良いような悪いような。52銀から絡んでおくのが普通の手でした。43歩成がうまく入れば飛車を成り込めます。
飛車を成り込めますが、66桂ではがされて
72銀が間に合うと後手玉はまだ堅く、67角や香という確実な攻めを受けにくいです。
97角は攻防ですが、2手すきをかけられました。詰めろを続けられるかどうか。
角筋を止められたのが痛くて
詰めろは続くのですが
攻め駒が減ってしまう攻め方です。
手筋が続いても
ここまでで投了です。
大山先生の13角~35角がおかしいのでしょう。駒得の石田先生が有利だったのですが、65歩の位を生かされた確実な攻めを前に、何かありそうだけど見つからない、という心境だったと思います。実戦心理としては焦りますね。形勢有利だといろいろな手が見つかるわけで、その選択を誤りました。石田先生のボヤキが聞こえてきそうな棋譜です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:石田和雄8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 4三銀(32)
15 3六歩(37)
16 8二玉(72)
17 6八銀(79)
18 7二銀(71)
19 5七銀(68)
20 6四歩(63)
21 6八金(69)
22 9四歩(93)
23 9六歩(97)
24 6三銀(72)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 4六歩(47)
28 3二金(41)
29 5五歩(56)
30 7四歩(73)
31 4七銀(48)
32 7二金(61)
33 5六銀(47)
34 7三桂(81)
35 1六歩(17)
36 1四歩(13)
37 3八飛(28)
38 2二角(33)
39 3五歩(36)
40 同 歩(34)
41 同 飛(38)
42 3一金(32)
43 3六飛(35)
44 3二飛(42)
45 3五歩打
46 1三角(22)
47 1五歩(16)
48 3五角(13)
49 1四歩(15)
50 4一金(31)
51 6六歩(67)
52 5四歩(53)
53 6五歩(66)
54 同 桂(73)
55 4八銀(57)
56 5五歩(54)
57 6七銀(56)
58 5四銀(43)
59 6六歩打
60 4五歩(44)
61 6五歩(66)
62 同 歩(64)
63 5七銀(48)
64 4六歩(45)
65 同 銀(57)
66 同 角(35)
67 同 飛(36)
68 4五歩打
69 4九飛(46)
70 3八飛成(32)
71 4八金(58)
72 2七龍(38)
73 5三角打
74 5二金(41)
75 1七角成(53)
76 2五龍(27)
77 1六馬(17)
78 同 龍(25)
79 同 香(19)
80 2七角打
81 2六飛打
82 4九角成(27)
83 同 金(48)
84 1八飛打
85 5八金(49)
86 1四香(11)
87 3二角打
88 4三銀打
89 2一角成(32)
90 1六香(14)
91 4四歩打
92 3四銀(43)
93 6四桂打
94 同 銀(63)
95 5四馬(21)
96 6三金(52)
97 同 馬(54)
98 同 金(72)
99 2七銀打
100 2八飛成(18)
101 1六飛(26)
102 6六桂打
103 同 銀(67)
104 同 歩(65)
105 1二飛成(16)
106 7二銀打
107 9七角(88)
108 6七角打
109 8八玉(78)
110 5八角成(67)
111 8五桂打
112 7五香打
113 7三香打
114 同 銀(64)
115 9三桂打
116 6二銀(73)
117 8一金打
118 同 銀(72)
119 同 桂成(93)
120 同 玉(82)
121 7三桂成(85)
122 同 金(63)
123 6二龍(12)
124 7二金打
125 投了
まで124手で後手の勝ち
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