☆ 昨日の復習
後手番中原先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和53年8月、米長邦雄先生と第5回名将戦です。
大山先生の四間飛車に米長先生は居飛車穴熊です。このころはメジャーではなかったのですが、時々ありますね。今風の組み方ですが、端を突いてから組んでいるのに違和感があります。
66銀から68角というのが初期の組み方です。でもこれだと58金右がおかしな手になっていて、右金を寄せにくいです。
金を寄せるために角を出て
75歩、これが狙いの一つです。でも58金の形がここでも災いしていて、78飛と回りにくいです。
形を気にしない米長先生らしく、右金は上に出て攻めに使います。
金が76まで出たら大山先生はぶつけられる前に銀を引いて
65歩で銀を追いましたが、米長先生は(相手が相手ですし)気合いよく取りました。
角筋を止めてどうやら大山先生のペース。
と金は大きいのですが、米長先生は角をこの筋で使い
手厚い銀打には、とにかく食いつきます。
金を捨て角を捨て
と金を作って飛車を回る、かなりの駒損ですが、大山先生が歩切れなのでまだまだ。
桂を使わせて質駒。しがみつきます。
飛車を切って桂を打てばうるさそうです。
飛車打ち、ここではこれしかないのですが、心理的には打ちにくいです。
飛車を取られて打たれても、しっかり受けます。
とにかく自玉の安定が最優先で、かなり駒得ですから長くなればよいはず。
米長先生は93に金を放り込んでも少し足りませんから、遠巻きに攻めます。
銀取りを金取りで返されて
なかなかうまくいきません。
味の良さそうな突きだし、攻防です。仕方ないので93銀から攻めて、
角が手に入ったので王手飛車。受けさせてから攻める不思議な順でしたが、大山先生が王手飛車でも問題ないと判断したのでしょう、しかし少しは難しくなりました。米長先生らしい勝負術だったとも言えます。
飛車を取ってもまだ2枚換えくらいですから、大山先生が有利です。手堅く金を打ち
穴熊はかなり崩れているので寄り筋。
でも米長先生は85香から桂を払って頑張ります。
馬を切り飛車も打って
後手玉に迫ります。わからなくなってきました。
飛車を切り田楽刺し。でも馬を取って85桂右のほうが良かったか。
これでも難しそうですが
後手玉が詰みにくい形なので届かず。投了図です。
やはり大山米長戦は面白いです。両雄の戦いというのも見ごたえがありますが、No.2争いも違った楽しみがあります。謙虚さよりも意地の張り合いが出てくるのでしょう。
米長先生は終盤型なので、序盤がおおらかで、よく作戦負けになるのですが、悪くなってから勝負になるところをかぎつける、そういう能力が特別です。大山先生の受けの感覚というのも学べる、良い棋譜でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5六歩(57)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 7七角(88)
18 4三銀(32)
19 8八玉(78)
20 7二銀(71)
21 5七銀(48)
22 5二金(41)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 9八香(99)
26 6四歩(63)
27 9九玉(88)
28 7四歩(73)
29 6六銀(57)
30 6三金(52)
31 6八角(77)
32 2二飛(42)
33 8八銀(79)
34 8四歩(83)
35 3六歩(37)
36 5四歩(53)
37 7九金(69)
38 7三桂(81)
39 4六角(68)
40 4五歩(44)
41 3七角(46)
42 4四銀(43)
43 7五歩(76)
44 8三銀(72)
45 6八金(58)
46 7二金(61)
47 7四歩(75)
48 同 銀(83)
49 7七金(68)
50 5五歩(54)
51 7六金(77)
52 8三銀(74)
53 5五歩(56)
54 4六歩(45)
55 同 歩(47)
56 6五歩(64)
57 同 銀(66)
58 5五銀(44)
59 4五歩(46)
60 4六歩打
61 5四歩打
62 4七歩成(46)
63 2六角(37)
64 5二歩打
65 7四歩打
66 6五桂(73)
67 同 金(76)
68 6四銀打
69 7五桂打
70 6五銀(64)
71 6三桂成(75)
72 同 金(72)
73 7三金打
74 同 金(63)
75 7一角成(26)
76 同 玉(82)
77 7三歩成(74)
78 8二金打
79 7八飛(28)
80 7六桂打
81 6三金打
82 7四金打
83 7六飛(78)
84 同 銀(65)
85 8三と(73)
86 同 金(82)
87 8六桂打
88 7三飛打
89 6二銀打
90 8二玉(71)
91 7三金(63)
92 同 金(74)
93 6一飛打
94 7二金打
95 7三銀成(62)
96 同 金(83)
97 7四歩打
98 6三金(73)
99 9五歩(96)
100 6二銀打
101 9四歩(95)
102 9二歩打
103 7五金打
104 6七銀成(76)
105 6八歩打
106 5七角打
107 6五金(75)
108 5六銀(55)
109 6七歩(68)
110 6五銀(56)
111 6六銀打
112 同 銀(65)
113 同 歩(67)
114 同 角(33)
115 7八金(79)
116 8五歩(84)
117 9三銀打
118 同 歩(92)
119 同 歩成(94)
120 同 角(66)
121 同 香成(98)
122 同 角成(57)
123 5五角打
124 6四歩打
125 9四歩打
126 9五香打
127 9七桂(89)
128 7五馬(93)
129 2二角成(55)
130 7一金打
131 2一飛成(61)
132 8六歩(85)
133 1一馬(22)
134 6六桂打
135 8五香打
136 同 馬(75)
137 6六馬(11)
138 7五銀打
139 7七桂打
140 7四馬(85)
141 7五馬(66)
142 同 馬(74)
143 8五飛打
144 8四角打
145 9三銀打
146 同 香(91)
147 同 歩成(94)
148 同 玉(82)
149 9五飛(85)
150 同 角(84)
151 9六香打
152 9四香打
153 8五桂(77)
154 8三玉(93)
155 6七桂打
156 6六馬(75)
157 7七香打
158 6九飛打
159 7九歩打
160 8七歩成(86)
161 投了
まで160手で後手の勝ち
後手番中原先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和53年8月、米長邦雄先生と第5回名将戦です。
大山先生の四間飛車に米長先生は居飛車穴熊です。このころはメジャーではなかったのですが、時々ありますね。今風の組み方ですが、端を突いてから組んでいるのに違和感があります。
66銀から68角というのが初期の組み方です。でもこれだと58金右がおかしな手になっていて、右金を寄せにくいです。
金を寄せるために角を出て
75歩、これが狙いの一つです。でも58金の形がここでも災いしていて、78飛と回りにくいです。
形を気にしない米長先生らしく、右金は上に出て攻めに使います。
金が76まで出たら大山先生はぶつけられる前に銀を引いて
65歩で銀を追いましたが、米長先生は(相手が相手ですし)気合いよく取りました。
角筋を止めてどうやら大山先生のペース。
と金は大きいのですが、米長先生は角をこの筋で使い
手厚い銀打には、とにかく食いつきます。
金を捨て角を捨て
と金を作って飛車を回る、かなりの駒損ですが、大山先生が歩切れなのでまだまだ。
桂を使わせて質駒。しがみつきます。
飛車を切って桂を打てばうるさそうです。
飛車打ち、ここではこれしかないのですが、心理的には打ちにくいです。
飛車を取られて打たれても、しっかり受けます。
とにかく自玉の安定が最優先で、かなり駒得ですから長くなればよいはず。
米長先生は93に金を放り込んでも少し足りませんから、遠巻きに攻めます。
銀取りを金取りで返されて
なかなかうまくいきません。
味の良さそうな突きだし、攻防です。仕方ないので93銀から攻めて、
角が手に入ったので王手飛車。受けさせてから攻める不思議な順でしたが、大山先生が王手飛車でも問題ないと判断したのでしょう、しかし少しは難しくなりました。米長先生らしい勝負術だったとも言えます。
飛車を取ってもまだ2枚換えくらいですから、大山先生が有利です。手堅く金を打ち
穴熊はかなり崩れているので寄り筋。
でも米長先生は85香から桂を払って頑張ります。
馬を切り飛車も打って
後手玉に迫ります。わからなくなってきました。
飛車を切り田楽刺し。でも馬を取って85桂右のほうが良かったか。
これでも難しそうですが
後手玉が詰みにくい形なので届かず。投了図です。
やはり大山米長戦は面白いです。両雄の戦いというのも見ごたえがありますが、No.2争いも違った楽しみがあります。謙虚さよりも意地の張り合いが出てくるのでしょう。
米長先生は終盤型なので、序盤がおおらかで、よく作戦負けになるのですが、悪くなってから勝負になるところをかぎつける、そういう能力が特別です。大山先生の受けの感覚というのも学べる、良い棋譜でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5六歩(57)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 7七角(88)
18 4三銀(32)
19 8八玉(78)
20 7二銀(71)
21 5七銀(48)
22 5二金(41)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 9八香(99)
26 6四歩(63)
27 9九玉(88)
28 7四歩(73)
29 6六銀(57)
30 6三金(52)
31 6八角(77)
32 2二飛(42)
33 8八銀(79)
34 8四歩(83)
35 3六歩(37)
36 5四歩(53)
37 7九金(69)
38 7三桂(81)
39 4六角(68)
40 4五歩(44)
41 3七角(46)
42 4四銀(43)
43 7五歩(76)
44 8三銀(72)
45 6八金(58)
46 7二金(61)
47 7四歩(75)
48 同 銀(83)
49 7七金(68)
50 5五歩(54)
51 7六金(77)
52 8三銀(74)
53 5五歩(56)
54 4六歩(45)
55 同 歩(47)
56 6五歩(64)
57 同 銀(66)
58 5五銀(44)
59 4五歩(46)
60 4六歩打
61 5四歩打
62 4七歩成(46)
63 2六角(37)
64 5二歩打
65 7四歩打
66 6五桂(73)
67 同 金(76)
68 6四銀打
69 7五桂打
70 6五銀(64)
71 6三桂成(75)
72 同 金(72)
73 7三金打
74 同 金(63)
75 7一角成(26)
76 同 玉(82)
77 7三歩成(74)
78 8二金打
79 7八飛(28)
80 7六桂打
81 6三金打
82 7四金打
83 7六飛(78)
84 同 銀(65)
85 8三と(73)
86 同 金(82)
87 8六桂打
88 7三飛打
89 6二銀打
90 8二玉(71)
91 7三金(63)
92 同 金(74)
93 6一飛打
94 7二金打
95 7三銀成(62)
96 同 金(83)
97 7四歩打
98 6三金(73)
99 9五歩(96)
100 6二銀打
101 9四歩(95)
102 9二歩打
103 7五金打
104 6七銀成(76)
105 6八歩打
106 5七角打
107 6五金(75)
108 5六銀(55)
109 6七歩(68)
110 6五銀(56)
111 6六銀打
112 同 銀(65)
113 同 歩(67)
114 同 角(33)
115 7八金(79)
116 8五歩(84)
117 9三銀打
118 同 歩(92)
119 同 歩成(94)
120 同 角(66)
121 同 香成(98)
122 同 角成(57)
123 5五角打
124 6四歩打
125 9四歩打
126 9五香打
127 9七桂(89)
128 7五馬(93)
129 2二角成(55)
130 7一金打
131 2一飛成(61)
132 8六歩(85)
133 1一馬(22)
134 6六桂打
135 8五香打
136 同 馬(75)
137 6六馬(11)
138 7五銀打
139 7七桂打
140 7四馬(85)
141 7五馬(66)
142 同 馬(74)
143 8五飛打
144 8四角打
145 9三銀打
146 同 香(91)
147 同 歩成(94)
148 同 玉(82)
149 9五飛(85)
150 同 角(84)
151 9六香打
152 9四香打
153 8五桂(77)
154 8三玉(93)
155 6七桂打
156 6六馬(75)
157 7七香打
158 6九飛打
159 7九歩打
160 8七歩成(86)
161 投了
まで160手で後手の勝ち